単身赴任後の想いなど

宮本和志 (日本政策金融公庫広島支店)  Vol.171

家族揃っての関西勤務は、公私ともども充実した毎日でした。大阪支店で勤務できたことが、このKNSとの出会いになったわけです。2年間の大阪支店勤務を経て、平成19年4月に東京へ異動。長女は2年間ですっかり関西に馴染んで、関西に残りたいと毎日泣く始末で、これもまた2週間かけて説得。このときも「家族一緒が一番」と言う、かみさんとの協議の結果でした。
　次の異動は単身確定だな、と心の中では覚悟していたものの、実際単身が確定した時はとても複雑な心境でした。毎日が自由だぁ、と言う嬉しさと、かみさんたちが帰省する1週間程度の一人暮らしは何度かありましたが、本格的な一人暮らしは独身時代以来で、47歳にして初めての単身大丈夫やろか？の不安感。
覚悟を決めて、東京駅から広島へ。その日平成24年4月3日は、発達した低気圧が西日本に暴風雨をもたらし、なんと博多行きの新幹線が新大阪で運転中止。再運転するやろう、と車内で暫く待機していましたが、その可能性は打ち消され、18時頃大混雑している新大阪駅を後にし、ホテル探しの放浪が始まりました。FBにアップしたら、堂野さんや与那嶺さんから飲みのお誘い。流石にヘロヘロだったので辞退申しあげましたが、その節は励ましありがとうございました。新大阪で大多数の乗客が足止めされたため、ほとんどのホテルは満室で、やっと見つけたのが南森町のホテル。初めての単身赴任前の初めての赴任難民を経験し、送った家財道具も滋賀県付近で立ち往生し、予定より2日遅れて広島に到着。波乱の単身を予感させるものでした。
　単身赴任スタートの3ヵ月間は、身の回りの不足品を買出しに出かけたり、広島市周辺を散策したり、あっという間の3ヵ月でした。ところが、7月の上旬頃から体調を崩し、2週間微熱が続く日々。流石に病院へ行き、先生に相談することに。初めての単身赴任であること、日々の食生活等々を説明するに、先生曰く、「修行僧のような生活はダメですよ！」と。4月からの食生活は、肉抜き玉子抜きの生活を続けていたのが要因ではないかとの説明でした。そうなんです、年齢的に油ものや動物性タンパクは摂取しない方がいいと思い、毎日のメインの食事は「ご飯・納豆・豆腐・野菜サラダ」を続けていたのです。
「時々ビフテキや玉子も食べないとダメですよ。きょうは栄養剤打っときます。」と先生から言われ、はっと思いました。これまで、時々肉や玉子も食べていたよなー、と。いや、食べさせられていたのかも知れません。家族一緒に暮らしていると、当たり前のように朝食を食べて出勤し、帰宅して当たり前のように入浴し作ってもらった夕食を食べ、少しみんなと話をして寝る。単身を始めて、これまで当たり前と思っていたことが当たり前では無い世界だと思うようになったのは事実です。今ご家族と一緒に暮らしていらっしゃる方は、傍にいらっしゃるご家族のことを少しだけ振り返ってみてはどうでしょうか。日頃一緒にいると気付かない事が実は沢山沢山あるんですよね。単身を経験されたKNSのメンバーがどれくらいいらっしゃるのかわかりませんが、離れて生活して気付く事が多く、今更ながら家族に感謝する毎日です。距離があるのでなかなか東京に帰省できないのですが、居場所が少なくなったとは言え、やっぱり自宅はいいものです。一緒に住んでいた時は殆ど言わなかった「ありがとう。」が自然に言えたり、かみさんの作った料理もこれまで以上に美味しいと思うようになったり。単身生活は、家族の絆はとても大事で、もっともっと家族を大事にしなくてはならないな、と改めて感じさせてくれるいい経験です。家族と一緒にお住いのメンバーの皆様、奥様やご主人やお子さま達に「ありがとう。」って時々言ってあげましょう。家族の絆が更に強くなりますよ(^_^)
　写真は、年齢？のせいか緑が恋しくなって購入した観葉植物3兄弟です。毎日話しかけているわけではありませんので誤解の無いように願います(^_^;)
　雑文にお付合いいただきありがとうございました。またの再会を楽しみにしております。