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クリエイターと行政職員の連携を通じた「まちづくり」にかかる個人的見解

太田裕之 (国土交通省都市局)  Vol.559

太田裕之

2回目の投稿です。以前は、「まちづくり」に必要と考える人材について「漏れバケツ理論」を援用して、地域の人+UIJターンの人々が関連しあうことをベースに、地域内外の多様なプレイヤーの関わり合いが重要であるとの個人的な見解を述べさせていただきました(2018年10月17日、Vol.432「まちづくり」に必要な人材についての個人的見解)。その後、2019年12月に閣議決定された第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」においても、地域に住む人々だけでなく、地域に必ずしも居住していない地域外の人々も地域の担い手としての活躍を促すことが必要不可欠であることから、地域や地域の人々と多様な形で関わる「関係人口」の創出・拡大を図っていくこととされました(参考:内閣官房・内閣府地方創生サイト https://www.chisou.go.jp/sousei/info/)。
この4月から所属も変わり、国土交通省の都市局に配属となったことから(前年度は鉄道局でした)、今回は、業務遂行のパターン分けとその特徴などをふまえ、クリエイターと行政職員の連携を通じた「まちづくり」にかかる個人的見解を述べさせていただきます。

業務遂行のパターンとして考えられるのが、まずは、いわゆる起業家のように新たに事業を創出する「0→1」(ゼロイチ)タイプ。また、創出された事業を軌道に乗せて安定的に成長させていく「1→10」タイプ。さらに一定程度軌道に乗ってきた事業をさらに成長させ事業拡大していく「10→100」タイプ。与えられた業務を着実にこなしていく「100→100」タイプ。
評価の観点からは、100点満点からの減点方式によるテストでは「100→100」タイプが“優秀”といった扱いになる一方、創作などによる加点方式でのテストであれば「0→1」タイプが“優秀”となるものと考えられます。どちらがより優れているというものではなく、どちらも適材適所に必要で、お互いが組み合わさることで相乗効果が発揮されるものと考えています。例えば、与えられた業務を確実にこなす、ミスを少なくするといった観点からは「100→100」が、一方で、多少のミスはあっても新規性や独創性が必要な場合には「0→1」タイプが重要になると考えられます。
ただし、これから生産年齢人口が少なくなっていく時代においては、さらに異なるタイプの人材が必要ではないかと感じています。「0→1」で新規事業を立ち上げ、それを10や100に成長させていっても、既存の100を100のまま継続していくと、人材が不足している中で、業務量だけは増大していくことになり、新しいことが出来なくなるどころか、やがてパンクして何もできなくなってしまう、といった状況に陥ってしまう可能性が危惧されます。そのため、これからの時代においては、「100→80」や「100→60」といったように、業務量を減らすことの出来る人材も求められるのではないかと感じています。学校のテストで例えるならば、あえて満点を狙わずに要所だけを抑えて80点を狙いにいったり、単位ギリギリの60点を狙いにいったりする能力も評価されるべきではないかと感じています。
なお、個人的な偏見ではありますが、公務員(行政職員)には「10→100」や「100→100」タイプが多く、クリエイターには「0→1」や「1→10」タイプが多いように感じます。特に、行政職においては、どうしても失敗を恐れるリスク回避志向が優先に立ち、前例踏襲や横並びなどを気にする傾向があることから、「0→1」は非常に困難であると感じています。ただし、異なる分野での事例などをうまく持ってくることができると、その分野においてはあたかも「0→1」のように見えることもあり、「0→1」や「1→10」に近い、新機軸の業務を考える上では、いかにして多様な分野まで視野を拡げられるか、また当該分野の過去からの流れや歴史などを把握しておくかが重要になるのではないかと感じています。そして、これからの時代においては、新機軸の業務を始めるためにも、既存の不要業務をスクラップしていくことが今まで以上に重要となり、「100→80」+「10→100」といった業務を減らしつつ新たな事業を創造するといった能力の組み合わせが求められるのではないかと感じている次第です。

さて、以上のように、業務遂行タイプを勝手に分類し、行政職員の特徴などを考察してみましたが、『クリエイターと行政職員の連携を通じた「まちづくり」にかかる個人的見解』という本稿のテーマについては、クリエイターの創造力を行政職員が着実につなぐことが重要であるといった見解をもって、最後に「まちづくり」に関わる各種プレイヤーで勝手に打順を組んでみました。完全な主観ですので、是非みなさんも、登場するプレイヤーや打順などを考えてみてはいかがでしょうか。

1(中):クリエイター
 → 大胆な発想により、地域に新しい風を吹き込む
2(二):行政職員
 → 1番の大胆な発想を、着実にクリーンナップにつなげる
3(遊):地元ベンチャー
 → スモールビジネスで社会課題を解決
4(一):地元企業
 → 地域の要、地域内での経済循環により地域力向上
5(左):地域外企業・有識者
 → 助っ人枠、地域外資本企業等による活力向上
6(三):建設業者
 →まちを形づくる、災害時にも機動力を発揮
7(捕):地域金融機関
 → 地域経済の屋台骨、全体を俯瞰した上での戦略実行
8(右):学生・家族連れ
→ 地域を明るく賑やかに、未来につなぐ
9(投):飲食店
→ 地域の顔、美味しい・有名な飲食店などによる誘客

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