Members Column メンバーズコラム

多様性は未来の鍵:社内のグローバル化に挑戦

松田英成 (マツダ株式会社)  Vol.684

 私は中小製造業の経営者として、日々様々な課題に直面し、その解決策を模索しています。現況は資源高による価格転嫁や人手不足にも対処し、生産性を向上させ競争力を高める課題に取り組んでいます。特に労働力の確保と育成は直面する重要な課題です。

 採用は新卒・中途、プロフェッショナル人材、リファラル採用等で雇用してきましたが、現在は求人しても応募が少なくマッチングに至らないケースが多いのが現状です。

 今の採用には少子高齢化の視点と外国人実習生等の海外人材等の多様な人材の採用戦略が求められています。そこで私たちは、初めて外国人実習生の採用にチャレンジして、多様性を生かした社内のグローバル化に取り組み将来的には海外展開も目指す道を選びました。

 また、技術を進化させるために、従業員のスキルや知識のアップデートが不可欠です。

 技能士の資格取得支援や教育訓練の機会を設けたり、労働環境の改善など、従業員の満足度と生産性を向上させる施策が求められます。社員の高齢化への対応、女性活躍、外国人実習生の活用など、多様な働き方が実現できる環境づくりを進めています。

 これらの課題に取り組むために、ビジョンが求められます。リスクを取り、イノベーションを推進し、持続可能なビジネスモデルを構築することが必要です。また、業界内や企業間の連携のパートナーシップや共同研究等の企業連携の推進も重要です。知識やリソースを共有し、業界全体の発展に貢献することで、より良い未来を築くことができると思います。

 私たちの持続可能性は、経営者、従業員、顧客、そして社会全体の共同の努力によって築かれます。リスクを恐れず、チャレンジし続け、持続可能な未来を築くための道筋を描くことが求められます。

 多様性は、ビジネスの世界においてもっとも強力な資産のひとつではないかと思います。異なる文化やバックグラウンドを持つ人々が集まり、知識や経験を共有することで、新たなアイデアやアプローチが生まれます。この多様性を受け入れ、活かすことで、将来の海外展開における競争力を高めることを目指しています。

 しかし、外国人実習生を採用することは単なる人員配置の問題だけではありません。文化や言語の違い、働き方の違いなど、さまざまな課題が待ち受けています。そのため、私たちは5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を通じたものづくりの基本やコミュニケーションの促進に注力しています。彼らが自分のアイデンティティを尊重し、同時にチームとしての一体感を築くことが重要です。

 最近は言語が通じないことも良いことと思えるようになってきました。ジェスチャーや筆談、スマホのアプリ、ChatGPTなど色んな方法を駆使して一生懸命伝えようとしている姿はある意味人として基本的なことで、伝わった時の喜びや共感、同調、共有を通じて信頼関係が築かれています。

 また、外国人実習生を受け入れるだけでなく、彼らが成長し、組織に貢献できるような環境を整えることも重要です。教育や訓練の提供、キャリアパスの構築、そして彼らの意見やアイデアを積極的に取り入れる文化の醸成が必要です。

 私たちがグローバル市場で競争力を獲得するためには、従来の枠組みにとらわれず、新しいアプローチを積極的に取り入れる必要があります。多様性を活かした海外展開は、その最たる戦略のひとつです。私たちは、その挑戦に真摯に取り組み、世界の舞台で活躍できる企業を目指していきます。

 現在私たちは日本人18名、カナダ人1名、外国人実習生インドネシア人3名、外国人実習生中国人3名の合計4か国で25名になりました。

 海外展開の目標は、「輸出」ができる会社を目指して、海外の市場調査、販路開拓、英語のホームページや営業資料を作成して潜在顧客にアプローチをかけています。

 カナダ人社員のおかげで英語のコミュニケーションがとれる会社になっただけでも海外市場参入の可能性が広がっていっています。

 また、海外取引で必要なISOの認証取得にも全社一丸となって取り組んでいます。

 このように多様性は私たちの強みであり、未来への鍵です。私たちのチームが、さらなる成長と成功に向けて歩みを進める中で、その力を最大限に活用していきます。

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