キラリと光る大阪産（おおさかもん）

諸岡充 (大阪府中部農と緑の総合事務所)  Vol.236

【八尾えだまめ】
“畑の肉”といわれるくらい、栄養価の高い枝豆。ビールのあてに最高ですね。八尾の枝豆は、大きく張った実とたっぷりの甘みが特徴です。これが、本当に美味い！初めて食べたときは、その甘さにびっくりしました。いつもの枝豆と違うと。農家さんの熟練の技でギリギリのところまで熟成させ、一番いい時期に収穫されるからです。この旨み成分は、収穫後2日間で半減してしまいます。“八尾の枝豆は、鮮度が命”と言われる由縁です。いいものは、料亭などにも出荷されています。
この八尾えだまめ、実は、平成18年までは、近畿で生産量が一番でした。この後、国の統計がなくなったので不明ですが、近畿で有数の生産量であることには間違いないと思います。

【八尾若ごぼう】
通常は、“葉ごぼう”といいますが、八尾では、“若ごぼう”と呼ばれています。
八尾のごんぼということか、出荷するときに矢のように束ねることからか、「やーごんぼ」の愛称があります。中国から、薬草として伝わり、八尾市では、大正時代から栽培されていたそうです。
若ごぼうの特徴は、通常のごぼうのように、根が長くなく、根から、葉の先まで、食べられることです。そして、葉には、抗炎症効果や血流改善効果があるとされている“ルチン”がたくさん含まれています。それ以外にも、食物繊維や鉄分をたっぷり含んでいて、とてもヘルシーな食材です。
八尾では一般に、えだまめを夏に収穫した後、秋から春にかけて栽培されます。秋に種をまいて、12月頃、一度伸びた地上部を刈り取り、その後に出てきた柔らかい軸の若ごぼうが八尾の特徴です。
1月の下旬から4月初めくらいまで、市場に出回ります。その独特の苦みと香りから、これを食べると“春が来た”ことを感じさせてくれる野菜です。
一般に、かきあげにしたり、炊いて食べることが多いですが、いろんな料理へのアレンジが可能です。葉の色が明るい緑色なので、スムージーにするとか、ソースにしても美しいです。
そして、特筆すべきこととして、「八尾若ごぼう」という名前で、昨年8月末に地域団体商標登録がなされました。府内の農産物では、泉州水なすに次いで、二番目の登録となります。

【紅たで】
“紅たで”と聞いても、？？？の方が多いのではと思います。お刺身に“つま” として添えられる赤紫の小さな5ミリ程度のスプラウトのようなものです。“たで食う虫も好き好き”のあのたでの仲間です。八尾の久宝寺は、紅たでの産地です。紅たでは、毒素を消して、臭みを取ることと、消化を助けること、彩りを添えることとなど、和食に、理にかなった食材として使われています。
畑で採られた直後の紅たでを食べると、びっくりするくらいピリピリします。タデオナールという物質が、殺菌作用をするようで、時間がたつと、この物質が、揮発するため、一般の食卓では、あまりこのことを体感していただけないのが残念です。
紅たでには、ビタミンCがレモンよりも豊富に含まれているのも驚きです。
熱に弱いので、素麺や冷奴、サラダ、あるいは、茹でた後のパスタのトッピングなどにどうぞ。

その他、280年の歴史を持つ柏原のぶどう、もちもち感があり、また、奈良の春日大社にも奉納される門真の蓮根、あるいは、環境と体にも優しい枚方の“れんげ米”などなど、まだまだたくさん紹介したい食材がたくさんあります。これからのKNSでの報告のネタにとっておきます。
　どうか、皆さん、大阪にある美味しい大阪もん。いっぱい食べてください。
　お問い合わせは、当事務所の農の普及課（072-994-1515）へ。
　また、八尾では、毎年3月に“八尾若ごぼう”、7月に“八尾えだまめ”を食材にして提供されるバルが開催されています。詳細は、ネットで検索を。ご参考までに。