Members Column メンバーズコラム

読書ができるようになったということは、暇ができたということ?
長谷川 新 (個人事業主) Vol.735
ディープテックスタートアップの支援を仕事に、20年弱の個人事業主の長谷川と申します。
コラムをということで、まぁ皆さん、聞いてください。(ぼやく訳ではありませんが、、、、)
最近は、若い方に、人脈やノウハウ、行政の仕事、お客様などを移管し終わって(完全に産創館や、けいはんなのお仕事を辞めた訳ではございませんが)、地域のボランティアや家族の介護をしながら、色々な方からのご依頼に対応しております。
私が、若手に仕事を移していかないとと、焦り出したのは、4、5年前に還暦を目前にして、諸先輩がたに頂いたものを、次の世代に、渡せてないという情け無い状況。国のディープテック・スタートアップ支援策の充実(多少、やり過ぎ感も、ありましが、、、)、などがありますが、久々に聞いた大好きな吉田拓郎さんのイメージの詩にある、古い船を今、動かせるのは、古い水夫じゃないだろうという一節も影響しました(50年以上前の歌とは!!)。たまたま、ご縁があり二回りほど若い方が私の仕事に興味を持って頂き、引き継いで、私と違って多くの方と連携して、多いに事業を発展させて頂いております。ご縁に感謝しております。
ご縁といえば、25年ぐらい前にお仕事をさせて頂いたご縁で、とある経営学の大学の先生の読書会に参加するようになり、定期的に経営やスタートアップの書籍を読む機会を得ております。
そんな中で、いくつかの本をご紹介させていただければと思います。
「戦略の要諦」リチャード・P・ルメルト 著
今、克服可能な最重要課題は何か?という視点をもつようになりました。
既存企業(大小を問わず)の新規事業や事業再編に携われている方に良いのではと思います。
「ジャック・マー アリババの経営哲学」張燕 著
アリババの創業者なので、アグレッシブで、勝てば官軍的な成功話かとおもいましたが、利他の精神、百年続く会社、社員を大事にする経営者、利益よりも社会正義、一部の幹部だけが成功のキャピタルゲインを得るのではなく、多くの社員がキャピタルゲインを得る社風など、日本の経営者の本を読んでいるのかと思う内容でした。洋の東西をとわずといいますか、日本も中国も東洋なのですが、意外に感じた本でした。
「起業家はどこで選択を誤るのか」 ノーム・ワッサーマン著
ハーバードの先生が多くのスタートアップの失敗事例をふんだんに、実名かつ詳細に紹介して、創業メンバーと急成長期の体制が変わっていく際の人の問題とお金の問題を説明しています。
信長から秀吉、家康に戦で変わっていくのではなくビジネスでは、キングか、リッチかという視点で変わっていくことの重要性を説いています。
日々感じることですが、失敗事例を共有できたら、勉強になるのになぁと思いながら、現在進行中の失敗事例は関係者の名誉もあり、話せないことが多すぎますが、USAのこの失敗事例を共有する文化には驚くばかりです。(野村克也監督がおっしゃってましたが、まさに、勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなしと感じます。)
「スタートアップ買収の実務」 弁護士増島、飯島、岡野、SMBC日興証券 著
事業開発や新規事業開発、行政サービス運用などに関わってきましたが、資金調達とくにM&Aも経験値がないわけではありませんが、どこか、よくわからなかったことが、色々とクリアーになる本でした。スタートアップ支援に、メーカーやサービス系の会社で技術系や、営業系から入ってきて方には、金融系のかたの考え方を理解するうえでもお勧めです。
ビジネス書を読んで、時々感じるのが、事例ででてくる会社が、DECの話や、ショックレー爺さんと袂を分けたフェアチャイルド(日本のバンドの話ではございません)の話やシスコのマルチプロトコルルータを別々の組織にいた夫婦が必要性から開発した話や、タンデムコンピューターのコンセプトだけから起業した話など、私のような年齢の者にとってはワクワクする面白い話ですが、若い方が読んで、事例として面白いのかなと思うのと、自分が痛い目に会ってきたので、「そうそう!」と思うのですが、きっと20歳ぐらいで読んでもピンとこなかったのではないかとおもいます。20~40歳ぐらいは忙しくて寝る間も十分とれなかったので本を読んでる暇はなかったのですが、あの頃、読んでいたら、自分はどう感じただろうと思いながら読書会を楽しんでいます。
そういえば、若いころ、会社で、夜に開催されていた阪本啓一さんの読書会で読んだ「王様のレストラン」の経営学入門: 人が成長する組織のつくりかた 川村尚也著 は絶版ですが、悩める若手リーダーの方とお仕事する際は、Amazonで探してお渡しさせていただいてます。ドラマを見てなくても十分、楽しめます。
最近、これから、なにするの?とよく聞かれますが、きっと、いい加減なやつらと口をあわせて、歩いていくんだと思います。(今までと、いっしょやないか〜い!という、お叱りの言葉も無く、、ご静聴賜りまして誠に有難うございました。これひたすら、わたくし一人の人徳の致すところ(笑)) ちなみに私のパートナーも人生幸朗さんとおなじで幸子といいます。
写真は昨年、高校の友人と磔磔に元憂歌団の木村さんのライブを見に行った時のものです。