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シルクロードの旅 青の都“ウズベキスタン”の魅力

武村智司 (滋賀県 琵琶湖環境部 温暖化対策課)  Vol.145

武村智司

みなさま こんにちは KNSの世話人のひとり 滋賀県の武村です。

友人達と2年ごとにアジアの国々を巡っており、2年前には西安から敦煌に
かけてシルクロードを西へ向かう列車の旅を楽しみました。
今年の夏は、シルクロードの中継地である中央アジア、中でも多くの歴史遺産
の宝庫であるウズベキスタンに行ってきましたので、その一部をご紹介します。

ウズベキスタンは、中央アジアに位置する旧ソビエト連邦共和国で、北にカ
ザフスタン、南にトルクメニスタンとアフガニスタン、東にタジキスタン、
キルギスがあります。
内陸性の気候なので、夏は非常に暑く、我々が行った7月の昼間は40℃以
上になりますが、乾燥していたので比較的過ごしやすかったです。

通貨は、「スム」という単位で、1円≒20スムの換算となり、一番大きな紙
幣である1,000スム≒50円ということになります。ちなみにビール1本、
3,000スム≒150円程度です。現地の人たちは、札束を財布に入れず、1,000
スム紙幣を輪ゴムで束にして、ポケットに入れて持ち歩くといった感じでし
た。

最初に訪れた首都「タシケント」は、人口200万人を超える中央アジア最大
の都市ですが、中心街ではシルクロードの風情はあまり感じられず、どちら
かいうとソ連の雰囲気が強く残っていると感じでした。

タシケントにあるオペラ・バレイ劇場「ナボイ劇場」は、終戦後に旧満州か
ら強制連行されてきた日本人捕虜の方々によって建設されたものです。1966
年の大地震の際に市内の建物がほとんど倒壊したにもかかわらず、「ナボイ
劇場」だけばビクともしなかったそうです。日本に建築技術の高さ、日本人
への尊敬の念は今も引き継がれているようです。

次に訪れた「サマルカンド」は、「青の都」とも言われ、壮大で迫力のある
建築物が建ち並んでいます。荘厳な建物の外壁は幾何学模様が施され、深い
色合いの青いドーム型の屋根がぬけるような青空に映えていました。

次に訪れた「ブハラ」は、16世紀に建造された町並みがほとんど変化して
いません。こうした町並みの中に、民芸品などを売っている最大のバザール
「タキ」(道路の交差点をドーム型の屋根で覆ったバザール)があります。
そこでの買い物を楽しみにしていたのですが、大統領の娘さんが映画関係者
らしく、その場所での映画撮影のため、全てのバザールを閉店させていたよ
うで、折角の楽しみが台無しでした。

タシケントに戻るために飛行場に行くと、またもや先ほどの大統領の娘さん
が乗るからということで4時間以上も空港内に待たされました。
ウズベキスタンは独立以降、現在の大統領が権力を集約し、ほぼ独裁的な政
権統治をしています。そういった権力の影響があるのかとも感じました。

タシケントに戻り、立ち寄ったバザールは、スイカなどは山積みにされ、干
し葡萄などのドライフルーツ、お菓子やナン(円形の堅めのパン)、肉など、
シルクロードならではの食材がずらりと並んで、活気に満ち溢れていました。

街中には、お茶を飲みながらひと休みする「チャイハナ」という喫茶店のよ
うなところがあり、じゅうたんを敷いた低いテーブルのフロアで人々が集ま
っておしゃべりをしています。
ここで、羊肉を串焼きにした「シャシリク」を食べました。羊肉のクセはな
く、ジューシーで非常に美味しく、ビールのつまみには最高でした。食後に
は必ず、スイカが出てきます。
お酒は、ロシアのビールやウォッカが一般的ですが、地ビールもありました
が、コカコーラを飲んでいる人も多かったようです。

ウズベキスタンは、今なお、中世の雰囲気を色濃く残す町並み、アジアやイ
スラム文化がたっぷりなのに、旧ソ連の雰囲気が随所にみられるといった不
思議な空間。今も、文化と人が交差する神秘的な街、まさに「シルクロード」。
時が経つのを忘れて、歴史とロマンを心ゆくまで楽しむことができました。

このコラムを読んでいただいた方、是非、シルクロードの旅を体験してみて
ください。

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