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資源は身近なところに?

村吉隆 (三重県伊賀市)  Vol.276

村吉隆

KNSの皆様こんにちは。
三重県伊賀市役所の村吉です。よろしくお願いいたします。
3週間前の福岡さんのコラムでは、広く世界へ発信した伊賀市の取り組みについて紹介されていましたので、私は伊賀市内で執り行われているとある祭りについて紹介したいと思います。
『祇園祭』というと、毎年7月に開催されている京都の祭りとしてとても有名ですが、私の地元である三重県伊賀市でも毎年7月の最終土・日曜日に『植木神社祇園祭』なる祭りが開催されています。(とはいえ、規模は全く違いますが…)
植木神社祇園祭は、三重県伊賀市の東部に位置し、現在の三重県伊賀市と三重県津市を結ぶ伊賀街道の宿場の一つである平田宿であった、現伊賀市平田地区、東西に約1キロメートルの範囲内で執り行われています。

この平田地区は約100戸からなり、その中で東町・中町・西町の集落に分かれ、それぞれ1基ずつ、合計3基の楼車(だんじり)を有し、竹幣や神輿などと共に平田地区の街道筋を練り歩くもので、昭和54年3月23日には三重県無形民俗文化財に指定されています。
同じく伊賀市内で毎年10月23日から25日にかけて伊賀上野市街地で行われ、国指定重要無形民俗文化財に指定されている鬼行列等でも知られる上野天神祭でも楼車が曳き出されており、定かではありませんが、平田の楼車は伊賀上野から購入したものであるとされていて、記録では1800年代前半には平田地区に楼車が存在していたことが確認されています。
楼車を装飾する前・後・胴の各幕については、各町で図柄は異なりますが、花鳥図や武田信玄と上杉謙信による川中島での一騎討ちや、加藤清正の虎退治、牛若丸と武蔵坊弁慶など故事にまつわる図が描かれています。
また各楼車ではそれぞれの町で異なる祇園囃子が奏でられ、囃子で使用する楽器は鉦3挺、太鼓2組、笛(龍笛)数管で構成されており、囃子方は鉦を小学生が、太鼓を中学生が、笛を高校生以上で担います。
囃子方は平田地区各町内在住の男子、時代によっては長男のみが務めるものとされていましたが、少子高齢化が進む近年では男子のみならず女子や、町外の子達も参加されており、また囃子方以外でも楼車の曳き手なども同様に町外の方にも募集をかけるようになりました。
この様にこれまでは狭い範囲でのみ行われている祭であり、同じ伊賀市内の方にも植木神社祇園祭の存在をあまり知られていないように思いましたが、関係される方の努力もあって広く町外の人を呼び込むことにより、祭の存在が知られる結果となり、口コミなどによって少しずつではありますが祭を見物に来られる方や楼車等をカメラに収められる方々も増えてきた様に感じます。
これまでも言われてきた事だとは思いますが、地元の者にとっては当たり前で物珍しく感じない事でも、外部の方にとっては珍しく感じる観光資源となる可能性を秘めているのではないか、また資源とするためには情報発信の仕方や外部との連携が重要だと再認識しました。

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