Members Column メンバーズコラム

宇治市の製造業と宇治VIFのご紹介

國見章 (京都リサーチパーク(株) 成長企業支援部)  Vol.110

國見章

 初めてメンバーズコラムを担当します、京都リサーチパーク(KRP)の國
見です。いつも、KNSの皆様にはいろいろなご案内等でお世話になってい
ます。
 KRPは、京都市下京区の大阪ガス京都工場の跡地を再開発し、1989 (平
成元年)に全国初の民間運営によるリサーチパークとしてオープンしました。
このKRPの運営会社である京都リサーチパーク株式会社は、よく第3セクターと
間違われるのですが、100%民間企業です。

 当社の主たる業務内容は、オフィスや実験研究スペース・貸会議室等の
「適切な事業環境のご提供」と、産学公連携や成長企業支援の「インキュベ
ーション機能」となっています。
 今回は、私の所属する部署が担当する成長企業支援業務で関係している、
「宇治市」について、特に製造業に関する部分についてご紹介したいと思い
ます。
 「宇治市」から皆さんが思い浮かぶのは、おそらく「宇治茶」や「平等院」
といったところでしょうか。「宇治茶」の名称は高級茶の代名詞的なもので
すし、「平等院」は世界遺産に登録されており、他にも名所・旧跡は数多く、
観光地としても京都府下では人気のスポットとなっています。
 一方他の産業、特に製造業分野における宇治市の状況をご存知の方は、地
元の方以外は少ないのではないでしょうか。現在、宇治市に立地している企
業で、誰もが知っている大企業としてはやはり「任天堂」でしょうか。「任
天堂」は宇治市内に3つの工場を持っています。他にも「ユニチカ」や「パ
ナソニック」の電子デバイス関連の工場も立地しています。また、少し前ま
では「日産自動車」の子会社の日産車体がありましたが、カルロス・ゴーン
によるグループ会社の再建計画で閉鎖されました。
 それでは、中小企業はどうでしょうか。じつは、宇治市は京都府下でも有
数の町工場が集積する地域なのです。京都市南部から宇治市に続く地域には
町工場が多く集積しています。古くは島津製作所の時代から、戦後は日産自
動車、三菱自動車、パナソニック等近畿や中部地方の大手企業の部品加工や
製造装置などを請け負う企業や、お茶だけでなく様々な食品関係の企業が多
く集積しています。集積の規模的には大阪府の東大阪市や八尾市には及びま
せんが、独自の技術を持った光る企業が多く存在しています。
 このような一面を持つ「宇治市」には、関西でも数少ない製造業に特化し
たインキュベーション施設「宇治ベンチャー企業育成工場(宇治VIF)」を
2005年に設置しました。前述の日産車体跡を再開発し、宇治市のものづく
り産業集積地域の活性化を促進する拠点として設置された「宇治市産業振興
センター」に隣接して、新たに製品開発を目指す若い企業や第二創業企業を
集積して支援を行っています。全部で8区画ある工場では、入居期間の7年
の間に自社の製品等の研究試作開発を進め、製品化と販売拡大を目指す企業
が日々切磋琢磨しています。堀場製作所や京セラ等を輩出した「ベンチャー
の都京都」と地域の下で、産学連携等も進めながら、宇治市に新たな企業を
輩出すべく、KRPも宇治VIFの開設時から入居企業の様々な経営支援を行
っております。またこの他にも、地元の企業向けのセミナー・交流会や、相
談会を定期的に開催しています。
 いま、国内の中小製造業の企業は、最近まで続いた円高の影響、アジア製
造業の台頭、また震災の影響等非常に厳しい状況が続いています。しかしな
がら、京都でもこの状況に耐え、新たな展開を進めて更なる成長を目指して
前を向いている中小企業が多くいることは、まだまだ製造業の潜在力や底力
を感じます。
 今年2012年は、宇治VIFから初期の入居企業が卒業時期を迎え、新たな
挑戦を行う企業を募集する年度となっております。この内容をご覧になって、
ご興味がある方は是非、宇治市の産業推進課までお問い合わせいただければ
と思います。

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