Members Column メンバーズコラム
「大人の修学旅行ツアー in広島2017」の見所と魅力について
岡本勝幸 (有限会社イットワークス) Vol.348
皆様、お世話になります。
中国支部 有限会社イットワークス 岡本です。
此度は、来週末の2月18日(土)から翌19日(日)の2日間にわたり開催されます、
「大人の修学旅行ツアー in広島2017」について、その一部をご紹介させて頂きます。
今回のツアーは、広島県西部の嘗ては「安芸国(芸洲)」と呼ばれた地域内で、
現在は広島市、呉市、江田島市、東広島市、廿日市市に含まれる各所を巡ります。
古くは平安時代より脈々と引き継がれ、戦国の世や幕末の波乱の時代を経て、明治・大正・昭和の時代にも様々な足跡を残して来たこの地域には、それら歴史の舞台を彩る名勝や史跡、場所や施設などが数多く現存・点在しています。
2日間と云う限られた時間内でのツアーとなり、移動や訪問先などにも様々に制約はありますが、その内で今回は、主に次に挙げる施設や場所への訪問や見学を予定しています。
●昨年に世界文化遺産登録20周年を迎えた、広島を象徴する存在である「原爆ドーム」と「厳島神社」
●地元地域産業を代表する高度な「ものづくり技術」の歴史や象徴が数多く展示される「大和ミュージアム」
●嘗て世界中に名を馳せ、歴代優秀な海軍兵を教育・輩出し、日本人としての魂や心情に訴え掛ける施設である「旧江田島海軍兵学校(現海上自衛隊第1術科学校)」
●国内有数の日本酒醸造産地であり「吟醸酒作り」発祥の地として、広く国内外に知られる優れた銘柄を有する醸造所が集積する「首都西条酒蔵通り」
●昨年プロ野球で25年振りの劇的なリーグ優勝により地元は勿論全国的にも大きな感動を呼んだ広島東洋カープの本拠地球場である「マツダスタジアム」
●瀬戸内海水域では徳島の鳴門海峡と並んで、潮流が早く複雑な為に古くから海の難所として知られ、平清盛の日招き伝説でも有名な「音戸の瀬戸」
そして、今回ツアーの特徴ある注目すべきポイントを幾つかご案内したいと思います
■航路を行く船旅:
今回のツアー行程の内、移動距離の約1/3近くが航路を利用する移動に充てられています。
ご存知の通り、広島地域は瀬戸内海に面し、多くの島々が点在する多島海である事から、古くから海上交通や航路が発達して来ました。
現在でも島しょ部と陸地を結ぶ大切な日常生活の足として、多くの島々との定期航路が毎日運航されております。
今回は行程内で4つの航路を利用する予定ですが、その内の3つの航路で、それぞれ「日本唯一の?」や「日本一?」と云う冠が付く航路に乗船します!
●「日本一短い海上定期航路」音戸の渡し:
呉市内「音戸の瀬戸」で運行されている航路で、所要時間が約3分程、距離にして約90m!
この航路には、なんと!時刻表がありません!
乗客が1名でも運航してくれ、対岸に船がいても立っているだけで迎えに来てくれます。
運賃は、大人100円 自転車150円 バイク200円(自転車とバイクは1人分乗車料含む)
この瀬戸には、世界的にも珍しい螺旋状高架橋を有する「音戸大橋」やアーチ橋である「第二音戸大橋」が架けられておりますが、徒歩や軽車両での通行は圧倒的にこの渡しが短時間で早いので、現在でも周辺住民の貴重な足として日々活躍しています。
●「日本唯一のJRが運営するフェリー航路」宮島連絡船(宮島フェリー)
廿日市市内の宮島口桟橋と宮島を往復するフェリー航路ですが、JRが運営する航路としては、全国で唯一ここだけとなりました。
JRが運営する為、この航路は鉄道連絡船として扱われており、宮島側の桟橋は「宮島駅」と呼ばれます!
此方も国内唯一の「船しか来ない駅」です。因みに、全国のJR駅で「宮島駅」までの通し乗車券が購入出来ますし、「青春18きっぷ」でも乗船が出来ます!
所要時間は約15分、距離は約2km、運賃は大人片道150円で、軽車両の他自動車も運搬しています。
なお、同じ航路で並行して広島電鉄が運営する「宮島松代汽船」も同額の運賃と同様の形態で運航しています。
●「日本唯一の世界遺産同士を結ぶ定期航路」ひろしま世界遺産航路(平和記念公園?宮島)
広島が誇る2つの世界遺産を航路で結ぶ航路で、河川と海を渡り航行する珍しい定期航路でもあります。
広島市内は7つの河川が流れる三角州地帯で、古くから人々の往来や荷物の運搬などの水運が非常に発達して来た為、その名残である船着き場の「雁木」が河川護岸にも多数残存しており、現在も雁木タクシーなどの運航に利用されています。
こうした独特な風景に加えて、河川から望む原爆ドームや平和記念公園、市街地の街並みや河川の土手沿いの風情などを眺めつつ航行出来るまたとない機会です。
更に海に出れば、島影揺れる瀬戸内の穏やかな海の風情を眺め堪能しながら次第に宮島へ近づく情景も、また得難い機会かと思います。
所要時間は約45分、運賃は大人片道2,000円(往復は3,600円)
2つの世界遺産を最短時間で結ぶ、観光にも最適な航路&船旅です。
■アニメ映画「この世界の片隅に」ロケ地巡回コース:
今回ツアーの目玉企画です。現在大きく注目を浴びている話題のアニメ映画「この世界の片隅に」のロケ地である呉市内での聖地巡り!?を行います!
