Members Column メンバーズコラム
万年筆の魅力〜書くことが楽しくなれば仕事や勉強が楽しくなる
山下悦令 (スポットライト) Vol.719
KNSの皆様、いつもお世話になります。
企業・お店の情報発信のサポートをしている合同会社スポットライトの山下と申します。
SNSのスキルシェアでクリエイティブ人材の育成をしたり、大阪産業創造館の経営サポーターをしたり、専門学校で講師をしています。
今日は本業とは少しかけ離れたことになるのですが、私は万年筆という道具が好きで、万年筆の魅力について語ってみたいと思います。
これだけ、デジタル化が進み、なんでいまさら万年筆!?
と思うかもしれませんが、私の人生は万年筆なしには語れません。
万年筆という道具があったからこそ、こうやって起業してがんばれています。
私と万年筆の出会いは、21歳のとき。
当時、旅行専門紙の出版社に勤めていたのですが、そのときの編集長に渡された1枚の指示書が私の人生を変えました。
なんて、達筆で味のある字を書くんだろう。
さすが、文章に関わる人だからこれだけ味のあるじを書けるんだと衝撃を受けたのを今でも覚えています。
そこで、「どうやったらこんな味のあるじを書けるのですか?」と質問したところ、
「え、万年筆で書いているだけやで」と言われ、
万年筆てこんな字が書けるんだと思い、早速帰りに百貨店に万年筆を見にいきました。
売り場について驚いたのが、万年筆って高い。
10,000円以上するものがほとんどだ。
当時、そんなにお金もなかったこともあり、いきなり10,000円する万年筆を買う勇気がなく、その中で1番安い、3,000円の万年筆を買ったのが、私の1本目の万年筆です。
そこから、あの無印に万年筆があることを知り、2本目の万年筆を無印で買いました。
万年筆を手に入れた私は、普段の仕事の書くことのほとんどを万年筆で行いました。
しかし、編集長が書いているような文字とはなんか違う。
そこで、編集長に買った万年筆を見せたところ、ペン先の「字幅」「素材」、「インク」が違うことを教えていただきました。
まずは、字幅。
私が持っていた万年筆の字幅は、細字(F)。
編集長が使っていたのは、太字(B)。
字幅が違うことで、インクの濃淡の様子が変わっていました。
字幅が太いとそれだけインクの量が多くなり濃淡を楽しめます。
さらに、万年筆の楽しみのひとつとして、インクがあります。
実は、インクはたくさんのメーカーから販売されており、同じ青でも、メーカーによって若干の色が違う。
「インク沼」という言葉もあるくらい、インクにハマる人が多いです。
私は、万年筆購入時についてくるブルーのインクを使用していたのですが、編集長は、MONTBLANCのブルーブラックを使ってました。
このとき、青でも黒でもない、ブルーブラックという色があることを知り、とても素敵な色だなと思いました。
色んなメーカーのブルーブラックを見ましたが、MONTBLANCのブルーブラックがやはり1番いい。
ほんといい色だなと思い、それから私も、MONTBLANCのブルーブラックを使用するようになりました。
最後に、ペン先の素材。
私が使っていた万年筆はスチールペン先で、編集長が使っていた万年筆のペン先は「金ペン先」。
一般的に金ペンと呼ばれるのですが、ペン先が金でできています。
スチールと金の違いは色々ありますが、簡単にいうと「柔らかさ」が違う。
スチールは硬くて、金は柔らかい。
金ペンで筆記したとき、その柔らかなタッチと紙に触れる感触の気持ちよさに感動。
私は、初めて金ペンを使ったとき、書くことがこんなに楽しくて、気持ちいいんだと思いました。
一度、金ペンを使うとスチールに戻れないという人も多いです。
当時、編集長は、PILOTのカスタム74という万年筆を使っておられましたが、
結局私も同じ万年筆を購入しました。
インクも万年筆も同じ。
そんな同じ万年筆とインクを手に入れて書いた文字は、もちろん筆記のクセは違うものの、初めて見たあの指示書に近いものでした。
そこから、私は、商談の依頼に手書きのメッセージを添えたり、転職時には履歴書を万年筆で書いたり、万年筆をフル活用しました。
すると、味のある字を書くねとか若いのに万年筆使って珍しいね。
みたいに言われることも増え、さらに万年筆にハマっていきました。
プロ野球選手は、バットやグローブなどにものすごくこだわる。
当然、結果を出すために、自分に合った道具を追求することは当たり前です。
よくよく考えると、私たちもビジネスのプロとして仕事する以上、道具にこだわっていかなくてはいけない。
それは何も高いものを使うということではなく、自分のパフォーマンスをあげるためにできることを最大限するということのひとつだと思うのです。
万年筆にハマったときは、20本以上所有していました。
それはいつからか、所有欲を満たすモノに変わり、新しい万年筆やインクをどんどん買っていました。
現在は、仕事道具がiPadということで万年筆を使う機会も減り、20本以上所有していた万年筆も必要のないものは処分し、本当に大切な3本を持っています。
もちろん、私の万年筆を愛する気持ちがなくなったわけでなく、これからも新しい万年筆やインクを買うと思いますが、増えすぎないように注意して、これからも万年筆を愛用したいと思います。
実は、「万年筆で人生を切り拓く」と電子書籍をKindle出版しており、こちらはAmazonでベストセラーになりました。
もっと万年筆の魅力を知りたいよという方は、読んでいただけたら幸いです。
また、私にあった万年筆が欲しいという方の相談にものっていますので、いつでもお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。