Members Column メンバーズコラム

モーターサイクルを通じて出会ったこと

藤川昌浩 (有限会社デジタル・マイスター)  Vol.375

藤川昌浩

今から約10年前、私がウン十年のブランクから再びモーターサイクル(以下、バイクと略)に乗るようになってから、色々な出会いがあった。それまで物語の世界の話と思っていた様々なことが、現実に私の身に降りかかり、我が青春の1ページとして記録されることになったのだが、そのひとつをご紹介してみたい。
今から9年前の2008年8月31日(日)、私をバイクの世界に引き戻した張本人である京都のバイク仲間2人と琵琶湖一周ツーリングに行ったとき、次回はどこに行こうかと話をしていて、山口県の西北部にある角島の話題が出た。

ここには、本州と角島を結ぶ角島大橋というのがあるのだが、風光明媚な場所でツーリングにはもってこいの場所だ。因みに、映画のロケ地として使われることも多く、トヨタや三菱の高級車のCMにも使われたことがある。そんな角島はバイク乗りとしては、1度は行ってみたい場所のひとつであり、私が山口に縁があるということでツーリング候補地となった。そんな話がトントン拍子に進み、9月の連休、つまりその年の9月20日(土)~23日(火)に、関西から山口へツーリングに行くことが決まった。
さて、山口ツーリングを翌週に控えた9月14日(日)に、SNSを通じて知り合った兵庫に住むバイク仲間2人と、道の駅「あおがき」で初めて会って、プチ・ツーリングを楽しんだ。当時、私はいわゆるリターンライダーであり、HondaのCB750に乗っていた。彼等は、CB1300とCB1000に何年も乗っていた熟練者である。出石皿そばを食べた後、私から見れば彼らはベテランであるので、CB1300を先頭に腹ごなしに峠をいくつか走った。紳士的な走りをする彼等とは、これからも一緒に走りましょう、と約束して別れ、私は岡山に向かった。実は、その日の夜からアマチュア無線の「XPO記念コンテスト」が開催されるのだ。大学時代の仲間とそのコンテストに参加するため、岡山市にある笠井山に集合することになっていた。
丹波方面からバイクで南下し、姫路から山陽自動車道に入り、龍野西SAで一休み。ここで、XPO記念コンテストに参加するメンバーに連絡を取る。順調に行けば、日没までには現地に到着し、開催前の宴会(バーベキュー)には間に合うだろうと伝えるところだった。
駐輪場で電話しようとしているところで、「こんにちは」と背後から声をかけられた。
振り返ると、ハーレーのウェアを着た女性が立っている。
驚きながらも話を聞くと、神戸から広島へ向かう途中とのこと。最近、大型バイクの免許を取得して、バイクを購入したばかりであること、家庭の事情で広島に帰ることになり、購入したばかりのハーレーXL1200で移動している最中だったようだ。彼女は、ハーレーはタンク容量が少ないので、度々給油しなければならないことを心配していた。次のSAはどこになるの? 広島まで行くにはどこで給油するのが良いの? 等というビギナーライダーの質問にリターンライダーが答えているうちに、何故か意気投合。
半分冗談のつもりで、
「来週、山口の角島までツーリングに行くけど、来る?」
と言うと
「うん、行きたい!」
ということで、これまた話がトントン拍子にまとまり、来週末に現地で落ち合うことに。とりあえず携帯電話の番号を交換して、もうしばらく話をしたいのをグッとこらえて、無線仲間が待つ笠井山へ行くことにする。龍野西SAを出発し、私が先導して西に向かう。私が乗るCB750は軽快に車線変更しながら先導し、その後を威風堂々と彼女のハーレーが付いてくる。トンネル内ではハーレー特有の爆音を響かせながら岡山ICまで一緒に走り、そこで再会を喫して分かれた。
因みに、彼女と出会った龍野西SAでは、この後もいろんなバイク乗りに出会うことになるのだが、私は密かに「出会い系SA」と呼んでいて、ツーリングの度にここでの休憩を楽しみにしている。
KNSでは、産学官民の出会いの場を提供しているが、バイクを通じて出会う人たちは、KNSでは出会えないような人たちとも知り合いになれることがある。もちろん私と同じIT業界の人もいれば、長距離トラックの運転手、小学校の先生、犬や猫のトリマー、元白バイ隊員等々、いろんな人との出会いがあり、そんな彼等とのツーリングも楽しんできた。ある意味、KNSとは違う世界に住む人たちとの出会いがあるのかもしれない。今後も、KNSのコミュニティ同様に、バイクでの出会いも楽しみにしていきたいと思っている。

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