Members Column メンバーズコラム

中小企業を支援する仕事

上野山泰成 (大阪市経済戦略局)  Vol.424

上野山泰成

初めてコラムを担当させていただきます、大阪市の上野山と申します。私は現在、経済戦略局という部署で、大阪経済の活力の源である中小企業に少しでも元気になってもらいたいと、頭を悩ませる日々を過ごしております。
私は生まれも育ちも大阪市で、平成6年に大阪市に奉職して以来、観光振興を担当した2年間を除き、中小企業の支援業務に20年以上関わらせていただいています。最初に配属されたのは、現在の「大阪産業創造館」の前身でもある大阪市中小企業指導センターでした。中小企業の皆様からの相談に対応する毎日でしたが、専門知識を持っているわけではなく、弁護士等の専門家につないだり、調査して応えるのが精いっぱい、時には厳しい意見をいただくこともありました。その後も商店街の補助制度や業界団体に関すること、経済環境・施策課題の調査、ロボット産業の振興などを担当し、今日に至っております。

私がこのKNSに参加させていただくようになったきっかけは、たしか12 – 13年ほど前のことだったと思います。当時、産学官連携やベンチャー企業支援の担当として「大学等の研究成果の事業化支援」をテーマに新規事業を検討することになりましたが、何をすればいいのか分からず、メビック扇町の堂野所長に相談したところ、KNSをご紹介いただき、様々な立場の方からお聞きしたことが大変参考になったことをよく覚えています。
そして、現在は大阪市の中小企業支援策を進めるうえでの“調整役”担当の私ですが、今、最も重要なテーマとして捉えているのが「人材不足対策」です。少子高齢化、生産年齢人口の減少等を背景に、特に中小・ベンチャー企業では人材不足が深刻化し、機会損失や企業成長の制約要因となっています。経営上の大きな課題となっている人材不足を少しでも解消して成長につなげてもらえるよう、昨年、新規予算を要求し、今年度新たに支援事業を立ち上げることになりました。事業内容は、要約すると「大企業で働いている方を対象に、中小・ベンチャー企業への派遣や転職を促す」というものです。具体的には、大企業から「期間限定で人材を派遣(レンタル移籍のようなもの)してもらうこと」や、主に中高年層の方を対象に「新たな活躍の場として、中小・ベンチャー企業に転職してもらうこと」を想定しており、人材を送り出す側、受け入れる側の双方にメリットを感じてもらえる取組になるのではないかと考えた次第です。公的な機関が間に入って両者のWin-Winの関係づくりをサポートすることで、大企業からの「人材の流動化」を一層促進し、中小・ベンチャー企業における人的資源の強化や成長の加速に少しでも貢献したいと思っています。また「人生100年時代」の到来を控え、働き方改革が注目されるなか、兼業・複業も含めた柔軟な働き方の普及・定着にもつながればと考えています。今、事業計画の詳細を詰めている段階ですので、興味・関心をお持ちの方がおられましたら、気軽にお声がけいただけるとたいへんありがたいです。
また、例年のことですが、この時期は関係部署と来年度の事業展開に向けた議論を進めています。大阪・関西では、2019年に「G20大阪サミット」、「ラグビーワールドカップ」の開催、うめきた2期開発やIRの開業、2025年万博招致活動など、様々なビッグプロジェクトが進展しています。さらに、訪日観光客の都道府県別訪問率(2018年1-3月期)では大阪府が全国第1位となり、広く世界からたくさんの方にお越しいただくなど、近年にない追い風が吹いていると感じます。こうした絶好の機会をしっかりと捉えて、中小企業に元気になってもらう取組ができないか、と皆で議論しているところです。ビックプロジェクトのインパクトや経済効果を地域の隅々まで波及させ、中小企業の活力を高められるような、そんな良いアイデアがありましたら、ぜひご教示ください。よろしくお願いします。
何事もそうですが、新しいことをはじめるには、ちょっとした勇気や熱意、やり遂げたい(こんな風になればいいな)という思い、のようなものが不可欠だと思います。昨年の予算要求時には、多くの資料作成に始まり、「同様の事例はあるのか」「必ず成果が上がるのか」などさまざまな角度から検証され(責められ)、気持ちが折れそうになったこともありましたが、なんとか立ち上げにこぎつけることができました。今年も昨年と同じような状況に陥りそうな気がして戦々恐々としていますが、これからも自分自身のできる限りのチャレンジをしていければと思います。私にとってKNSは、そのための色々な刺激やエネルギー、新しい出会いをいただけるとても貴重な機会となっています。今後もできる限り参加して「KNSしたい」と思いますので、ぜひお声がけください。
取り留めのない話になってしまいましたが、何とぞご容赦ください。引き続きよろしくお願いいたします。

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