Members Column メンバーズコラム

地域の少年サッカーチームから学んだこと

井谷宣明 (大阪市経済戦略局)  Vol.259

井谷宣明

はじめまして。私は、井谷宣明と申します。大阪市に奉職してから、丸22年が経過し、現在は、経済戦略局で中小企業支援に関わる仕事をさせていただいています。
今日は、仕事の話ではなくて、週末に関わらしていただいている地元(大阪府堺市)の少年サッカーチーム(小学生)についてのお話をさせていただきます。
きっかけは、小学校2年生からお世話になっている息子(現在高校1年生)が、卒部するにあたり、チームの団長から声をかけていただいたことに始まります。

息子が6年生の時に大阪府の大会で予選を勝ち進み、大阪府の代表をかけた中央大会に進出することとなり、それまでほとんど観に行ったことがなかったのですが、家族でその試合を観に行きました。そこでの息子は、僕が知る普段の息子と全く違いました。小さいころから自己主張が少なく、どこにいるのかわからないような影の薄い息子が、大きな声で「俺にまかせろ!」とボールを追いかける姿は驚きで、心から感動しました。

そんなこともあり、少しでも恩返しができればと軽い気持ちではじめたのですが、現在4年目に突入しております。
正直言って、休みの日に、朝早い集合や、時には豪雨の中での試合など、つらいと思う時もありますが、家族や職場以外に、別の居場所があるのは、これはこれで、とてもいいものですよ。

その少年サッカーチームが最も大切にしているのが、「アルマジロカラ」です。
ア・・・(元気に)あいさつをする
ル・・・ルールを守る
マ・・・マナーを大切に
ジ・・・時間を守る
ロ・・・(後片付けなど進んで)労働する
カ・・・感謝を忘れない
ラ・・・「ラーニング」(積極的に学ぶ姿勢)

もちろん、技術の向上や試合に勝つということも、とても大切ですが、「地域の」少年サッカーチームとして、子どもの人間的な成長を最優先しています。

子どもたちは、とても素直でいい子が多いのですが、高学年になるにつれ、成長の過程で「反抗期」を迎え、チームのための労働や声かけなどを恥ずかしがったり、団長や監督、コーチが真剣に大事な話をしているときに、心ここにあらずの子が散見されるときもあります。そういった子どもにも耳があるので、声は聞こえてはいるのでしょうが、「心の耳」がふさがっているので、なかなかこちらの思いが伝わらないように感じます。

そんな時に、団長や監督からよく聞くのが、「子どもたちは必ずいつかわかるようになる」ということです。団長や監督は、今日の出来事から、様々なことを子どもたちに話をしますが、根底にあるのは、「努力の大切さ」「思いやりの心」「考えるクセをつけること」「目標をもつこと」などいくつかのポイントに集約されると思います。そのポイントを何度も何度も繰り返し話をします。子どもたちも、頭では、話は「理解」できているのでしょうが、心の奥から、本当に「わかる」ようになるのは、その子どもの環境や成長によって大きく異なります。監督や団長の姿勢は、子どもには、いつ伝わるかはわからないが、大切なことをあきらめず何度でも伝え続けることが、とても大事なことだと教えてくれます。

私自身も、素直な気持ちを忘れ、心の耳をふさいでしまうときがあります。そんな時は、大抵、傲慢になっていたり、周りが見えていない時です。「素直な気持ち」「学ぼうとする姿勢」がなければ、心の耳は閉じたままです。

私の好きな武道家に内田樹さんがいますが、その人が「学ぶ力」をつけるための3つの条件を挙げています。

◎学ぶために必要なこと
1つは、自分自身に対する不全感。自分が非力で、無知で、まだまだ多くのものが欠けている。だから、この欠如を埋めなくてはならないという飢餓感をもつこと。
2つめは、その欠如を埋めてくれる「メンター(先達)」を探し当てられる能力。
3つめが、オープンマインド。人をして「教える気にさせる力」です。素直さと言ってもいいし、もっと平たく「愛嬌」といってもいい。
この3つの条件をまとめると、
「学びたいことがあります。教えてください。お願いします。」という文になります。
これが、「学びのマジックワード」です。
これをさらっと口に出せる人はどこまでも成長できる。
この言葉を惜しむ人は、学ぶことができません。
学ぶ力は年齢も社会的地位も関係ありません。

この少年サッカーの活動に関わらせていただき、いくつもの大事なことを学ばせていただきました。
・子どもたちにはいつも明るく元気で接すること(職場でも、上司、同僚、部下に接する態度も同じ)
・努力を継続することの大事さ(1日1日の成長はわずかだが、1年2年と続けると必ず成長する)
・チームワークを意識し行動すること(自分の強みと周りの強みを意識し行動することで、チームは強くなる)
・一致団結し、勝利した時の喜び(職場でも全く同じ)
・「伝えること」と実際に「伝わること」は違うこと(職場でも全く同じ)
・地域で頑張っている人の存在(普段の生活では気づかないが、職場でも目立たなくても縁の下の力持ちが必ず存在する)
などなど、多くのことを学ぶことができました。
現在、指導者としてこのチームに関わらしていますが、気持ちはいつも「学ぶ場」とし、この場で学んだことを職場でも活かしながら、学び続けることができればと思います。

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