Members Column メンバーズコラム

大人の林間学校

高橋秀一 (丸楽紙業株式会社OA事業部)  Vol.175

高橋秀一

大阪の印刷団体は、大阪青年印刷人クラブ、大阪青年印刷人協議会・スペース21平成会という三団体事業があります。
今回はこれら三団体が共同で研修事業をしようと言うことで『大人の林間学校』を行いました。
ある昼間、弊社の営業副部長が神妙な顔つきでやってきた。
『高橋さん、お願いがあります』
『なんやねん うっとおしい顔して嫌な予感するから何も言うなよ』
『大人の林間学校に入校してください!』
『なんやねん おもろそうやん』すべてはここから始まりました。

7月6日土曜日 朝から車で兵庫県立嬉野台生涯教育センターへ向かいました。
そこで何が待っているのか 知らずに
午前11時集合 アスレチックを行う前に事前説明 自分を超える。
エッジを超えるなど精神論を話される。
54歳の私は冷めた目で見ており、今のやる気度は?
という問いかけに34.5%と答えて二軍になる。
食事後、今回の最高年齢者の方が用事があるのでと離脱、その時点で私が最高年齢となる。
うだるような暑さの中、昼から縄跳びが始まる。
ステージ1 ただ飛び越えるから段々と難易度があがっていき、超えた後のダッシュが続く。
右足ふくらはぎに違和感を感じ、次に踏み出した時にブチッと音がして強烈な痛みがはしる。立っていられない。
これが肉離れかと慌てて手を挙げてリタイヤする。
みんなの冷たい目線、『演技ちゃうの 逃げたらアカンで』『ホンマに痛いネン』
少し氷で冷やすがなかなか痛みが引かない。
走るとかはできないので応援の方にまわる。
最近、これだけ汗をかくことが無かったので気持ちいいを通り越してベトベトで気色悪くなる。
バーベキューで盛り上がり、キャンプファイヤーで炎のそばで仲良くなった者同士、語り明かす。
若い奴はなにを考えているのか わからないと思っていましたが間違いでした。
彼らは彼らなりに色々考えて動いているのだと理解でき、魅力ある経営者にたくさん会えることが出来ました。
遊びとわかっていても 何とか出されたオーダーをクリアするために皆が知恵を出し合い、
リーダーになるものが統率して、何人かがそのサポートにまわり動く。
年長者はその中で経験から助言を与える。
まるで理想的な会社経営でもしているような動きでオーダーをこなす。
外から見ていて非常に面白い。知らない者同士が短時間で結束力が高くなる。
どこの誰かわからん兄ちゃんと抱き合ってる自分がいる。
そして、夜、就寝前の時間に一部屋に集まり熱く語る者たち。
静観していたが冷めていると言われる最近の若者達ですが、
どうしてどうして熱いがな。みんな熱い。
真剣に話しているのに水を差すわけにいかないので口出しするのをやめる。
クーラーの無い部屋で知らない間に寝てしまっていた。 しかし、暑い。

二日目、朝から集合した広場は 隅に電柱の様な木が一本立っており、
その横に同じように電柱の様な柱が二本あり、丸太が8メートルの高さに横たわっている。
異様な光景の広場です。
そこで午前中はゲームをおこなう。
みんなの連帯感を高めるようなゲームをした後、昼からいよいよエッジを超える時が来たのです。
そうです。8メートルの高さの丸太を命綱1本つないで渡るそうです。
高いところはそないに嫌いではないのですが肉離れの右足が言うことをきかない。
歩けそうもないのでこっちは辞退する。
参加の女性も上がるが柱にしがみついて離れることができない。
足も震えている。でも最後は意を決して一歩を踏み出す。
エッジを超えた瞬間でした。
そうして、次の課題、8メートルの高さからのダイブです。
それもクッションもない地面に向かって飛ぶのです。
5人くらいで命綱を引っ張ってもらいます。彼らが私の命を握っているのです。
でも、なぜか信頼関係が構築されているので怖くありません。
ロープ一本ですが安心感を与えてくれます。
柱を登るときに足が痛いのではと思っていましたが
アドレナリンが大量に放出されたのでしょう。痛くないのです。
一気に上の台の部分まで登っていきます。
上に立った時に まだ余裕がありました。
携帯電話を取り出して動画を撮影することが普通にできており、
そんなに怖くなかった。
踏み台の1メートル先まで出るようにと声かけしてもらうがここから恐怖が襲ってきた。
台がユラユラ揺れます。怖くて足が震えだす。ホンマにガクガクと震えている。
日常生活においてこれだけ足が震えることがあるのでしょうか。
笑ってしまったというか笑うしかない。
端までの1メートルが遠い! 足が前にでない。
震えながらすり足で進む。息が荒い。『ハァハァ』言いながら突端までたどり着く。
もう長くこんな状態を続けたくないのですぐに飛び出しました。
エイヤ?の世界です。もうあとは放心状態です。
地面に降りても足の震えが止まらない。
ある者は手が震えて水がコップから全部出てしまう。
いやはやエエ経験させてもらいました。
私が自分を超えた瞬間です。絶対に無理、絶対できないと思っていたことが仲間がいれば可能になる。
エッジを超えることができたのです
この経験をこれからの人生、仕事に生かせるようにしないといけない。
そして今回のセミナーで得たかけがいの無い仲間もそうです。
今、原稿書きながら今回の参加者に電話しています。
また、仲間が増えた! オモロなってきた!

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