Members Column メンバーズコラム

人口5800人の小さな町で見た光景

元兼正義 (Motto Design)  Vol.664

KNSの皆様、いつもお世話になります。
 
大阪でクリエイターをしている
Motto Designの元兼と申します。
 
仲良くさせて頂いているクリエイター仲間からのお誘いがきっかけで一昨年あたりから、ご縁がある地方の企業・自治体・コミュニティに泊りで訪問しては地域で活動している皆さまと交流し、実際の活動にも参加させて頂くというフィールドワークをしています。
 
 
■実際に訪れた地域と見聞きしたおもしろ話
・林業を応援する活動を11年前から続ける有志団体の方々(大分県日田市)
・40年間収集した洋酒で博物館をつくったバーのマスター(大分県日田市)

・とある超老舗お茶屋さんのお家騒動の話(京都府宇治市)
解体した古民家をアメリカに輸出して現地で組み立てる工務店さん(愛知県新城市)

27年前に埋め立てられるはずだった砂浜を清掃活動で守り続ける人々の活動(香川県三豊市)
・満潮・干潮・新月・満月で出来上がる塩の味が違うと教えてくれた塩マイスター(香川県三豊市)

人口7000人の町で新しい盆踊り作りにチャレンジするダンサーとおばちゃん(京都府南丹市)

 
書ききれないのでほんの一部だけ挙げてみましたがどの地域でもおもしろいコトをやっている人に共通するのは変態的かつ圧倒的な「行動力」と「我が課題」を持っているという点でした。
 
 
■そんな中で見かけた印象的な光景
さて、ここから表題の件です。
今年の8月、香川県三豊市の仁尾町という人口約5800人の町を訪れました。
仁尾町は父母ヶ浜(ちちぶがはま)という夕日が美しい遠浅の砂浜とみかん等の農作物が豊富な海と山に囲まれた町です。
 
この父母ヶ浜で毎月行われている砂浜の清掃活動に参加するため、前乗りで清掃日の前夜に現地入りした際にたまたま地元のお祭りに出くわした時のお話。
 
200年前から続く「仁尾竜まつり」というもので、稲藁で作った巨大な竜に沿道から人々が水を浴びせるという大阪のだんじりとはまた違った迫力のあるお祭りでした。
※トップ画像は実際の画像
 
お祭りそのものにも圧倒されましたが、その場で特に印象深く記憶に残ったのはまた別の光景でした。
 
それは、おそらくは現地に移住してきた外国人と、地元の日本人の子供たちかと思われる何人かの肌の色の違う子供たちが、「こっちこっち」とお互いを手招きしながら祭りの中を駆け抜けていく姿でした。
 
巨大な稲藁の竜の脇を走る人種の違う子供たちの様子が何とも印象的で、だけどとても自然で、古くから伝わる伝統文化が守られている現場で、人種や国や大人の思惑を越えて新しい文化を作る子供たちの姿のコントラストに強い感動を覚えました。
 
よく辺りを見回せば、その親御さん達世代と思われる外国人の大人の姿が見えます。
彼らもまた、地元の祭りの光景に自然に溶け込んでいて、祭り囃子に合わせて踊りながら楽しそうに笑っています。
 
おそらく数年~10年くらいの期間、少なくとも家族や子供たちが地域に馴染むのに十分な時間をこの町で過ごし、町や住民もそれを受け入れてきた結果なのだと思います。
 
外国人移住者を巡っては日本中で様々な議論が起こり、時に残念なニュースを耳にすることも珍しくない中、古くからの土地や文化を守りながら、先の時代に必要な多様性をも取り入れているこの地域の姿に未来の日本の光景を見たような気持ちになりました。
 
もしかしたらすでに、高齢化や労働人口の減少が都市部より先に深刻化した日本中の地方では同じような光景が見られるのかもしれません。
 
祭りという非日常の場で目撃したことがより印象を深めただけかもしれませんが、とにかく、今でもなぜか脳裏からこの光景が離れないでいます。
 
地方でのこうした体験のひとつひとつに、きっと僕は惹きつけられているのだと思います。
そして各地で実際に見聞きしてきたものを自分の地元や身の回りにも還元できれば、なんてことを最近は考え始めています。
 
 
最後に
 
ここ半年ほど毎月1~2回ほど他県へ飛んで行ってしまう自分に向けられる家族の視線がそろそろ気になり始めてはいますが、行く度に新しい発見や刺激をくれる地方巡りを、しばらくやめられそうにありません。家族よ、すまぬ。
 
ぜひ、面白い地域のお話などあればご教示ください。
何なら、僕をお供で連れて行ってください。
 
最後までお読み頂きありがとうございました。
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