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新年度の決意“縁起のいい踏切板”になる
福田稔 (新宿区立高田馬場創業支援センター) Vol.109
![福田稔](http://kns.gr.jp/wp-content/uploads/old/20120404-FUKUDA01.jpg)
新宿区立高田馬場創業支援センターの福田です。
いつも、ありがとうございます。
昨秋、法政大学の大学院でインターネット調査をしたところ、2,3年以内
に自分の事業を起こそうと考えている人が、震災前の調査の4.6ポイントか
ら約半分の2.6ポイントになっていました。調査時点は大震災から半年で、
まだまだショックが冷めやらず、なんとなく縮んだような社会的雰囲気の中
だったからかもしれません。自発的・積極的起業チャレンジャーが、ぐっと
減っていることを示しています。
しかし、どこのインキュベーターも閑古鳥が鳴いている、という状況は起き
ていません。むしろ活況、行列ができている話をよく聞きます。感覚的には
10年前のインキュベーション業は好況型産業だったのに、今の業界は不況型
に変わったのではないかと思えるほど起業志願者のボリューム層が変わった
ようです。つまり、いろんな形で雇用がなくなった方たちが、自分が自分を
雇用するために、ある意味、非自発な形で起業するケースが増えていると思
われます。この辺はきっちり調べたいところですが、このトレンド、“非自発
起業”の増加が悪いと言っているわけではありません。
善きにつけ悪しきにつけ、社会がより幅広い人々に自立を求め始めている。
そういった中で、きっかけはどうあれ、起業チャレンジャーが増えている。
以前、「起業家は社会の宝だ」というタイトルの薄い本を書きましたが、起業
家が社会を進歩させ、地域に雇用と富を生み出してくれる。だから“宝”な
訳で、起業家が増えれば、それだけ社会が幸せになる!とあえて断言します。
私を含めビジネス・インキュベーションに携わる者は、これまでとはタイプ
の違った “行列”の起業チャレンジャーが見事成功するよう、起業当初の
一番きついところを伴走していく覚悟が求められています。
「知情意」という言葉がありますが、起業志願者には知恵と情熱と決意をも
った取り組みを求め、応援していきます。
平成24年度の初めにあたり、桜花爛漫のもと、社会の宝となる彼ら彼女ら
のリスクが最小限に、チャンスが最大限になる、縁起のいい踏切板になろう
と決意を新たにしたところです。