Members Column メンバーズコラム

天王寺区上本町界隈で「SDGs」のための活動、はじめます。

瀬戸口恵美子 (公益財団法人太平洋人材交流センター(PREX))  Vol.446

瀬戸口恵美子

皆さん、はじめまして。
公益財団法人 太平洋人材交流センター(PREX・「プレックス」)の瀬戸口恵美子です。初コラム、どうぞよろしくお願いします。
最初にPREXの紹介から。
「PREX」は、1990年に「関西の産官学の総意」で設立された財団で、主に途上国を対象とした研修事業と交流事業を行っています。その目的は、関西として途上国の発展に貢献することと、研修事業を通じて関西との人的交流を促進することです。
「産官学の総意」と書きましたが、具体的には当時関西に拠点のあった97社、関西の6自治体から、設立時に約36億円を基本財産として寄附頂きました。
現在は、年間30件程の日本での研修実施と、海外への専門家派遣、また研修「同窓生」のためのフォローアップ事業なども実施しています。

事業の分野は、マネジメントや、国・地域の産業振興(中小企業振興、地域産業振興、観光振興、輸出振興、投資促進など)に関することが中心となっています。
研修に参加するのは、途上国の民間企業幹部、起業家、また行政官の皆さんです。
現在、多くの研修事業は、JICA(国際協力機構)からの委託で、ODA(政府開発援助)が財源となります。

PREXは研修カリキュラムの企画と準備・実施を担当しますが、コンテンツとなる講義や現場訪問、実習などは、大学の先生やコンサルタントなどの専門家、また特長のある経営を実践している多くの企業に協力をお願いしています。(2017年度の実績:民間企業164社、行政機関36機関、大学など25校、その他94)
例えば、日本の「カイゼン」を学ぶための研修では、「カイゼンの考え方」を理解するために専門家に講義や演習を指導してもらい、その次の日には「カイゼン活動の実践事例」を学ぶために、「カイゼン」に取り組む企業を訪問し、社長から経緯や活動内容の説明をしてもらい、現場での事例を見せていただく、という感じです。研修のコンセプトや必要なテーマの要素に応じて準備・実施するのが、PREXの仕事です。

12月のKNSの定例会での発表時に挙手頂いたら、多くの方が「SDGs」についてご存じだったので、詳しい説明は控えますが、今、様々なところで「SDGs」という言葉を耳にされると思います。
簡単に言うと、貧困や健康、ジェンダー、エネルギー、さらには経済成長、気候変動、平和など地球規模の課題に先進国と途上国が一丸となって取り組み、持続可能な世界を実現するために、17の国際的な目標を定めて、国連加盟国それぞれで目標達成に尽力する、その目標が「SDGs」です。
環境問題や高齢化、働きがいなどは、必ずしも途上国だけの問題ではありません。我々「先進国」に住む人々にとっても、これから子供や孫世代の社会が暮らしやすく平和で安全であるために、解決しなければならない課題がたくさんあります。
また、目標それぞれが複雑に関連しているので、何か一つを達成すればよいわけではなく、こちらも達成しながら、別の課題への影響も考える、ということが必要になります。
課題が多く複雑であるということは、関わる人も多くなりますし、解決する手段や手法も様々必要になります。
そのため、SDGsの17番目、最後の目標は「パートナーシップで目標を達成しよう」です。

途上国を対象とするPREXの研修事業は、経済成長や環境改善など各国の課題解決に結びつくもの、SDGsに貢献するものです。
そして、実際には関西の多くの企業や自治体、大学などの皆さんが、ノウハウや経験の提供・指導という形で、課題解決に直接的に関与頂いています。

2017年に入って、関西でも「SDGs」に取り組もう!という機運が急速に高まってきました。そしてPREXもSDGsの目標に当てはめて、課題や目標設定と行うとともに、日々協力いただく外部の協力者の皆さんにも、「SDGs」達成のためのパートナーとして、SDGsを認知してもらう活動をしたいと考えています。
PREXの研修へのご協力を通じて、更には、それぞれの実業を通じて、また、日々の生活の中で、17の目標を取り込んで実践していただけたら、パートナーシップでの達成が加速するはずです。

こんなことを考えていた時に、上本町にある「クレオ大阪中央」の方と出会う機会があり、上本町地域でSDGsに関する取り組みを始めることになりました。
クレオ大阪は、男女共同参画社会の実現のための大阪市の拠点で、SDGsの「ジェンダー平等を実現しよう」という目標はまさに一致します。
毎日、SDGsをテーマとする多くのセミナーやシンポジウムが開催されていますが、私たちは、「SDGsにどう関われるの?」「国連の目標と自分たちの生活はどんな風に関係しているの?」「外の組織の人と一緒に考えてみたい」という人々が集まって意見交換したり、実践につながる気づきを得られるような場にしたいと思い、「上本町SDGs大学」と名付けました。
第1回目は「SDGs×働く」と題し、KNSの世話人をされている、PRリンクの神崎さんにもゲストスピーカーで参加いただきます。
3月7日(木)夜、ご関心ある方は、ぜひ上本町にお越しください!

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