Members Column メンバーズコラム

還暦前の手習い。今どきの言葉でいえば、リスキリング?
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 (美濃地研一) Vol.737
バブル期に大学生活を送り、シンクタンクに就職したものの、体系的・学問的なバックボーン無しに、がむしゃらに働くことで、30数年の研究員生活を送ってきました。
60歳の定年を前にして、振り返ると、至らないところが多々あり、遅ればせながら、それを補い、定年後の人生を少しでも充実したものに、また、社会のお役に立ちたいと思うようになりました。
その答えの一つが、通信制大学院での科目履修生となることです。いずれは、大学院の本科生となり、修士課程修了をめざしています。それ以外にも、苦労ばかり掛けてきた妻とともに近くの農園を借りて、野菜・果物を育てるといったちっちゃな夢もありますが、還暦(定年)を前にして、過去を振り返りつつ、自分の将来や地域の未来について思いを馳せるようになりました。
シンクタンクの研究員は、お客様に対して、過去や現状を分析し、あるべき将来の姿を提示するのが仕事なのですが、実のところ、自分の将来については、ほったらかしでした。
大学院の話に戻すと、昨今は、いろいろなタイプの大学院があります。駅前にキャンパスを構える社会人向けの大学院などもありますが、自分の興味関心や自分のペースで学ぶことができる通信制の放送大学大学院を選び、その科目履修生となりました。ほぼすべての授業が、ネット上で受講可能で、時間や場所の制約はありません。また、仕事にも役立ち、自分の興味関心事に近い多彩な科目が開講されています。これまでにも「統合イノベーション制度研究」「地域産業の発展と主体形成」「公共政策」「経済政策」といった科目を受講しました。
最初に書いた通り、大学卒業後、仕事や生活の中で得てきた知識や経験を、学問を通して再整理する作業は、勉強嫌いであったはずの自分にとっても楽しいことです。還暦前の手習いなので、若いころのような馬力はありませんが、熟成しつつある脳ミソを使って、得てきた知識や経験と、新たに得られた学問的知識を「新結合」させて、自分の頭の中で「脳内イノベーション」を楽しんでいます。
これらは、今どきの言葉でいえば、リスキリングなのかもしれませんが、人生100年時代を前にすると、還暦以降の第二の人生においても、現役世代としての活躍が求められていると思います。これからは、自分の経験もいかして、リスキリング×地域産業振興、リスキリング×○○といった、シニア研究員ならではの仕事にチャレンジしてみます!ご覧いただいたみなさん、よろしくお願いします。