Members Column メンバーズコラム

中小企業はDXに踊らされるよりシンプルにIT活用を

岡室俊之 (IT経営相談所)  Vol.635

岡室俊之

世話人の一人、岡室です。

IT経営相談所という屋号で中小企業のDX、ITやマーケティングのご支援をさせて頂いています。創業して色々紆余曲折はありましたが、無事に創業4年目を迎えようとしています。その間、周りの皆さんに様々な面で支えていただき、感謝しています。

お仕事をする中で、ここのところKNSの繋がりもあり、大阪産業局さん、豊中市さんや中小企業家同友会などでDX関連の講師も担当させて頂いています。DXはここのところ流行っているバズワードですが、なかなかわかりにくい言葉で、興味はあってもなかなか手を出しにくく感じられているのではないでしょうか。今回はその辺りをお話ししていきたいと思います。

まず言葉の定義です。
DX=デジタルトランスフォーメーション(DigitalTransformation)
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、
データとデジタル技術を活用して、
顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、
ビジネスモデルを変革するとともに、
業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、
競争上の優位性を確立すること」
経済産業省 平成 30 年 DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~

正直なところ、文章が長すぎてわかりにくいんですよね(笑)
ちょっと補足します。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、←外部環境の変化
データとデジタル技術を活用して、←デジタルの活用
顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、←マーケティングの実施
ビジネスモデルを変革するとともに、
業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、←内部環境を変化させる
競争上の優位性を確立すること」

こうすると意味が少し分かりやすくなると思います。そして、
ビジネスモデルを変革するとともに、競争上の優位性を確立すること
がDXの真の目的(Xの部分)になります。
本質的にはD(IT活用)って使わなくてもいいんですが、D使った方がよりよいので使っていこうね、みたいな感じです。
ビジネスモデルを変革している場合は、提供している製品やサービスの価値が変わっているはずです。物理的には変わっていなくても意味合いが変わっていることがポイントです。

で、わかりにくくさせるのはこの後です。
DX(ビジネスモデル変革と組織全体のデジタル化)
デジタライゼーション(プロセスのデジタル化)
デジタイゼーション(作業・データのデジタル化)
という構造になるのですが、広義の意味ではどれもDXとされています。

デジタライゼーション(プロセスのデジタル化)
デジタイゼーション(作業・データのデジタル化)
は社内の変化にとどまることが多く、提供している製品やサービスの本質的な価値はあまり変化しません。QCDといわれるQuality(品質)、Cost(費用)、Delivery(納期)が改善するレベルです。(ちなみに吉野屋さんの はやい!うまい!やすい! は並びは違うもののQCDそのものです)

DX(ビジネスモデル変革と組織全体のデジタル化)はXが大事!
と、最近よく言われ、本質的なビジネスモデルの変革が必要なのはまさにその通りですが、
DX(広義の意味)だととりあえずなんかシステムを入れてデジタルかすればいい
みたいなことになってしまいます。
DXという言葉に複数の意味が生まれてしまって、DXという言葉を使う人がどっちの意味で言っているかが分からないと勘違いしてしまうんです。

で、ITベンダーがよくいう営業DXや経理DXなどの○○DXの殆どはDX(広義の意味)になります。これらのツールの殆どは皆さんが提供する製品やサービスの本質的な価値は変えないですので。

で、じゃあ中小企業は何をしていけばいいかというと、Xが大事ということを理解しながらD、つまりIT活用をシンブルに進めていくことです。
極端な話、一番効果的なIT活用はタッチタイピングを練習することです!
と、いうとそんなこと?と思われると思いますが、事務職ではほぼ毎日キーボードを打つわけで、その早さは仕事の速さと直結します。そこを人任せにしちゃいけません。実際前職では全社でタッチタイピングをトレーニングして毎日?時間は残業していたのがなくなりました。
マウス操作も同じですね。毎日使うのに練習はしませんが、マウス操作がおぼつかなくて間違えてウィンドウ閉じたりしているのをよく見ますが、あれももったいないことです。

これから社会時になる若い方はスマホ世代でパソコンを使わない人も多いようです。卒論もスマホで打つなんて話もありますので。

そんな部分を進めつつ、最初に入れていただきたいシステムがあります。
それは勤怠管理システムです。
勤怠管理システム入れても売上上がらないじゃん!
と思われるかもしれませんが、それよりも大事なことがあります。
1つは人材確保の視点、もう1つ発想の転換ができないことです。

これから少子高齢化に伴い労働人口は減少していきます。
若い方はもう現金も持たないようになっています。つまりスマホで生活しているわけです。
そんな方々が入社してきて、タイムカードや手書きで勤務表をつけてたらどうでしょうか。
辞めちゃいますよね。少なくとも失望すると思います。
タイムカードの会社は大抵休暇申請も手書きなので、休みにくい会社となってしまうのも実は問題です。新人が1年で辞めたらどれくらいのコストがかかるがかかるかというと、
紹介料(年収の35%)+年収(300万)+教育費用 なので400万~500万くらいです。
勤怠管理システムは数百円/人/月ですのでそれ比べたら安いんです。

もう1つの視点、発想の転換ができないことというのは、アナログで何かをしていると、
どうしてもアナログの延長でしか考えられないのでなかなかデジタル使う発想にならないんですよね。想像できないというか。そんな状態でDX考えろってどだい無理な話です。

そして、経営者や管理職はこの問題に気付きにくいのです。
なぜなら自分が使わないから。

最後に勤怠管理システムが取り組みやすい理由をお伝えします。
それは反対する人がいないこと。
タイムカード使い続けたいって人はほぼいません。
だから、会社で取り組む!となっても反対が出にくいのです。やるかやらないか、それだけです。

その先は会社の状況によって進め方が変わってきますが、勤怠管理については是非考えてみてください。社員の職場環境を整備するという意味ではとても大事なことなのです。

さて、今回はがっつり仕事の話でした(笑)
なぜこれを取り上げたかというと、DXという言葉で困っている人が本当に多いからなんです。

AIとかIoTとか様々な最新技術はありますが、まずは日常を変えることが大事です。
難しいことを考えて手が出せないより、シンブルにIT活用を考える方が早く結果でますよ。
そして、使っていって慣れてくればデジタル発想も出来るようになって、DXにも辿り着けます。
まだこれからという方は是非取り組んでくださいね!

そして、もちろん、ご相談も大歓迎です(笑)
定例会やFACEBOOKなどでお声がけください。

PAGE TOP