Members Column メンバーズコラム

岸和田市公民戦略連携デスク 担当1年目

辻 諭 (岸和田市)  Vol.683

KNSメンバーの皆さん、こんにちは。岸和田市役所の辻です。2回目のメンバーズコラムを担当させていただくことになりました。よろしくお願いします。

過去3回のKNS定例会でご挨拶させていただいた方はご存知かと思いますが、昨年4月に企画課という部署に異動となり、公民連携の業務を新たに担当することになりました。今回は、岸和田市公民戦略連携デスクについてご紹介したいと思います。

〇5年ぶりの異動

自治体職員は定期的に人事異動があり、私の場合、これまで、広報広聴課、児童育成課、おおさか市町村職員研修研究センター(マッセOSAKA)出向、観光課、議会事務局を経て、昨年4月の異動で6か所目と部署となります。

異動に伴い担当業務ががらりと変わることは自治体職員誰もが経験することなのですが、新たな部署での業務は40代半ばになっても非常に大きな不安が伴うもので、環境の変化に適応できるまでは、精神面でも肉体面でもギリギリの状態で毎日を乗り切っていくことになります。しかし、これを機に、また新たな世界や人に巡り合えることは、新鮮でとても幸せなことであると感じます。

〇公民戦略連携デスクの設置と背景

さて、本市の公民戦略連携デスクは、CSR(Corporate Social Responsibility:社会貢献活動)やCSV(Creating Shared Value:本業での社会貢献)に取り組む企業、大学等からの提案やアイデア、ノウハウ等を生かし、市民サービスの向上、地域課題の解決、地域の活性化を図ること等を目的として、令和3年10月に設置された新しいセクションです。

 設置の背景には、人口減少や少子高齢化が進行し、まちの活力を支える生産年齢人口、将来の担い手の減少や市民ニーズの多様化等、行政のみでは課題解決が困難となってきていている状況があります。岸和田市でも、人口は2005年(平成18年)の20万1千人をピークに減少を続けており、2010年(平成22年)からは自然減の局面に入り、現在は約18万8千人となっています。

今後、企業や大学等との連携により社会を支えていくことがより重要となると考えられるなか、市においては、相談受付窓口が不明瞭であったり、連携協定を締結していても具体的な取り組みが十分でなかったりといったことが課題となっていました。

 公民戦略連携デスクでは、CSRやCSVとの連携といった「民間との新たなパートナーシップ」を活動範囲とし、企業や大学等と本市それぞれの良さ、強さをつなげて、連携した取り組みの実施がwin-winとなるような関係づくりを目指しています。

〇公民連携の目的

本市では、市民サービスの向上、地域課題の解決、地域の活性化を主な目的として公民連携を進めています。

(1)市民サービスの向上

企業、大学等のノウハウ、アイデア、技術等を生かし、より良い市民サービスを提供していく。

(2)地域課題の解決

行政だけでは解決が困難な地域の課題を、企業、大学等と連携して解決していく。

(3)地域の活性化

企業、大学等と連携事業を実施することで、まちの活気が広がっていくよう地域を活性化していく。

〇企業等との包括連携協定、事業連携協定

 令和5年12月現在、公民連携の一環として市が企業や大学等と締結している連携協定は、包括連携協定が16件、事業連携協定が36件あります。包括連携協定は、幅広い分野における連携を継続して実施することを目的とした協定、事業連携協定は、個別分野での連携事業を実施することを目的とした協定となっています。

・包括連携協定

和歌山大学(平成15年8月)

桃山学院大学(平成28年7月)

岸和田市内郵便局(平成30年9月)

日本生命保険相互会社岸和田支社(平成31年4月)

損害保険ジャパン株式会社(平成31年4月)

大塚製薬株式会社(令和2年7月)

三井住友海上火災保険株式会社(令和3年2月)

リマテックホールディングス株式会社(令和3年7月)

岸和田マネージメント合同会社、株式会社プライムプレイス(令和4年6月)

白浜町、アドベンチャーワールド(令和4年8月)

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社(令和4年10月)

第一生命保険株式会社(令和4年11月)

一般社団法人JAPANゼロカーボン・スマートシティ・ファウンデーション(令和5年1月)

ホームサーブ株式会社(令和5年1月)

関西大学(令和5年2月)

イオン株式会社(令和5年7月)

〇公民連携はコミュニケーションから

 公民連携の取り組みは、民間企業等の豊富なアイデア、スピード感、社会変化への対応といった強みと、市の信頼性や公共性、安定性といった強みをつなげて生かすことで、より質の高い公共サービスの提供、新たな事業機会の創出、地域経済の活性化に取り組んでいくものです。

その推進役として、公民戦略連携デスクが設置されたことにより、窓口が明確になり、企業から相談や提案を多くいただくようになりました。

この業務を担当しもうすぐ1年となりますが、連携協定を締結したからといって連携事業が進むものでは決してなく、企業、特にその担当者とのコミュニケーションを重ねることで、情報・価値観の共有から共感が生まれ、相互理解をすることで、市と企業のお互いがwin-winになる連携事業が具体化すると、実感しています。

まだまだ摸索の日々ではありますが、企業と市役所各部署のつなぎ役として、公民連携の取り組みが1つでも多く実現し市の課題解決につながるよう、「産学官民連携は、コミュニケーションからはじまる。」のKNS精神で、邁進していきたいと思います。

【岸和田市公民戦略連携デスク ウェブサイト】

https://www.city.kishiwada.osaka.jp/site/kouminrenkei/

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