丹波篠山黒枝豆の美味しい食べ方

吉村哲郎 (大阪国際鈴江特許事務所)  Vol.98

　初めて丹波篠山黒枝豆を買う場合、お店に関して大切な目安が二つありま
す。一つ目は解禁日（だいたい十月上旬）以降に販売を開始していることで
す。二つ目は枝豆を模した独特の看板を店先に吊り下げていること（これは
解禁日直後の篠山市街にたくさんぶら下がっています）です。
　信頼できるお店が見つかったら、次は良い枝豆選びです。良い枝豆の最大
の特徴は茶色いアザです。よその枝豆を見慣れた方の中にはこのアザを質の
悪い証拠のように感じる方もいらっしゃるようですが、丹波篠山黒枝豆の場
合は逆にこのアザが美味の証拠です。こういったものを購入することで、良
い丹波篠山黒枝豆が入手できる訳です。
　良い丹波篠山黒枝豆が入手できたところで、「これであなたも篠山人」（丹
波篠山黒まめ検定委員会、篠山市丹波ささやま黒まめ課　編）に掲載されて
いる丹波篠山黒枝豆の茹で方を紹介させていただきます。
（以下引用）
【材　料】
黒枝豆（サヤ付き）・・・・・500g
塩・・・・・・・・・・・・・大さじ3
塩（茹で用）・・・・・・・・100～120g
【作り方】
1.黒枝豆のサヤを枝から切り取ります。
2.黒枝豆を水洗いし、ボールに入れて、塩（大さじ3）を振ってこすり合わせ、
　うぶ毛を取り、洗い流します。
3.たっぷりの熱湯（2.5l～3l）の中に塩を入れ、?を入れて、12分～15分程
　度（茹で時間は、好みの硬さで調節してください）茹でます。
4.ザルに上げて水気を切り、ざっと水をかけるか、広げて一気にあら熱をと
　り、冷蔵庫に入れておきます。一気にさますのが、緑色のままで仕上げる
　コツです。
（引用終わり）
　篠山市にお住まいの方は、丹波篠山黒枝豆を茹でる際、莢の両端を切るこ
とが多いようです。この方が塩気が豆に良く浸みて美味しいからというのが
その理由です。写真はこのようにして茹でた丹波篠山黒枝豆です。
　これで冒頭のような美味しい丹波篠山黒枝豆を味わうことができるのです
が、私はもう一つとっておきの味わい方を紹介させていただきたいと思いま
す。
　それは、農家の方とお知り合いになって、その方から直接丹波篠山黒枝豆
を分けていただくというものです。知り合った農家の方と色々なコミュニケ
ーションを図りながら丹波篠山黒枝豆を分けていただくと味わいは一段と深
いものになります。作った人の顔と人となりとを思い浮かべながら味をかみ
締めると甘い旨いだけの味ではなくなるように思うのです。ご縁があれば、
畑で実っている丹波篠山黒枝豆を直接引き抜いて持ち帰ることも可能になり
ます。さらにチャンスがあれば、その場で丹波篠山黒枝豆を茹でて食するこ
とも可能です。
　私自身にもそうした経験がありますが、丹波篠山の自然に囲まれて丹波篠
山黒枝豆を味わっていると、普段の理屈っぽい色々なことがなんだか馬鹿馬
鹿しくなって、余分なものが抜け落ちるような気分になります。その後、自
宅に持ち帰った丹波篠山黒枝豆をまた味わうと、その気分がまた思い出され
て味が一段と深くなるように思います。これこそ丹波篠山黒豆を特別に美味
しく食べる方法に違いないと私は思います。