うるさいおっさんであり続ける

中川裕之 (中川鉄工株式会社)  Vol.207

私ももうこの世に生まれて半世紀を目前にし、次世代へのことを考えますと、こんな状態でこの先のこの国はどうなるのだろう？とすごく不安に感じることが多々ございます。
事実、私ごとですが、私の会社での若者の定着率が、すごく悪くなってきており、非常に危機感を感じております。辞める時に理由を聞いてみると・・・なんでそんな理由で？って感じで辞めていく若者がほとんどです。先日経産局の事業で就職を前にした学生向けのセミナーで、同業者の社長と一緒に登壇しました。その中でですが、何のために働いているか？っていう理由づけで、きちんと自分のポリシーを表現できる学生が、すごく少ないのを感じました。セミナーへ出席するぐらいの学生なんで、一般の学生よりは意識は高いと思います。
ですが・・・？です。また、自分の夢を持っておられる人って挙手を促すと、参加者の一割程度しか手が挙がりませんでした。なおかつ私が一番危惧したのは、すべて女性の学生でした。たまたまかもしれませんが、男性としては非常にさびしいことですね？
　自分に照らし合わせますと、父の後姿を見ていたら、何のために働いているかってすぐ理解できますし、そう感じないといけないと思います。一番は生きていくためでしょう。勿論家庭を持つと、女房、子供たちを養うため。そしてひいては、自分の欲望を満足させうる収入を得るため・・・と、すぐに出てくると思います。
　ですが・・・です。
そのセミナーで出てきた内容をお伝えしますと、
世のため、人のために働きたいとか、好きなことを仕事にしたいとか、うわべっつらの良い、人聞きの良い話ばかりです。ですが、世の中そんなに甘くないのが現状です。
実際この先事業継続を視野に入れて物事を考えますと、このような若者を雇用し、今まで以上に厳しい時代を乗り越えていかねばいけません。
決して無茶なことを言っているのではございません。この先の10年、20年、50年先の自社のこと、勿論その社員のことを思うからこそで、今飴と鞭で厳しく接する際は接しないと、お互いの将来が無いように思われ、その価値観で接するようにしております。が…結局かなりの労力で引っ張り上げようとしているうちのごく一部しか定着していないのが現状でしょう。経営者側からすれば、今の時代企業が必要とするのは流される人間じゃなく、自分で考え、行動を行う経営者的な感覚に似たものを持ち合わせた社員でないと、務まらない社会状況になってきているのも現状です。大手企業においてだけじゃなく、中小企業に及んでも同じことが言われると思います。
　そんな中で、KNSのメンバーでもあられます情熱の学校のエサキさんが企画されたファクトリーライブというセミナー？で、たまたまお会いしましたメディアのナレーション等で有名な畑中ふうさんとお名刺の交換をさせていただきました。FBで友達になり、その後も色々思うところをお互いにコメントさせていただいたりしておりました。その畑中ふうさんが世の中をよくしようという動きを、いろんな媒体を使い広めて行こうと試行錯誤されております。この春よりいろんな動きが加速していくと思われます。
　このような動きがアメーバー的に広まり、現状でも世界的に見てすごく評価されている国であるのは事実ですが、今後もやっぱりこの日本は素晴らしい国であると継続して言っていただけるような流れを継続できるように、自分も信念を持って貫いて、うるさいおっさんであり続けようと思います。KNSのみなさんも是非未来の日本のためにうるさいおっさん、おばちゃん、お兄さん、お姉さんになってくださいませ。
長らくのお付き合いありがとうございました。