Members Column メンバーズコラム

兆し(きざし)

沼田秀彦 (盛岡市商工観光部)  Vol.262

沼田秀彦

 東北支部世話人の沼田秀彦です。今回のコラムで3回目の登場となり、何を書こうか悩みましたが、新たな産学官連携のきざしや最近考えていることをお知らせします。
 はじめに今年3月に、「INSふるさと創生研究会(会長:水戸谷莞爾)」が設立されました。人口減少社会が進行する中で地方自治体が消滅する可能性があると耳目を集めていますが、各地の取組状況等を参考にしようと研究会活動が展開されており、5月25日には岩手県大船渡市で第3回目の研究会が開催されます。この研究会については、研究会の影の仕掛け人でもある前岩手大学教授の清水健司先生が6月6日のKNS定例会でお話されると思いますが,県内全ての市町村から研究会の幹事を出してもらい、県全体での取組を推進しようとするもので、不肖私も副会長として名前を連ねており、自治体間の連携が促進されれば面白い取組が出来るような気がしています。

 次に、「温泉による小規模発電の動き」についてです。東北地方は数多くの温泉がありますが、盛岡市西部(奥羽山脈沿い)にも盛岡市唯一の「つなぎ温泉」があります。この温泉街には12軒のホテル・旅館があり、こじんまりとしておりますが,平安末期に起きた前九年の役の際、源義家が穴の開いた石に愛馬をつないで入浴したことが名称の由来となっている由緒ある温泉です。ここで今、温泉だけにホット?な取組が進行中です。きっかけは平成25年8月に発生した集中豪雨の被害がつなぎ温泉にも及び、ピンチをチャンスに変えようと地元の源泉供給会社,ホテル・旅館,地域住民のほかに盛岡市の関係者も入り、温泉活性化に向けた取組を検討しはじめたことです。私もはじめて知りましたが、一定量で100℃前後のお湯があれば,電気を発電できるバイナリー発電機という装置があります。ご存知のとおり大分県の八丁原地熱発電所(11万kW)や岩手の葛根田地熱発電所(8万kW)など大規模な発電所もありますが、小規模の数10kWの発電量でも採算ベースの乗るのであれば、エネルギーの有効活用の観点からすれば地域活性化の起爆剤になるのではないかと考えています。先行事例として土湯温泉(福島県)などがありますが、産学官のネットワークを活かして取り組んでいこうと思っています。
 さて、この頃、本を読む機会を極力作るようにしています。「倍返し」で話題を呼んだ2013年のドラマ「半沢直樹」の原作者池井戸潤氏の本を読んだのがきっかけで、氏の全ての本を読破しました。昨年は、「花咲舞が黙っていない」、「ルーズベルト・ゲーム」などがドラマ化され、視聴率を稼いでいるそうで、勧善懲悪のストーリーが視聴者を惹きつけているのだろうと感じています。たまには仕事に関連する本を読もうとするのですが、眠くなりそうでそちらには手が伸びず、読みやすそうだと思い手に取った本が「トヨタの片付け」や「トヨタの問題解決」などトヨタの仕事の基本を紹介した本でした。それで気に入ったフレーズが「書類の山は問題の山」でした。自分も含め職場(市役所)や関係団体の職場でも、机上が乱雑である状況があちこちにあり、床にまで書類を入れたダンボール箱があるなど、仕事の基本である片付けがまだまだだと感じています。ましてやプリンター複合機や書棚に至っては、職員の動線も考えず職場の隅に追いやられ、プリンター複合機や書棚まで行く時間(数秒ですが)を無駄になっており、これまで仕事の効率性を本気で考えていなかったと反省しています。
 時々,製造の現場を見学すると、5Sの実践を通じて現場や事務室などの整理整頓が行われ、働いている人がキビキビとしている様は、まさにものづくりの現場は人づくりの現場でもあり、効率的だなあと感心します。
 これが気になると、何かしたくなり、私が読んだ本を貸出しすることにしたら、早速職員が読み始めており、これから職場の整理整頓が進むのではと期待しています。仕事は個人作業で完結するものではなく、多くの人の手を経てやり遂げるものです。そういう意味では、職員は人材(財)であり、彼らの不断の努力が組織を支えているのであって、これは、産学官連携にも言えることではないかと思います。産学官それぞれにキーパーソン・リーダーの方がいて、プロジェクトの方向性や実施内容を定めていきますが、これらの実践は、多くの場合キーパーソン・リーダーの下にいる職人や社員など実働部隊の人たちであり、個人の力ではなく組織としてパフォーマンスが高いほどプロジェクトの成果が上がるのではないでしょうか。
改めて職員一人ひとりが輝く組織にしていきたいと思っています。さあ、今日はどこを片付けようかな。

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