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私の仕事“産業施策”について

辻中健史 (西条市産業経済部商工振興課経営支援係)  Vol.226

辻中健史

辻中と申します。今回、ものすごく久しぶりにコラムを担当させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします。
私は、四国愛媛の西条市という人口約11万人規模のまちで市役所に勤務しております。仕事内容としては、中小企業支援を担当しております。
平成16年度から産業施策を所管するセクションに所属しておりましたので、現在、11年目に突入ということになります。この間、市町合併があったり、西条市単独での事務所開設のため一人で大阪常駐となったり、4期連続の長期政権であった市長が交代となったりと、節目となる出来事が色々ありましたが、仕事においては、とにかく走り続けてきました。

私がKNSメンバーとなったのは確か平成18年か19年で、現在では四国支部の世話人をさせてもらっています。とは言え、どちらについても、仕事や個人的なこととかであまり活動に参加できていないのが現状です。今年こそは…と思いつつも、情けない限りです。
そのような私がコラムの担当をということで、非常に悩ましく、気が利いたネタも私などでは持ち合わせておりませんので、この場を借りて、私が担当している西条市の産業施策について、ご紹介させていただきたいと思います。ざっくりとしたご紹介にはなりますが、もし興味があれば、見ていただき、ご意見等をいただけると嬉しいです。

①中小・小規模企業の経営支援
 先に私は市役所勤務と書きましたが、実際は第3セクターが運営する西条市産業情報支援センターというところに勤務しています。市の産業支援機関です。ここで、日々の相談への対応や企業様の現場へ訪問し、最近の仕事の状況や課題、ニーズ等をお聞きしています。
 これは言葉で表現すると、ごく当たり前の仕事なのですが、実は最も重要且つ大変だと思っています。地域の現状を把握するのは、やはり現場の声が一番であり、また、企業様との関係を構築するのも、ここからが始まりだからです。

②インキュベーションの運営・入居企業支援
 センターにインキュベートルームが16室、プレ・インキュベートルームが10室あり、その運営や入居を希望する企業様や起業家の皆様の審査、入居後の事業支援をしています。
 現在、入居率は7割程度と結構高いですが、入居率はそんなに重要ではないと思っています。

③創業支援
国から認定を受けた「創業支援事業計画」に基づき、起業塾やセミナー、ワンストップ相談窓口の設置などにより、地域における新たな創業を促進しています。
ベンチャー支援やインキュベートなどが特に言われたのは確か15年前とかそのあたりで、その後ある意味、影を潜めていましたが、また最近になって出て来ました。個人的には創業者を増やせばいいものではないと思っていながらも、やっています。

④ものづくり中小企業の設備投資・試作開発支援
 国や県の補助制度を活用しながら、工場増設や設備導入、試作開発など幅広く支援しています。市でも少額ではありますが、独自の補助制度を設けています。最近では専ら「ものづくり補助金」でした。しかし多かったです。締め切り前は、もう目が回りそうでした。
 この補助金については、色々と意見が分かれるところではありますが、私はうまく活用すべきと考えています。使えるものは何でも使って、その判断は経営者だと思っています。

⑤ものづくり中小企業の展示会出展支援
 大阪・東京で開催される展示会に、企業様とともに出展します。直近では、9月24日から26日に大阪で開催される「関西機械要素技術展」に市内外企業10社と出展します。

⑥ものづくり中小企業の海外展開支援
 ジェトロ様の支援事業に採択され、ベトナム国をターゲットに海外市場開拓を支援しています。今年度はF/S調査を実施し、現地でのカウンターパートを見つけた上で、可能性があれば、来年度以降、商談へとステップを進めます。
 これは今年度からの事業ですが、必要性について理解していながらも、実際に取り組んでみると、色んな課題に直面します。当たり前ですが、やはり簡単ではないですね。

⑦地場産品の販路拡大支援
 西条市の農産品や加工品などの認知度を高め、販売促進につなげるための取り組みです。主には、飲食店や小規模スーパーマーケット等でニーズが高い多品種小ロットでの対応が可能な流通機能を確立することと、生産者様や企業様との共同で大阪での展示会出展に取り組んでいます。

⑧中心商店街の活性化
 商店街や周辺の小規模企業の活性化に繋がるビジネスモデルを構築するため、若い経営者9名が発起人となり、会社を立ち上げました。その事業支援に取り組んでいます。こういった若い世代のチャレンジを応援する環境が地域には必要であると実感しています。
 支援とは言え、彼らと一緒になってやっていますが、極力、自立・自己責任を原則に、客観的な視点で見ることを忘れないようにしています。

以上、取り組みだけの羅列ですが、いかがでしょうか?これらのことがすべていいとは思っていませんが、産業施策は、あまり考えすぎず、現場との接点を追求し、大切にして、とにかく「風呂敷」を広げ続けることが大切であると、未熟ながらも10年の経験から感じていることです。これからも広げ続けていきます。
そんな単純な締めくくりでいいのか!と思いますが、このあたりで。
皆様、これからもよろしくお願いします!

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