Members Column メンバーズコラム

設立から3年。中小企業への広報支援の意義

神崎英徳 (株式会社PRリンク)  Vol.49

神崎英?

みなさん、こんにちは。
PRリンクの神崎です。

2011年1月11日、PRリンクは会社の最初の壁と言われる設立3周年を迎えました。
PRリンクは「社会性のある企業やNPOの質の高い情報をメディアに届けることで、
子どもたちが安心して暮らせる社会の実現を目指す」という企業理念から生まれた会社で、
小さな子どもを持つ親として、自分たちが本当に世の中のためになると思う企業や商品の情報を
マスコミに伝えることにこだわって、中小企業の広報活動をサポートしています。

               

3周年の節目の日には、大勢の人が集まってくれました。
決して順風満帆ではなかった3年間、
初心を忘れずにやり続けることができたのは、
私たちの理念や活動に共感、応援してくれた人が大勢いたこと、
そして自分たちが共感し、何とかこの商品や企業を広く世の中に伝えたいと
切実に思う中小企業との数多くの出会いがあったからです。
こうした人たちへの感謝の気持ちを込めて、3年間を振り返りたいと思います。

私は住宅設備メーカーで14年サラリーマンを経験しました。
その企業で広報担当をしていた時、
関西にはこだわりを持った経営者が多いにもかかわらず、
地理的な制約から全国に知られていない企業が多いことがずっと不満でした。
子どもが生れて親となった時、親の視点から見ると、
今の社会が決して安全、安心できるものではないことを実感し、
そんな地元関西の社会的な企業を広く世の中に伝えるために、
PRリンクを設立したのが3年前です。

創業したばかりのヨチヨチ歩きの期間、1年8ヵ月をメビックで過ごしました。
メビックではインキュベーションマネージャーとの定期的な面談があり、
社会貢献ではなく、事業として成立できるようになるには
何をすべきかを問い続ける期間となりました。
広報の理解を深めるためのセミナーの実施、
プレスリリースの作成代行からコンサル付きサポートへの移行、
単発契約から半年単位の契約へのシフトなどを行った結果、
事業の基盤が少しずつできてきました。

昨年の1月にはメビックから卒業、
淀屋橋の文化財ビル「芝川ビル」に事務所を移しました。
正式にKNSのメンバーとして参加するようになったのもその頃です。

PRリンクは現在、中小企業約50社の広報活動を支援しています。
この3年間で行きついた結論は、まず広報活動とは、一過性の話題づくりではなく、
客観的な視点をもとに社会的信頼と企業価値の向上を目指す継続的な取り組みだ
ということ。記事になることだけが広報活動の価値ではないということです。

企業、特に中小企業にとっての本質的な広報の価値は、広報活動をするために、
自社を客観的に見つめることで、成長するために必要な自社の課題が見つかることです。
「企業理念の意識が社内で弱い」「顧客ニーズからずれている」
「既存顧客とのコミュニケーションが不十分」「ホームページがわかりづらい」
「メディアに取り上げられても買える販路がない」
日常気になりながらも見過ごしていることも、
広報活動を行うことで課題として浮き彫りになってきます。

また人口減少や就職難、景気の低迷による将来への不安の高まり、モノ余りや、
オーバースペックなど市場の成熟化など時代の変化を受けて、
「量から質」「使い捨てから長く使う」「物から心」へと
人々の価値観は大きく変わってきています。
その新しい価値観を持つこれからの顧客に選ばれるためにも、
「広報活動」=「社会とのいい関係づくり」が不可欠となります。
「より便利だから」「持っていないから」買うのではなく、
「この会社(人)から買いたい」「購入することで世の中がより良くなる」
ということが、これからの購入の強い動機になってくるからです。

中小企業の広報活動を支援する広報の専門家として、
私たちは時代の流れや本質を見る目を磨き続ける必要があります。
KNSには想いを持った様々な分野の専門家がおり、
飲みながら本音で話し合う場があります。
私たちはそんなKNSという場で、楽しみながら自分を磨き、
子どもたちが安心して暮らせる社会の実現に貢献したいと思います。

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