Members Column メンバーズコラム

実況!グローバルとローカルを考える。

西村成弘 (関西大学商学部)  Vol.279

来週は第50回定例会です
来週9月26日(土)に、第50回目の記念すべき関西ネットワークシステム(KNS)定例会が関西大学にて開催されます。準備万端、皆さんのお越しをお待ちしています!

現在、ゼミ生と海外研修中!
ところで、開催まであと2週間なのですが、現在、関西大学商学部のゼミ生16名を引き連れて中国・広州市に来ています。
私のゼミはこれまで毎年、夏季休暇に欠かさず海外研修と称して学生を半ば無理やり海外に連れ出し、調査のかたわら、現地の文化や人々に触れ、教養(今話題の教養!)を深める取り組みをしてきました。一昨年はタイのバンコク、昨年はマレーシアのクアラルンプール、今年は5年ぶりに中国・広州という具合に、アジアの主要都市をめぐり、現地で活躍している日系企業や現地企業を訪問し、その地で人々がどのように働いているのか、日本の働き方と何が違うのか、あるいは、世界観や価値観はどういったものか(簡単に言えば、日ごろ何を楽しみに生きているのか、何を人生のゴールと考えているかとったこと)を聞き、探り、感じること(疑問を持つこと)を目的にしています。

「グローバル人材」って、何?

流れに棹差した言い方をすれば、グローバル人材の育成ということになるでしょう。「グローバル人材の育成の一環で取り組んでいるのですよ!」というと相手の反応もよいですし、自分自身でもそのように位置づけています。
しかし、この「グローバル人材」という言葉、よく指摘されているように、その定義はとてもあいまいで、人によって内容はバラバラです。「英語ができる人」というのもその一つかもしれません。私が好んで遣う定義は、関西大学のある先生が言っていたのですが、「どこでも寝られる人、何でも食べられる人」というものです。
これは、「英語ができる」よりも重要であるように思います。「グローバル人材」というと地球規模でどんな国や地域でも活躍できるというようなことをイメージしますが、やはり重要なのは、それぞれの現地の人のこと、つまりローカルなことを理解する――たとえば食を通じて――ことだろうと思います。グローバル化を進めようとするならば、もっとローカル化を進めなければなりません。しかし、どうも日本では、グローバル化というのは標準的モデル(アメリカン・スタンダード)に近づけること、と理解されている傾向があるように感じます。しかし大事なことは、むしろエリア・スタディーズで、ローカル(自国ではない他国)の理解をどこまで深められるかだと思います。
よく似た話に、英語の学習があります。私が大学時代に(大学院入試に向けて)英語を勉強しているとき、それはもちろん英語という特殊な言語について理解し、活用できるようになることも目標の一つでした。しかし、英語を勉強するということは、日ごろ何気なく使っている日本語という特殊な言語を相対化し、その特殊性や特徴を理解し、英語を勉強することで日本語(あるいはコミュニケーション手段としての言語能力)をより洗練されたものにすることが、もっと重要な目標であるということを、先輩から教わりました。
しかし、「グローバル人材」育成が叫ばれる今日、前者の目標ばかりがクローズアップされ、後者の目標が置き忘れられている気がしてなりません。
どの言語を選択するかは、問題ではないのです(もちろん、英語はビジネスにおける共通語として有用で勉強すべきです)。同じように、どの国のエリア・スタディーズに取り組むかも、それほど問題ではないのです。とりあえず、どこか1つの国・地域を深く理解することが重要でしょう。さらに「グローバル」化は厳然とありますから、2つ目の国・地域、そしてさらに3つ目の…というように、多様な国や地域とそこに住む人について理解を深めていくことが重要なのだと思います。

大阪、香港、そして広州に到着!

 この文章は、実は関西空港に向かう途中の阪急電車の車内で書き始めました。関空で学生と合流したのち、関空から香港国際空港へ、さらに九龍半島のホンハム駅から電車で2時間かけて広州市にたどり着きました。途中、さっそくホンハム駅で「何でも食べる人」になるよう、試練を与えました。「食在広州」といわれるように、広州は食の都です。夜ご飯も、もちろん「何でも食べる人」になるための重要なステップとなりました。
 まだ初日です。この研修旅行が、商学部3回生たちのエリア・スタディーズ事始として心に刻まれるよう、刺激たっぷりの4日間にしたいと思います!再見!
2015年9月14日・広州市

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