今回の巡回コースでは、以下のロケ地を訪問・見学する予定です。
[小春橋・堺橋→澤原邸三ノ蔵→めがね橋(旧下士官集会所)→病院前の階段 他]
この映画作品は、広島出身である漫画家こうの史代さんが描かれた同名の漫画作品が原作ですが、昭和10年頃から20年にかけての、広島市や呉市の情景や様子、人々の生活や営みなどが、主人公である「浦野すずさん」と云う一人の女性の生き様を通じた目線で描画表現されており、作品自体も数々の作品賞や高い評価を得ておりましたが、此度片淵須直監督によりアニメ映画作品として制作されました。
この映画化に先立って資金調達の為に実施されたクラウドファンディングで、3,000名を超える支援者から4,000万円近くに上る資金が集まり、更に昨年11月に全国公開された時点では公開館数が60余りだったにも関わらず、その評判がSNSを通じて次第に大きく拡散し、今年1月には僅か3か月程の間に、公開館数約200館、観客動員数130万人、そして興行収入は15億円を超える規模までに劇的な展開を遂げ、「第90回キネマ旬報ベスト・テン日本映画ベストワン及び監督賞」をはじめ数々の映画賞を受賞するなど非常に高い評価と相まって、上映後に自然発生的に拍手が起こるなど大いに感銘を受ける作品内容に、更に大きな感動の輪が拡がっています。
■今回のツアーにおける「三大?」の存在:
今回ツアーでの訪問・見学先の中に、「三大?」の名称を冠する場所や施設がありますので、簡単ですがご紹介させて頂きます。
●宮島:「日本三景」の一つに数えられる名勝地
宮城県:松島、京都府:天橋立 と併せて古くから称されています。
因みに、宮島は国内で最も早く国立公園に指定された地域のひとつでもあります。
勿論、世界遺産にも登録されているのは、ご存知の通りです。
「もみじ饅頭」発祥の地でもありますが、高校野球の甲子園大会で広島県代表が応援で使用するしゃもじも、
産地として有名です。
古来より女人禁制とされ、カップルで訪れると必ず別れると云う曰く付きの伝説もありましたが、近年は厳島神社で挙式するカップルが激増し、宮島弥山山頂近くの「消えずの火」で有名な霊火堂は「恋人の聖地」として広く認知され、嘗ての禁制や伝説も既に遠い記憶の彼方に成り果てた様です…
●西条(東広島市):「日本三大銘醸地」の一つに数えられる日本酒醸造の産地
兵庫県:灘、京都府:伏見 と併せて称される日本酒の酒どころです。
灘や伏見が古来より続く歴史ある銘醸地であるのに対し、西条の酒造りは明治時代に新たな醸造法が開発され、全国の品評会でも高評価を得た事で日本各地でも高く評価され知名度を得る事となりました。
更に、こうした醸造法から最高級とされる吟醸酒が醸造され「吟醸酒発祥の地」と称される様になりました。
西城で醸造されるお酒は、元になる水質が軟水である事から、まろやかな旨みと芳醇な味わいの甘口のお酒が多く醸造されます。灘で醸造されるお酒はキリッとした辛口の「男酒」と呼ばれるのに対して、きめ細かでなめらかな舌触りの甘口が特徴である伏見のお酒と同じく「女酒」と呼ばれて親しまれています。
西条地区の醸造蔵元では、以前アメリカオバマ前大統領が来日した際に、安倍総理大臣と東京・銀座の有名店「すきやばし次郎」で会食した際に酌み交わした「賀茂鶴」が有名ですが、他にも「白牡丹」や「西条鶴」「福美人」など知名度が高い蔵元も軒を並べています。
●旧江田島海軍兵学校(現海上自衛隊第1術科学校):「世界三大兵学校」の一つに数えられる最高峰の教育機関
イギリスのダートマス王立海軍兵学校、アメリカのアナポリス合衆国海軍兵学校と並び称される、嘗て日本が世界に名を馳せた海軍士官養成の場として、57年間その歴史や伝統を築き上げました。
卒業生には、小説「坂の上の雲」の主人公でも有名な秋山真之や、日本海軍を代表する提督である山本五十六、最後の海軍大臣を務めた米内光政など、歴史上にも名を遺す人物が数多く輩出されました。
施設内に建つ「教育参考館」には、吉田松陰や勝海舟などの幕末の志士の書をはじめ、イギリス海軍ネルソン提督や東郷平八郎、山本五十六の遺髪なども収められています。
また、海軍将校や特別攻撃隊で出陣し若くして散った隊員の遺書が数多く所蔵されており、直向きで純粋な意思の強さや家族を思いやる気持ちに、日本人としての魂や心情を揺さ振られ涙するばかりです。
以上、今回のツアーに関しまして、その一部の内容をご紹介させて頂きました次第ですが、
僅かながらでもその見所と魅力の一端に触れて頂く事で、今回ご紹介しました広島地域への関心や興味をより深め、理解や知見をより広めて頂くきっかけとなればと強く願っております。
最後になりますが、今回ツアーの実施に際しまして、多くの方々にご支援やご協力を頂き、この場をお借りして
心より深く感謝と御礼を申し上げます。
ツアーに参加されます16名の方々と共に、一致団結してより楽しく有意義な時間を過ごす事で、思い出深いツアーを無事に遂行出来ます様に、更に準備や段取りに余念なく頑張って参りたいと思います!
今後とも引き続き、宜しくお願い致します。