Members Column メンバーズコラム

コロナ禍を通じて、変わること、変わらないこと

武村智司 (滋賀県商工観光労働部)  Vol.553

武村智司

KNSの世話人のひとり 滋賀県の武村です。
以前のコラムには、旅シリーズで投稿していましたが、新型コロナウィルス感染拡大により、この一年、桜も紅葉も旅行も存分に楽しめず、あっという間に過ぎ去った一年でした。
新型コロナウィルス感染拡大がなければ、今頃は、日本中が東京オリンピック、パラリンピックに向けて盛り上がっていたのではないかと思います。
3月25日に、東京オリンピックの聖火リレーが福島県をスタートしました。121日間をかけて全国各地を聖火ランナーがつなぎ、7月23日の国立競技場で行われる開会式で灯されることを期待していますが、感染拡大が抑え込めない中、今後が心配です。
スポーツという視点で振り返ってみますと、2019年には、ラグビー・ワールドカップ日本大会が開催されました。
2015年、ラグビー・ワールドカップイングランド大会で、日本代表が南アフリカ代表に劇的な逆転勝利をして、1次リーグで3勝したにも関わらず、ベスト8に進出することができませんでした。こうした流れが、ラグビーに対する日本の人たちからの関心が大きく変わったように思います。

そして迎えた2019年のラグビー・ワールドカップ日本大会で、ラグビーの面白さに触れる機会が増えたことにより、注目度もあがり、「ONE TEAM(ワンチーム)」が流行語大賞の年間大賞に選ばれるなど、日本中が熱気に沸いたことは記憶に新しいと思います。
滋賀県でも、大津市がウェールズ代表チーム、フィジー体表チームのキャンプ地となり、地域での交流の機会もありました。
特に、優勝候補にもなっていたウェールズ代表チームの公開練習が行われ、会場には約3,000人のファンが訪れ、トップチームの練習風景を間近で見ることができる機会があり、一層関心が高まり、大いに盛り上がったのではないかと思います。
また、今年の全国大学ラグビー選手権では、1991年には、関西大学ラグビーリーグ戦の下位リーグへ転落した経験のある天理大学が、新型コロナウィルスのクラスターを乗り越えて初優勝を果たしました。関西勢が日本一になるのは、同志社大学以来という出来事がありました。
スポーツイベントについて、開催そのものが中止される、無観客での開催、人数を制限しながらも有客試合が再開されるなどスポーツ活動や観戦の環境が徐々に戻りつつありますが、まだまだ予断を許さない状況で、新型コロナウィルスが一刻も早く収束していくことを願っています。
コロナ禍がもたらした社会への影響は、良い面も悪い面も含めて、数え出すとキリがないと思います。
例えば、新型コロナウィルス感染拡大をきっかけに、テレワークなどオンライン化 デジタル化が加速度的に進んだことは、皆さんも感じておられると思います。
オンライン会議やリモートワークには、それなりの利点があると思います。例えば、出勤しなくてもいいので時間が有効に使える、会議も要点だけを話し合われるので時間が短縮できる、出張をしないので経費が削減できる 等々。
一方で、日常には普通にあった、何気ない会話やコミュニケーションが、この一年でかなりなくなってしまったのではないか、人と人とのつながりが希薄化していくのではないかと思います。
「不易流行」という言葉があります。KNS定例会でも、この言葉をテーマに井戸端会議形式で意見交換をしたこともあります。
「時代が変化し状況が変わっても変えてはいけないものを大切にしながら、時代の変化に伴って変えなければならないことは変えていく」といった意味があると理解しています。「不易」と「流行」の両立、バランスをとることはそう容易なことではありませんが、「不易」と「流行」が相まって未来志向にチャレンジすることも大切なのかもしれません。
コロナ禍により、失った「モノ」や「コト」も多いと思いますが、新たな価値観が生まれたり、大切な「モノ」や「コト」を再認識したり、得られたものもあったと思います。
例えば、オンライン飲み会に参加したから、リアル飲み会の良さも再発見できたようにも思います。
コロナ禍の状況が当面、続くと予想されていますが、リアルな会合や飲み会、マスクなしでのコミュニケーションが以前のようにできるようになるのは、もう少し先のことかもしれません。
KNSは、参加者同士の「顔の見える関係づくり」を目的に、人と人が出会い、自由なコミュニケーションによって信頼関係が生まれ、その関係性がつながり、拡散していく。
そして、お互いが元気になるといった好循環になっていくということが素晴らしいと思っています。
KNSとは、近畿経済産業局に出向していた2003年に出会い、気が付けば15年以上が過ぎ、KNSの魅力に惹かれ、世話人としても参画してきました。
定例会をはじめ、研究会、地方大会、さらには、産学官民コミュニティ全国大会などに参加して、全国各地の素晴らしい方々と情報交換させていただく機会に恵まれ、多くのことを学ばせていただきました。自分にとって大きな財産となったと思っています。
3月31日付けで滋賀県庁を退職しますが、KNSでの出会いや関係性を大切に、これからも様々な分野の方々との多くの出会いを楽しみに、KNSの活動に参加していきたいと思います。新型コロナウィルスが一刻も早く収束し、リアルにKNSの皆さんとのコミュニケーションをできる機会が来ることを楽しみにしています。引き続き、よろしくお願いします。

PS.滋賀県には、琵琶湖をはじめ、四季折々に楽しむことができるスポットがあります。
今しばらくの期間は、旅行や移動などに慎重な行動をとるような状況ではありますが、機会を見つけて、滋賀県への旅はいかかでしょうか。(写真は、琵琶湖です)

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