Members Column メンバーズコラム

会社って変わるんですね。創業22年の歩みと今後

平亮一 (株式会社平創機)  Vol.523

平亮一

約3年ぶりにコラムを書かせていただきます。
何をテーマに書いたら良いのか大変悩みました。幼い時から、話すことと、書くことが苦手で今でも基本ベースは同じ、夏休みの宿題感覚で書かせていただきます。

【会社紹介】
先ずは会社紹介から。株式会社平創機の平と申します。弊社は1998年に創業、主に自動搬送コンベアーシステム、ロボットパレタイジング設備、仕分けピッキング設備などを、大手企業の飲料、食品、製造、石油化学、製粉、農業施設等に据付~改造~メンテナンス等を行う、大手マテハンメーカーの下請け工事業を主業としてスタートしました。
また2000年からインターネットを利用して、マテハン機器を日本全国の企業向けに業界初で直販を始めて20年目になります。
最近は専らECサイトでの取引が中心になり、Amazon やYahoo!のショッピングサイトで企業向けの商品を販売しています。
創業してからの会社の業態が随分と変化し、今は全体の90%以上をネット販売が占めています。

【事業縮小で生き残りをかけた】
 何が正解なのかわかりませんが、リーマンショック後の6年前に事業の縮小をして、工場・倉庫・事務所を無くし、自宅を事務所にしながら現在家族経営ですごしています。自然にテレワーク状態で働いていたので、今回の流れには何の違和感もありませんでした。病気の子供と両親の介護をしながら働くのにとても都合がよく、便利になりました。今年に入ってから両親は亡くなりましたが、最後までよく面倒をみることができて良かったと思っています。

【コロナの影響】
 設備業界は景気に影響されるのが他の業界よりも少し遅れます。一般の方は目に触れることもなく、黒子的な存在で景気の良い時も悪い時も動きが遅く、レスポンスが鈍いと思っていただければと思います。
本年2月以降における弊社の取引内容は明らかに通常とは違う中身となりました。例年であれば決算時期の前後は設備投資の需要が高まり、ゴールデンウイークやお盆休みなど、導入の機会が多くなり、弊社もご多分に漏れず大忙しといったところなんですが、今回は違いました。ほとんど急にストップしたといってもいいかもしれません。

【偶然の出来事】
 2年前から健康上の理由で、私自身が赴く設備工事の方はほとんど引退をさせていただいており、日ごろはPCに向かうか、外に出てボランティア活動をするかで毎日を過ごしておりました。
ところが今年の2月以降、弊社がネット販売している「ある商品」だけが突然売れ始め、土日も返上して毎日入荷・検品・梱包・出荷作業に追われて、夏を迎えました。
この「ある商品」は通常扱っているマテハン機器とは全く違ったもので、昨年からメーカーさんと一緒に医療・介護向けに製品開発をしていた技術を転用した、マスクの内側にあてる「マスクインナー」でした。
特徴はハニカム素材の効果で、消臭・息づまり・息苦しさ解消・繰り返し洗って使えることで、マスクをする負担を軽減。
Yahoo!ショッピングで爆発的に売れ、お客様に喜んでいただいております。法人・個人関係なくご購入いただき、お陰様で弊社の売り上げ減少の危機的な状態を救ってもらいました。
このメーカーさんとのお付き合いは、12年前友人の会社と共同出店した新潟の展示会で知合ったご縁からの始まりで、少額取引しかない中でも熱心に提案いただいていた中小企業です。人との縁は大切にしないといけませんね。

【次代へ向けて】
 この先、中小零細企業としてどうやって生き延びるか、誰にも答えは解らないと思います。選択肢は様々であり経営者としてどうするのかなんて、正解など無いといえます。私が思うには「Withコロナ」で社会が大きく変革し、人、モノ、金との付き合い方が変わることを想定して、ビジネスも加速して変化することは間違いないかと思います。新事業へ手を伸ばすことも良い選択だと。
弊社も7年前から、医療機器開発を真剣に取り組むコンソーシアムに参加させていただいております。大学・研究機関・行政のご協力をいただきながら、大阪の中小企業で、多くの成果物が得られております。
持論ですが、大阪の中小企業は横連携が得意。ご近所づきあい・友達感覚で垣根を低くして情報交換を行い、時代に敏感に反応できると確信しております。ネットショップをしようと思い立ったのも、20年前にITSSPの勉強会を企画していただき、参加させてもらったのがきっかけでした。創業して間もない時に藁をもすがる気持ちで、必死に取り組みをさせていただいたのが、財産になりました。また、いくつかの異業種交流会にも参加させていただき、なんでも話ができる、かけがいのない友人を作れたことも大きいです。
会社方針に「もっとお客様の喜びの声を増やしたい」とあります。
今後も人的・地域的ネットワークを活用させていただきながら、弊社もアンテナショップとして、AmazonやYahoo!ショップ等に製品紹介を兼ねて出品をさせていただき、ともに協力をしあいながら、販路開拓のお手伝いが出来ればと思っております。

【おわりに】
つまらないお話におつきあいいただきありがとうございます。年に数回ですがKNSの皆さんとお会いできるのを楽しみにしていたんですが、今は願いかなわずにじっと我慢をしております。
一日も早いコロナ禍の収束を祈ります。皆様が幸せでありますように。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

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