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「国民総自営業制」と「土曜日半ドン制」で元気な世の中を!

保田充彦 (株式会社ズームス)  Vol.487

保田充彦

日本を元気にするために、2つの具体的な施策を提案したい。ひとつは、「国民総自営業制」。もうひとつは、「土曜日半ドン制度」だ。

1.国民総自営業制
字句の通り、すべての国民が「自営業」になる制度だ。「自営業」といっても、個人商店のような旧来の自営業ではなく、フリーランスや個人主体の企業も含めた、あたらしい個人主体の働き方をさす。海外では「フリーエージェント」と呼ばれているようだ。
あたらしい「自営業」は、必ずしも、すべての人が「経営者」になれと言うのではない。会社や他の組織に属していてもいい。ただ、現在のように、税務や社会保障など多くのことを会社や組織に委ねてしまう「雇用」ではなく、あくまでも独立した個人として契約を基に在籍する。イメージとしては、プロ野球選手に近いものかもしれない。

国民総自営業制のメリットとしては、

1)コストや利益への意識が高まり、無駄なことをやらなくなる。
2)「リストラ」や「就活」に苦しまなくてすむ。
3)因果応報を思い知るので、クレーマーになりにくい。

と言ったことがある。

「自営業」と言うと、キャバクラの従業員のように、労働者を搾取する制度じゃないのか?と言う批判があるかもしれないが、そうではない。この制度になれば、個人個人の活動の費用は、経費として正しく認められる。仕事のための研究開発や教育投資も含め経費になるし、いい仕事でも悪い仕事でも直に自分への評価として返ってくるから、まじめに努力するモチベーションも強まるだろう。

売上を上げコストを下げれば、それが自分の収入となる。売上の交渉も自分でできるわけだから、結果はどうであれ、納得できる収入が得られる。組織の中で馬の合わない(能力の低い?)上司に評価される成果主義より、はるかに受け入れやすいだろう。

これは個人的な意見であるが(もちろん、この文章全部が個人的な意見だが!)、労働人口の大半を「サラリーマン」が占めているという現状は、正常な状態ではないと思う。おそらく、産業革命後、効率化のために会社や組織に雇用される働き方が是とされてきたのだろうが、現状を見るに、少し行き過ぎてしまったのではないか、と感じる。大組織は決まったことを継続的・効率的に処理するのには適しているが、解決方法がわからない課題に対して何度もトライ&エラーをするのには適していない。有象無象のアイデアの芽を出すのは、多様で自由な個人の役割だと思うのだ。

そんな世の中を実現したいという思いが「国民総自営業制」の根底にある。

2.土曜日半ドン制
僕が子供の頃は、学校も会社も、土曜日は「半ドン」だった。すなわち、土曜日の午前中は勉強や仕事をするのが普通だった。土曜日は午前中、勉強や仕事をして、午後は友だちと野球をしたり、一人でプラモデルを作ったり、習い事にいったり、それぞれが多様な時間を過ごすことができた。

現在は多くの職場・学校で週休2日が当たり前になった。土曜日がまるまる休みなのだから、理論的には昔よりもっと多くのことができるはずだ。しかし、週休2日の今のほうが休みの充実感がなく、だらだらと過ごしてしまうのではないだろうか。朝から休みだと、人間は休みさえ、なまけてしまうのだ。

半ドンの土曜の午後は、なんともいえない開放感・ワクワク感があった。仕事(勉強)と言う緊張した時間を終えたという「小さな充実感」と、まだ一日の半分が残っているという「開放感」があわさって、幸福感に昇華されていたのではないかと思う。そんな「充実感」や「開放感」、「幸福感」は、人間のクリエイティブな行動や、前向きの力を誘発するのではないだろうか。半ドンの午後の空気は、人の心を回復し、元気にしてくれる。

半ドンの日はまた、午前中一緒にいた仲間(友だち)と、そのまま「つるんで」何かをすることも容易だ。完全休日だと、仲間をわざわざ呼び出すのが面倒くさいが、半ドンの午後は「わざわざ出かける」のではなく、「帰り道にふらっと」という寄り道感覚で行動できるのがいい。仲間と一緒に、気の向くまま、映画館や美術館、イベントにもいけるし、レストランや居酒屋にも立ち寄れる。自由で開放された人間を増やす半ドン制は、消費活動や経済も活性化させるはずだ。

将来が見通しにくい今の世の中を本気でよくしようと思うなら、付け焼き刃の対策では、だめだ。現在のシステムにおかしいところがあるなら、それを根底から変えるくらいのことをしなければ、ジリ貧になって立ち行かなくなるだろう。今、巷で言われる「働き方改革」がどうも胡散臭く感じるのは、残業規制とか最低賃金の見直しとか、あくまでも現状のシステムの上でのちょっとした「改善」しか議論されていないように思える体。なにかを本気で「改革」したいと思うなら、今まで当たり前だと思ってきたことを、根本から見直す勇気も必要ではないだろうか。

「国民総自営業制」や「土曜日半ドン制」など、少し馬鹿げた意見かもしれない。しかし、そんな「馬鹿げた」考えをあえて声に出すことも、個人個人、それぞれがもつ能力を束縛されることなく発揮し、活気ある世の中を取り戻すためには必要なことだ、と本気で思っているのです。

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