Members Column メンバーズコラム

デザインという仕事は虚業か!?会社体験見学の小学生に冷や汗一杯。

橘勝彦 (株式会社タチバナデザイン)  Vol.260

橘勝彦

先日、当社オフィスに近隣の小学生(4年~6年生の男女)計10名が会社体験見学として来てくれた時のお話です。
当社は創業27年目を迎えるデザイン制作会社で企業や商品などのブランディングを含め、カタログ、パッケージなどの企画制作、特にカタログ制作において日本トップレベル(自称)のグラフィック3DCG(実写より美しい創作写真・動画)で企業販促のお手伝いをさせていただいております。

当日、会社体験見学の終わりの質問コーナーの時間にある男の子が鋭い質問というより真髄をついた一言。「実際にまだ存在しない物をコンピュータで作った画像をカタログにして人を騙しているお仕事ですか?」これには当社の担当若手スタッフも答えに困ってタジタジ・・・そこですかさず年の功?君たちドラえもん知っているでしょう。ドラえもんの「どこでもドア」とか「タケコプター」とかあったら楽しいよね。
キミたちが生まれるずーっと何十年も前、ドラえもん考えた時代の子供たち(今はおじいちゃんと呼ばれる年代)はいろんな夢見てたんですよ。その幾つかは昔、存在しなかった携帯電話、スマホとか壁掛けテレビとか高速道路とか現実になってるんだよ。だからデザインという仕事も夢と想像をもって人を楽しく現実に出来る可能性がある仕事なんだよ。とかなんとか納得させたような誤魔化せたような冷や汗ものでした。
さすが平成の子供たちは鋭いと実感させられました。そのほかにもアプリケーションは何を使っていますか?とか中には年棒はいくらですか?とか・・・屈託のない、遠慮のない質問に中途半端な大人たちより余程ストレートに考えていることが伝わって最後は楽しくなってきました。でも現実的な質問内容とは裏腹に夢を語る子供たちの目はキラキラしていました。
参加してくれた小学生の夢や希望が現実となる事を願うと共に私達も創造企業などと綺麗ごとを言いながら現実ばかり追いかけている企業や社会とは別次元で幻想ではない本当の夢を実現できる姿勢と行動を示せる存在でありたいものです。本当に勉強させていただいたのは私たち、大人かも知れません。
また、子供たちに仕事は面白いよ。というと「仕事っておもしろいの??」という驚いた表情に悲しいというか現実、いかに面白くない大人たちの顔とマイナス言葉の環境に置かれているのかと感じずにはいられませんでした。

 私の好きな言葉で吉田松陰の名言「夢なき者に理想なし。理想なき者に計画なし。計画なきものに実行なし。実行なきものに成功なし。故に夢なきものに成功なし。」とい言葉がありますが今回の経験を通してあらためて社会人、プロとしての姿勢、言葉の大切さを痛感させられ、本当の大人とはなんだろうとも考えさせられた一日でした。 

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