Members Column メンバーズコラム

生涯スポーツであるビリヤードの話

大谷俊也 (有限会社フラクタル・ソフトウエア)  Vol.645

■60歳になりました。
お世話になります。皆様お元気でしょうか?
長かったコロナのトンネルもようやく抜けた様な世間のムードとなり、大阪では繁華街に旅行者の外国人も多く見受けられ活気を取り戻しつつあります。
かく言う私は、今年で還暦と言う年になりまして、もうおじいさんの仲間入りです。w

■20歳から始めたビリヤード
私をご存知の方は、お話ししたこともあるかもしれませんが、少ない趣味の1つにビリヤードがあります。
二十歳のころから初めて、途中ブランクもありますが、既に40年もやっています。
最近、また熱が再燃してちょくちょくビリヤード場に通っています。

始めたきっかけは、学生時代に京都で下宿していて下宿の同級生に連れていかれた、パチンコ屋の2階のビリヤード場で、常連のお客さんの対決見て凄く感動して自分もやりたいってなったんです。
そして、こんなに長く趣味としてやることになった決定打は、やはりビリヤードのプロとの出会ったことでしょう。
京都から実家に戻って一番仲の良かった友達を誘ってビリヤードをするようになり、ある日、その友達の実家の近所でビリヤード場を見つけて恐る恐るそこに訪ねて行ったところそこにプロなる人がいたのです。
ご存知の無い方も多いとは思いますが、ビリヤードにはプロ組織があり職業としてトーナメントやイベントで活躍するプロフェッショナルが存在します。
そしてそのプロのプレイヤーと出会い、彼の技術に、ますます魅了されました。なにせショットが正確で、そしてテーブル上のボールをコントロールする能力は、まるで魔法の様で、完全に嵌ってしまったのです。

私にとってのビリヤードの魅力は、ゲーム対戦に「守る」「攻める」の駆け引きがあるのですが、その駆け引きは自分がパーフェクトなパフォーマンスを発揮できてであってのことで、プレー中は自分自身のメンタルやテクニックだけに全力で集中しないといけないところです。
相手がいるのですが、他の競技と違い直接的に相手が攻撃できないのです。自分が勝つためには、自分がパフォーマンスを発揮し続けるしかないのです。なので勝っても負けてもすべて自分のせいだと思える競技なんです。

ビリヤードは、人々をつなげる架け橋でもありました。私がビリヤードを通じて出会った人々は、さまざまなバックグラウンドや経験を持つ人たちで、ビリヤード場での対戦や練習の時間は、笑いや刺激的な会話が交わされる場でもあり私の人脈形成の一部になっています。
ちなみに、私の奥さんとの出会いもビリヤードです。彼女が私の通うビリヤード場にお父さんと一緒に突きに来たのが切欠です。どうでもえぇ話ですみません。

■今のビリヤード業界事情
そんなビリヤードですが、私の個人の予想なのですが、これからちょっとしたブームが来るんじゃないかなって、勝手に思ってます。
ほんと、私が若いころにトム・クルーズの「ハスラー2」と言う映画が切欠で日本中に一大ブームが起こりました。そのころは、大阪のそこかしこにビリヤード場やプールバーができて業界が賑わってましたが、今となっては、私の住む堺には本格的な専門店は1件しか残っていない有様です。もう30年くらいビリヤードはマイナーになっています。

何故ビリヤードが流行らなかったのか、一つは、ギャンブル性が高い事、世界でもギャンブルの1つとしてビリヤードがあるので、ワールドワイドな有名選手はラスベガスに集まります。ラスベガスは、ギャンブルが合法なので、世界中からつわものが集まるみたいです。少し話が脱線しましたが、やはり若い人や特に女性は、おじさん達がぎらぎらした感じでギャンブルしているところに立ち入りたくないですよね。なのでビリヤード人口が減ってしまう。

っで、もう一つは、業界のあり方にも問題があったのかなと、、、
(業界批判ではありませんので、もしその道の方がおられましたら済みません。)

まず、お店は広い敷地が必要なのに、お客さんの数をさばけない。今は、競技ビリヤード中心なので、1台のテーブルに2人しか付きません。1台のテーブルに17畳くらいの面積が必要と言われるので1人600円の時間貸しでは到底ペイできないとやめていかれるお店が続出したのです。今ここ料金を上げれが良いと、言うのも一理ですがそうもできなかったのが現実なんです。

それでいて、お店に対して協会と称するところが、公式な試合に出るためにはお店が協会に加盟しなければ、公式戦には出ることができないとかの縛りを掛けたりと、参入障壁を設けいています。これでは、業界自身が盛り上がりを妨げてどんどんシュリンクさせている様に、まったく業界に関係のない私には、感じています。

最後に、何年もの間、オリンピック種目の候補に挙がりながら採用されていない事。
ある情報によると世界的にビリヤードプレーヤーのドーピングに関する意識が低すぎてオリンピックに採用しがたいとか、、、この辺りもイメージをダークにさせているのかと。
ここも何とかなるものではないですが、業界に頑張って頂くしかないか。w

■これからのビリヤード
そんなん中、近年、世界中でビリヤードのプロの大会が急速に増えてきています。
アメリカのキューメーカー牽引してトーナメント各地で開催したり、中国では優勝賞金1億円のトーナメントが開催されたり、ヨーロッパでもアメリカンスタイルのプールのトーナメントが増えたりしています。
毎年世界の国で持ち回りのように開催されている、世界選手権が日本でも開催されると言う噂もあり、ますます、これでビリヤードを見る機会が増えて魅力が発信されれば、興味を持つ人も増えるのだと思っています。

さらに、アメリカ発のアマチュアのリーグを日本でも取り入れる方向に動いています。アメリカでは、アマチュアの大きなリーグが3つあり、既に20年ほど前に1リーグが日本でも発足し、加えて新たに今年から1リーグ日本版が出来ようとしています。またそちらは、ファーゴレート(現在世界標準になっています)という自分が世界のどのレベルのプレーヤーかを客観的に数値化してくれるシステムを採用するそうで、より上を目指したいという人の指標となることは間違いないです。そんなこんなで、日本の既存の業界ともめないことを期待しつつ、盛り上がって頂きたいです。

というわけで、初老となった私ですが、これからもビリヤードを続けてまいります。ビリヤードは、生涯スポーツとして80歳や90歳になってもできるスポーツですので、まだまだできそうです。もし、ビリヤードに興味があると仰る人がおられましたら定例会でお声かけください。w

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