Members Column メンバーズコラム

新病院パース図

二足のわらじを履いた4カ月

大橋 範秀 (三重県済生会)  Vol.699

皆さんお久しぶりです。ほとんど役に立っていない東海地区世話人の大橋です。
私のことを知らない人が多いと思いますので簡単に自己紹介をします。
生まれは愛知県・旧海部郡ですが、幼少期の経緯がややこしいので三重県四日市市出身と言っています。
市立幼稚園、小学校、中学校、県立高校、某都立大学、就職も地方自治体。つまり、私立も国立も経験が無く、オール「公立」の人生を歩んできました。
これだけ書くと普通の人生だと思われるでしょうが、実際には波乱の人生でした。
生まれてすぐに心臓に重い病気が見つかり、当時の日本には小児心臓血管外科がなかったので「この子は思春期まで生きられません!」と医師から厳しい宣告をされ、小学校への入学も病気を理由に拒否された波乱の人生の幕開けでした。
今では「心臓に疾患?毛が生えているの間違いでは?」とまで言われるほど元気に育っていますが。
大学浪人はしていませんが、実は第一志望の試験には落ちました。家の経済事情から私立大学には行けなかったので、失意のうちに浪人生活を考えていた忘れもしない4月1日のエープリルフールに、「補欠合格です」という電話を受けるというウソのような本当の話。
まだまだありますが、自己紹介だけでコラムを終えるという不名誉なことになりそうなので、そろそろ本題に入ります。

と、その前に、私は今、公務員人生を定年で終えてから、縁あって三重県松阪市でお仕事をさせてもらっています。松阪市のPRを少しさせていただきます。
松阪市は、三重県の中部に位置し、北には津市、南には伊勢市、伊勢湾から大台ヶ原にいたる海あり山ありのすばらしいロケーションです。
名物は高級「松阪牛」。その霜降り肉は口に入れるととろけるという表現がぴったりの肉質です。けど、地元の人は霜降り肉より、ホルモンや鶏肉の味噌だれ焼きを好んで食べています。
文化的には、『古事記』の研究で有名な本居宣長、北海道の名付け親である松浦武四郎が有名です。
春、松阪城にある本居宣長記念館を見学して、ライトアップされた桜を観てから、ホルモンで一杯をお勧めします。

さて、いよいよ本題の「二足のわらじ」について書きます。
実は私、3年前に、37年間の公務員人生を終えてから、社会福祉法人恩賜財団済生会の支部「三重県済生会」で第二の人生を歩んでいます。
お仕事は、三重県済生会が所管する二つの病院(急性期、回復期リハビリ)と二つの福祉施設(介護老人、障害児・者)の経営、運営を統括することです。
統括と言っても私が赴任してはじめて独立した支部室が設置された状態で、実務的な事務局も兼務してスタートしました。

それだけならまぁなんとかできるかと考えていましたが、それに加えて、430床の急性期病院の新築移転と、松阪市民病院の指定管理の受託を並行して進めるという特命も加わってきました。
新病院の基本設計は着手していて、指定管理も初期の検討が進められていたので、進行管理が主な役割ではないのかと安易に考えていました。しかし、新型コロナウィルスのなどの影響もあり、新病院の実施設計、市民病院の指定管理、二つの懸案事項がともに内容もスケジュールも見直すという想定外の事態になりました。

それだけならまだなんとか、なんとかギリギリできるのでは考えていましたが、ついについに二足目のわらじが舞い降りてきました。
それは、所管している急性期病院の事務部長も兼務するというご指名です。
急性期病院の経営には若干の経験と自信もありましたので、軽い気持ちでお受けしたのですが・・・。急性期病院の事務部長のお仕事は、毎日のルーティンや会議・委員会だけでもかなりの時間がとられてしまい、とても支部の統括や特命事項に割く時間がありませんでした。
おまけに私が事務部長に就任したのは令和6年1月1日。そう能登半島地震が発生したその日です。DMAT災害派遣にはじまり、その後、怒涛の日々の始まりでした。
さて、やる気と責任感があっても物理的にできないものはできない。ということで、支部の事務局を担う人材を古巣から派遣してもらうとともに、急性期病院で私の右腕となる次長ポストが空席となっていたので、これも補充してもらって、この4月からはなんとか体制が整いました。

支部の役員としては、済生会本部の方針や支部の中期事業計画に沿って、「〇〇あらねばならぬ」「〇〇べきである」という正論を訴え続ける必要があります。一方で、現場の病院を預かる部長としては、現場の実情や本部・支部の方針や計画の問題点を訴える必要があります。
私の名刺の肩書は一行目に支部役員、二行目に病院の事務部長で、会議・協議の場では「今は一行目として発言します」「今度は二行目としてコメントします」と発言し、参加者からはウケるのですが、私にとってこの使い分けは大きなジレンマ、ストレスです。
でも大丈夫です。何しろ私は運がいいのです。本当に困った時には不思議と誰かが助けてくれます。たぶん、今回も、きっと。。。

今の目標は、土日はきちんと休むこと。月に1回は山に登ること。そしてKNSの定例会には参加することです。
私は変温動物のように自分では体温があげられない、すぐにやる気が失せる困った性質なのです。そんな私にとってKNSへの参加、世話人などの変態たちとの交流は、私の体温を上げてくれる太陽のような大切な存在です。これからもよろしくお願いします。

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