Members Column メンバーズコラム
50歳後半の在外研究・ポートランド滞在記
梅村 仁 (大阪経済大学) Vol.668
皆様
大変ご無沙汰しております。最近、KNSに参加できておらず、心苦しいのですが、こうしてwebを通して皆様とコミュニケーション(一歩通行かも??)を取れますことが嬉しい限りです。さて、2022年9月から1年間、米国オレゴン州のポートランド州立大学にて在外研究してきました。すでに、50歳後半のおっちゃんが何をしに行くのか?きっと色々と思われると思うのですが・・・好奇心がどうしても抑えきれず、海外で暮らしてみたい、アメリカってどのような国なのか、憧れのポートランドの本質を知りたいと思ったことが原動力でした。では、簡単ですが、私の忘備録を書かせていただきます。
① 米国のVISAを取る
人生初の海外留学となる私にとって、ビザを取るというのは本当に大変でした。後からそうしたことをやってくれる業者さんがいることを知りましたが、一人で調べてコツコツと取り組みました。まずは、ポートランド州立大学のインビテーションを取得するための資料づくり、英会話力試験(Emglish3)の最低限のスコア確保(汗)、それをもとに米国大使館にVISA(J-1:研究者ビザ)を申請。申請できたのは2022年7月中旬でしたので、出発まであと一月あまりのところでした。しかしながら、なぜか2週間ほど米国大使館のシステムが止まり、ギリギリのお盆明けにビザを取得することができ、安堵したところです。
② 海外の大学ライフ
在外研究において受け入れてくる指導教官(ポートランド州立大学)はいますが、自由な研究が基本ですので、それほどガチガチに管理されることはありません。最初の研修で、フルブライト留学生(大学教員)の皆さんとのセッションになったことから、一緒に勉強する機会が多々ありました。 研修における様々な場面で、脆弱な英会話力の私を皆さんがフォローしてくれて大変助かりました。
③ 一人ぼっち?
当初は妻と一緒に米国に1年滞在する予定でしたが、家庭の諸事情により単身での渡米となりました。結局妻は3回米国を訪問してくれましたし、息子もお盆休暇で来てくれました。 また、航空券が超高い中、長坂泰之先生(流通科学大学)を始め、5組の研究者の方が研究のために来訪され、有意義な時間を過ごすこともできました。ほぼ毎日何かしらのコンタクトがあったので、意外とぼっち感を感じることもなく、快適に過ごせた米国ライフとなりました。特に、西海岸エリアは湿気が低いので水を飲むことと、散歩することが日課となりました。
④ 日本人ってやっぱり最高
ポートランドでは、 ポートランド日本人商工会の皆さんと知り合い、ゴルフやソフトボール大会、バーベキューなど余暇も楽しませていただきましたし、特にポートランド兵庫県人会の皆様方によくしていただき、パーティーやランチ会などなど楽しい思い出となりました。写真は、兵庫県人会でのお別れ会です(2023.8.19撮影)。
⑤ 現在のポートランド
2010年頃より日本ではポートランドブームが起こり、ポートランドのまちづくりを学ぼうとする場面が多く、私もその1人として2018年にポートランドを初めて訪れました。その経験から在外研究先をポートランドに決めた次第ですが、残念ながら米国の様々な問題やコロナ危機を経て、ポートランド(特にダウンタウン)は以前のような輝きを失っていることも事実です。しかし、ポートランドの求心力である「ポートランドらしさ」の基盤は存在していることから、今後再び再生(回復)に向かうものと確信しています。これからも長く、ポートランドとはコンタクトし続けたいと念願しています。
⑥ 私のおすすめエリア(まちづくり編):サンディエゴ、ボウルダー、スノコルミー
最後に、米国でどこが良かったとよく聞かれますので、ポートランド以外で3つの街を紹介したいと思います。
第1にサンディエゴ。皆さんよくご存知の映画「トップガン」のロケ地でもあるNAVYの街。とにかく、光が燦々と降り注ぎ、西海岸を強く感じるとともに、アジアンコミュニティも豊で暮らしやすい感じがしました(3回訪問笑)。なお、隣はメキシコですので、ボーダーエリアでもあり刺激的な一面もあります。
第2に、コロラド州ボウルダー。マラソンの有森選手が高地トレーニングをした場所として有名であり、人口100,000人の比較的小さな町ですが、コロラド大学を中心とした学術的な地域として、治安も良く、ダウンタウンも小さきながらも賑やかで美しい街でした。街中を流れる川で、地域の人々が川遊びをしているのが印象的でした。
第3に、シアトル近郊のスノコルミー。シアトルから車で約1時間、旧駅舎を拠点とした小さなダウンタウンが高い存在感を示しており、大きな滝もあり、「小さな観光」の街として、とっても魅力のある街でした。日本にもこうしたロケーションの街はたくさんあると思うので、きっとまちづくりの参考になると思います。
たわいもないことをつらつらと述べさせていただきましたが、1年間の在外研究は私の人生にとって大変実り多いものとなり、特に様々な地域を訪問し、多くの人々とコンタクトできましたことが何よりの財産となりました。この場を借りて、厚くお礼申し上げます。