Members Column メンバーズコラム

KNSをきっかけに広がりをもった橘街道プロジェクト

廣田浩一 (株式会社 ジェイテクト)  Vol.146

廣田浩一

「秀吉が愛したスイーツ~城下町大和郡山の商店街 やなぎまち散策~」
2010年10月17日に開催しました「第26回まちづくり研究会」のタイトルで
す。誰かのメールソフトでは迷惑メール扱いになってしまった怪しいタイト
ルでございます。「秀吉が愛したスイーツ」とは、大和郡山の老舗の和菓子
「本家 菊屋」さんの名物「御城之口餅(おしろのくちもち)」でございます。
このまち研で本家 菊屋さんと出会いました。まさか2年後にこんなコラム
を書くとは思ってもいませんでした。

 KNS(必ず、飲んで、騒ぐ会)でございます。このまち研でも交流会がござい
ました。交流会の会場で、共通の知り合い(酒蔵の社長)がいることが判明。
この酒蔵の社長を囲む会(飲み会)をしようということになり、それから定
期的に飲み会を開催しています。その飲み会で菊屋さんから「橘」を使って
奈良の逸品を作りたい。というプロジェクトの構想を聞きます。おもしろそ
うなので「仲間に入れて」とお願いしました。この話をKNSの世話人会議の
後の飲み会で話をしたところ、三重のTさんが三重県内に「橘」でまちを活
性化しようとしている地域があると話されました。早速、三重のTさんを呼
んで話を聞く会を開催しました。さすが人材豊富なKNSのネットワークでご
ざいます。
 ここで簡単に私が知っている「橘」についてお話します。「橘」は日本に古
くから野生していた日本固有の柑橘(カンキツ)なのだそうです。古事記・
日本書紀には、垂仁天皇が田道間守(タジマモリ)を常世の国に遣わして「非
時香菓(ときじくのかぐのこのみ)・非時香木実(時じくの香の木の実)」と
呼ばれる不老不死の力を持った(永遠の命をもたらす)霊薬を持ち帰らせた
という話が記されているそうです。また、奈良の垂仁天皇陵にはこの田道間
守の墓とされる小島があります。KNS IN 豊岡でお伺いした中嶋神社の名前の
由来もここにあるそうです。突き詰めればおもしろそうなことがたくさんあ
りそうです。
 このプロジェクトの大きな変化があったのは近畿経済産業局のNさんを大
和郡山までお呼びしたことです。ここからこの「橘」の企画は奈良の逸品づ
くりから、世界に目を向けた橘街道プロジェクトに繋がっていきます。
 この橘街道プロジェクトにはいろんな人が集まっています。行政マン、市
議会議員、デザイナー、考古学者、映画監督等々多彩です。KNSを通じて知
り合ったメンバーも多数います。KNSを通じて顔が見える関係になった人が
多く集まり、またさらに広がりを持ちつつあるプロジェクトです。KNSから
の発展したわかりやすい形と思います。また、KNSで集まった関係ですので、
当然フラットなコミュニケーションが行われています。「本家 菊屋」さん
での打ち合わせでは、畳の部屋に輪になって話し合いをしています。ほんと
にフラットです。
 参加メンバーは自由に考えて、自発的に行動し、顔を会わせて情報を共有
化します。いろんな知恵が集まりますので、どんな姿になるか想像もつきま
せんが、すごくおもしろくなりそうです。ただ、橘街道は世界中の人が一度
は行ってみたいと思う場所になっていることは確かと思っています。

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