Members Column メンバーズコラム
モンゴル、ウランバートルにやってきました!
増田たくみ (JICA(独立行政法人国際協力機構)海外シニアボランティア) Vol.343
サインバエノー!第53回定例会in甲南大学で「堺からモンゴルへ」というタイトルで活動紹介を発表させていただいたのが、半年前。そして早いもので、モンゴル、ウランバートルに来て、もうすぐ3ヶ月が経過します。今の所、モンゴルでもウランバートル以外の地域にはまだ足を踏み入れていませんが、来てからの3ヶ月でヒトとモノについて、私が感じたことを書かせていただきたいと思います。
まず、ヒトについて。日本では角界で有名なモンゴル人ですが、日本人かモンゴル人かの区別はかなりつきにくく、ぱっと見ただけではわかりませんよね?!顔も目が細くぺたんとした朝青龍風の人だけでなく、ロシア風の人や日本人風の人もいます。体格は全体的に日本人より大きく、また骨格もしっかりした感じの人が多いですが、若い人はスタイルも良く、女性はおしゃれで、メイクもばっちり、こんな格好でこの極寒の中、どうやってここまで来たんだろうというような服装の人もみかけます。日本人と違うのは、モンゴル人はすごくオープンで、誰彼となく話しかけてきます。おしゃべりな私は答えてあげたいし、何を言っているのか知りたいのですが、まだ私のモンゴル語がそこまで至っていないのもあり「ミデフグイ(わかりません。。。)」と答えざるを得ないのが残念です。またモンゴル人は外国語にとても長けていて、日本語を話す人も多いのですが、40代より上の人はロシア語、若い人は英語やドイツ語、韓国語など様々な言語を話せる人が日本より多く見受けられます。運動不足になるだろうと思い、日本からバトミントンのラケットを持参し、バトミントンができるところはないかと探していたところ、やっと練習できる体育館を発見しました。しかしそこはモンゴル人ばかりのクラブなので覚悟して、「わたし、バドミントンの練習がしたいんですけど。。。」とたどたどしいモンゴル語でコーチに話すと、返ってきたのは英語。しかも練習していると高校生の子が英語で話しかけてきてくれて、どこで英語を勉強したのかと聞くと、アメリカンスクールに行っていたとのことで、授業は英語でされていたと言ってました。このような子がたくさんではないですが、時々います。学費はやはり私立ですし、高いらしいのですが、親も頑張って行かせているのでしょうか。土地柄も周囲を大国に囲まれ、人口が少ないために人々の目が外に向いているのか、かつて巨大な帝国を築いた名残からなのか、モンゴルの方は語学にとても長けていると思います。顔が似ているモンゴル人ですが、ライフスタイルは欧米風です。多くの人は郊外にサマーハウス(別荘ほどかっちりはしていませんが)を持っていて、週末になると家族で良い空気を吸いに出かけていくようです。(これはモンゴル全体ではなくウランバートルだけかもしれませんが…)そのサマーハウスで何をするでもなく、食事を作ってみんなで食べたり、ゆっくり過ごすのが好きなようです。また、夏は外で自転車に乗ったり、歩き回ったりなど、厳しい冬を過ごした反動でアウトドアを楽しんでいるようです。
現在私はモンゴル国商工会議所の中小企業支援投資促進課に所属し、主に日本とビジネスがしたいモンゴル企業の相談を受け、サポートをするのがメインの仕事となっています。昔、行政の支援センターで窓口相談をうかがっていたこともあるのですが、「行政の窓口って中小企業になにしてくれんのん?」「こんなアイデアあんねんけど、誰か投資してくれへんかな?」など全く具体的でない、他力本願な方から、「人材が定着しなくて困っています。」「自社商品の付加価値をあげたいのですが…」など具体的かつ前向きな相談まで、有象無象の相談がやってくるのは、どこの国も変わりがないように思います。ただ、Made in Japanのクオリティについては大変評価が高く、それゆえ、「日本の商品を輸入したい」「日本の技術を習得しに日本へ行きたい」「日本の機械を購入したい」など「日本」というキーワードだけで多岐に渡る質問が私に浴びせられてきます。ですので、私の守備範囲を超えた質問については、KNSのみなさんはじめ、いままでお世話になった日本の方々に問い合わせては、モンゴル企業に返答している毎日です。実際来られたら分かるのですが、街でまず目にするのは走っている車がほとんど日本車、しかもほとんどがプリウスであること。もちろん中古車が多いのですが、税金も安く、寒冷地でもエンジンがかかりやすいらしく人気があるようです。ただ、中古車なので、表示も全て日本語でETC車載機もそのまま車についてきてたりするので、エンジンをかける度に「カードが挿入されていません!」といわれるらしく、さすがに毎回言われることに不安だったのか、「これ何て言ってるの?」って心配そうに聞かれたりしました。
次にモノですが、行く前には、どんなものが手に入るのかかなり不安で、食生活も外食は羊肉を中心としたものしか食べられないのではないかと思っていましたが、結論からいいますと、輸入物も多いですが、ウランバートルでは手に入らない食材はほとんどありません。レストランもほぼ、メジャーな国のレストランはあり、価格もリーズナブルかつ、味もおいしいです。またパンもおいしくて、パン屋さんがあちこちにあります。店によっては日本と変わらない味や商品ラインアップのところもあります。しいていえば、葉物野菜や四季折々の果物は若干少なく、また、すこし元気がない野菜があるかなぁというぐらいです。また、百均もあり、日本円にして170円ぐらいで売られています。ですので、家では米を炊き、日本食もどきを作り、ケーブルテレビではNHKを見て、WiFiでFacebookを見たり、インターネットを見たり…家でいる分にはほぼ日本と変わらない暮らしをしています。ただ、一歩外にでるとそこは冷蔵庫。10月の終わりくらいから、氷点下の毎日です。家の中は温水暖房が完備されているので、常に20度ぐらいを保っていますが、外に出る時はこれでもか!と着込みます。耳当てや帽子、手袋もないと、乾燥した寒さなので、痛寒いです。仕事場まで毎日15分歩いて行っているのですが、目だけを出して歩いています。(写真参照)到着する頃には短いくせに、まつげが凍っており、到着して室内に入ると、それが溶けてきて、顔に雫が落ちてくるという毎日です。ただ、日本の寒さとは質が違うように思います。底冷えがする寒さではありませんし、確かに気温はずっと氷点下ですが、気温よりも体感温度は暖かい気がします。よかったら是非体感しに来てください!
ということで、まだまだお伝えしたいことはあるのですが、今回はこの辺で…
今年は私にとって本当にいろいろな変化があった1年でした。日本を去る時には本当にたくさんの方々から暖かい言葉をかけていただき、改めてたくさんの方々の支えの中で自分のやりたいことをやらせていただけていることを実感しました。この感謝の気持ちを胸に、先はまだ長いなぁ…と思うこともしばしばですが、振り返った時に後悔しないよう、こちらでの貴重な時間を大切に頑張っていきたいと思っております。こちらにいると日本の自然災害がとても心配です。みなさまにとって来年も安全で健康で素晴らしい1年でありますよう、心よりお祈りしております。来年もどうぞよろしくお願い致します。