Members Column メンバーズコラム

誰もがクリエイターになる時代

芦谷正人 (株式会社ドライブ)  Vol.62

芦谷正人

KNSメンバー、株式会社DRIVEの芦谷です。
僕の仕事はデザイナーです。

ホームページやロゴマークをデザインして
企業やお店の“ブランディング”をするのが仕事です。

そんな僕は今回の震災で
「これで日本のデザイン業界も終わったかな?」
と感じました。

なぜなら震災地域の復興やら経済危機やらで
企業がデザインに投じる予算を
大幅に削減されると感じたからです。

ところが、若いデザイナー達が中心となり
Twitterを使って配信した
「買い占め禁止」のインフォグラフィックポスターを見て、
その考え方が誤っていることに気付かせられました。

僕が長い間、経験してきたデザインとは
企業(クライアント)を中心とした
“売るため”の手段としてデザインを提供し、
ギャラが支払われる世界でした。

つまり、企業に役立つことが
デザイナーの役目だという世界です。

それが、ネット社会となり、
誰もが低コストで情報を世界に向けて
情報発信できるようになり、
デザイナーが自分の考えで
自由に発言できるようになったのです。

昔は、印刷物を作るにしろ、
映像を作るにしろ、
沢山の費用を必要としたので
デザイナーが自分の考えを自由に情報発信するには
ハードルが高すぎました。

しかし、今はすごくリーズナブルに
誰もが自由に情報発信することができます。

今まで、企業のフィルターを通してしか
デザインを世の中に出さなかったデザイナーが
自分の考え方や価値観に照らし合わせて
自由な発言が出来る時代となったのです。

正直な話、今まで、いやいやながら
企業にデザインワークを提供することもありました。
お金のために不本意な情報発信をしたこともありました。

それが、ネット時代になったことで
デザイナーは自分達の役割に
沢山の選択肢を持つことが可能となりました。

逆に言えば、企業からの依頼でしかデザインを作ることが出来ないデザイナー世代と
自分の判断で自由にデザインを作るデザイナー世代との
世代間格差がネットにより顕著になった時代だといえるのかもしれません。

少し、話がかわりますが、
以前は情報とはお金を支払って手に入れるモノでした。
つまり、雑誌や新聞がそうです。

ところが、フリーペーパーの出現で
無料で質の高い情報が手に入るようになりました。
そして、インターネットの発達で
とんでもなく価値の高い情報までも
無料で手に入るようになりました。

僕はこの現象によって
ビジネスの世界が大きく変化してきたと考えています。

「デジタルデバイド」という言葉がありますが
僕はむしろ「インフォメーションデバイド」、
「情報を発信する人」と「情報を発信しない人」との格差が
急激期に広がっていく時代だと僕は思っています。

これからは資本力だけがモノを言う時代ではありません。
質の高いコンテンツをガンガン発信することが
資本力を凌駕することもありえる世の中です。

僕はそんな時代の転換期に立ち会えていることに
とてもワクワクしながら日々を過ごしています。

誰もが自由にクリエイターとなりえる世の中を。

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