Members Column メンバーズコラム

天満の晩夏!

藤井保 (つくり図案屋)  Vol.227

藤井保

デザイナーの藤井です。
水害被害の地域の皆様、心よりお見舞い申し上げます。
それにしても雨が多い夏です。
Mebic扇町で起業してまだ8年目なのに、とても長い時間が経過したような。
水道局のMebic扇町では3年間ご迷惑をおかけしておりましたが、自分の中でひとつのミッションが生まれました。それが「コーディネイト」というスタンス。
しかしこれが中々大変で、常に意識はしていたものの相手のシャチョーさんとの相性や、漠然と「コーディネイト」言っても誰もピンと来ない。また、食っていく必要が有るので(当たり前や!)どうしても生キャッシュに目が眩み、目先のデザイン制作に走ってしまう。真面目にデザインによる企業活性化プランを掲げても中小・零細企業にはお金が無い。

そんな中で知り合ったある零細企業。最初の打ち合わせ中にジャカジャカ電話が入り顔色が悪い。
「どうされたのですか?」
「…電気が来週止まりますネン」
「エエッ!」
「ガソリン代が無いから営業に行けない」
「ホェ!ほんで、どうされるのですか?」
「事業は絶対に継続したい。もう上を見るしか無い。必ず行けると思う!」断言されました。
「オオッ!この期におよんで、その意気は良し!」単純にそう思える気迫があった。
「コラ仕方が無いので、儲かるまで全てタダやな」他のデザインワーク等との兼ね合いも有るが、頭の中で電卓をハジキながら「まあ、何とか行けるやろ」と引き受けました。
当初、行政などの相談窓口にも行ったらしいですが、通り一遍の回答しか得られず悩まれていました。
その間約3年、業務の大半を費やし、コーディネイトどころか数々の「共に討ち死に」という局面も何とか乗り越え、電車の横に座った見知らぬオッサンから仕事を頂いたり、単純な物販で小銭を稼いだりと…悪戦苦闘も多々ありましたが、クリエイティブという軸で方向転換した時点から、雲が晴れるように好転して行きました。
そして、現在はオンリーワンの立派な事業を柱に発展されています。
私もデザイナーが中小・零細企業の経営にかかわっていく上で、とても貴重な体験をし、楽しく極限状態を過ごせました。
私の経験則ですが
・何より経営者の継続・発展させるという強い意思が必要。
・従業員の尻たたきは誰でもできる。まずアンタがやれ!
・業種や商品を絞り込んで、そこに資源や時間を集中する。
・異業種のパートナー企業をつくる。
・融資や助成等の空手形をあてにせず、確実に回収できる営業
かつてのアップルやソニー等と同じように、製造業は創業時や転換時に営業+技術者というコンビで発展して行った企業は多い。この技術者をクリエイターに置き換えたら新たな価値を生み出しますよ。但し、自分で仕事を創出できるクリエイターに限りますが。
スポット依頼では無く、最低3年契約ぐらいで進めると会社の価値が確実に上がります。
その間、相変わらずの不摂生がたたり血圧が280mmになって入院したり、知らない人の家に上がりこみ仏壇に線香あげてしまったりと、少し疲れたので「さあ、仕切り直し」と思ったのも束の間、今度は遥かに事業規模の大きい会社から同じような依頼が…。契約終了は「陽の目を見るまで!」
ミッションは単純に業績回復ですが、それだけではオモロ無いので、クリエイティブ関連の仕事を広く創出する目的も加え現在進行中です。
昨月、事務所も天満に里帰り。「やっぱり何か落ち着きますネ天満界隈は」
自分のデザイン事業と並行して大阪?東京と忙しい日々をおくっております。
KNSで皆様とお目にかかることを楽しみにしております。
今後とも宜しくお願いいたします。

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