Members Column メンバーズコラム

NPO法人自治経営を立ち上げました!

甲賀晶子 (奈良県まちづくりプロジェクト推進課)  Vol.565

甲賀晶子

奈良県庁の甲賀と申します。コロナ禍となり、早1年半。皆さん、いかがお過ごしですか。なかなかリアルにお会いする機会がなく、とても寂しく感じています。
さて、昨年の3月に、全国の仲間と「特定非営利活動法人自治経営」を立ち上げました。本格的なイベントなどは開催しにくい状況が続いていますが、オンラインを活用し、活動を行っています。
自治経営は、『「地域経営力」のあるヒトづくり、 そのヒトから生まれる地域事業の加速・連鎖を支援し、日本の「自治」を変えることで、大きな社会変革』を目指しています。結構、大それた目標を掲げています。
メンバーの多くは、自分自身が「地域経営力」を身につけるために、2015年より開校した「公民連携プロフェッショナルスクール」「都市経営プロフェッショナルスクール」(https://www.ppp-ps.net/)を受講したメンバーです。受講修了後、行政・民間それぞれの立場から、自分の地域のことを、自分のアタマで考え、事業を展開してきました。

全国各地で展開されている「公民連携事業」の多くで、スクール生が関わっています。なので、あの事業ができたきっかけは何だろう?とか、どうやって制度の壁を突破したのかな?と知りたくなれば、ダイレクトに担当者に聞けるというのが私たちの強みです。関西で言えば、河川法の改正により、河川敷での飲食店等の営業が可能になり、水辺に複合商業施設を整備した大阪市大正区の「タグボート大正」、Park-PFI制度を活用し地域住民の活動の場として公園をリニューアルした堺市大蓮公園の「SUEプロジェクト」、市営住宅の跡地に、全国で初めてPPP手法を用いて、住宅地域の再生を行った大東市の「morinekiプロジェクト」などが、スクールOB・OGの担当した事業です。
このように、全国各地で、既存の枠組みにとらわれず、地域・自治体を経営する視点で展開する事業が増えてきていますが、まだまだ従来型の高投資・高コスト運営となる施設建設・ 公共サービスが多いというのが現状です。そのため、スクール生が中心となり、志を同じとする民間・公務員に声をかけ、自治経営を設立しました。事業のノウハウを集積化し、ネットワーク化させ、さらには新たな人材育成、事業の創出を目指し、社会変革を起こしていきたいと思っています。

では、実際に、どのようなことを自治経営で行っているのか、取組をご紹介します。

1.伴走型事業支援
公民連携事業等をスタートしたい自治体等に対し、自治経営が支援をしており、自治経営のメンバーのうち、地域経営ビジョン策定や公民連携事業を行ってきた自治体職員などが支援に入っています。同じ自治体職員同士なので、行政特有のルールや、推進する上で障壁となることなどが分かり、検討や取組に伴走しながらアドバイスを行うことができます。
また、取組の内容や組織の実情等に応じて、全国にいる自治経営のメンバーの中から適切なキャスティングができるというのも特徴です。
具体的には、公民連携事業の立ち上げ支援(初動期支援)、自治体の幹部向けのトップマネジメント支援、若手職員の育成などを行います。昨年度は、茨城県下妻市が行う、公民連携まちづくり構想策定の支援を行いました。

2. オンライン講座
自治経営のメンバーが中心となり、自治体職員等を対象にしたオンライン講座を開催しています。今年1月には、7週連続オンライン講座 「これからの公共施設経営 施設保全×FM×PPP×断熱」を行いました。自治体財政にコミットした公共施設経営にチャレンジしている倉敷市、焼津市、津山市、仙台市の事例等、自治経営のメンバーが中心となり、実践してきた内容の解説と、自治体の規模や事情に応じた進め方についてディスカッションを行いました。
また、コロナ禍で、なかなか視察に行きにくい状況に対応し、「議員向けオンライン視察」を行いました。
8月からは、モヤモヤしている公務員向けに、「(仮)公務員力養成講座」を開催する予定です。私も講座をひとつ担当いたしますので、公務員の皆様、ご参加いただけると嬉しいです。

3. クリエイティブスクール
これからの人口縮退時代を担う子供達が「自主経営(セルフマネジメント)能力」と「稼ぐ能力」を学ぶことは大切です。子供達が「クリエイティビティ」と「稼ぐ」スキルを、実践しながら学べるよう、クリエイティブスクールを定期的に開催しています。昨年は、リモートで、花の生産や花屋の経営を学びながら、クリスマスのリースを子どもたちが自分で作り、それをネットショップで販売するプログラムなどを開催し、仙台、茨城、千葉、愛知、大阪、京都という全国各地の子供達たちが参加してくれました。

4. 公民連携事業ケーススタディブック
全国各地で実践されている公民連携事業や都市経営課題解決につながるプロジェクトについて、実践者が自らまとめた公民連携事業ケーススタディブックを出版しています。現在、Vol.03まで出版しており、内容の企画から編集までのすべてを自治経営のメンバーが行っています。

5. ブロック・地域イベント
自治経営のメンバーは、全国各地にいます。そのため、ブロック毎にアライアンス、その下に地域チームをつくるという組織にしています。各アライアンスや地域チームで、イベントや勉強会などを開催しています。

6. コラム、ラジオの配信
都市経営や公民連携事業に関するコラムをnoteで配信しています。また、stand.fmを活用し、「まちを楽しむラジオ」を配信していますので、お時間ある時に、ご覧ください。
自治経営コラムnote
 https://note.com/jichi_keiei/
まちを楽しむラジオ@繋がり学びあい実践していくプラットフォーム | stand.fm
 https://stand.fm/channels/5ff5491ffc3475e2c88845dc

このように、全国各地の多様なメンバーと、様々な事業を展開しています。
普段の仕事をしながらの活動になるので、メンバー間のミーティングや各企画は、夜や休日になってしまいますが、全国の実践者と常にふれあえることは、とても刺激的で、良い学びの機会となっています。
私たちの活動に共感いただけましたら、ご寄付いただけると、とても今後の活動の励みになります!もちろん、私のように自治経営のメンバーであるアライアンス会員となって、一緒に活動していただける方もいらっしゃいましたら是非!!
寄付・入会について
 https://www.jichikeiei.com/join

それでは、1日でも早く皆様と飲んで騒げることを楽しみにしています!

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