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四国西条より

辻中健史 (西条市産業経済部産業振興課経営支援係)  Vol.272

辻中健史

愛媛四国、西条市役所の辻中と申します。
さて、いきなりですが、「夏」でございます。今日(7/25)の四国西条はメチャクチャ暑いです。
「夏」と言えば、各地で様々なイベントが開催されますが、西条市でも色んなイベントが開催されます。私は、公私それぞれの立場でイベントの実施や手伝いなどをすることが多いのですが、特に夏はとにかく盛りだくさんです。
 例えば、7月26日には西条市の40代を中心とした若い世代の有志が「ストーン・ハンマーfes」という音楽イベントを開催します。これは行政の手助けなどもほとんど借りず、本当に市民手作りでやっているイベントです。また、商店街では、夏の恒例「夜市」が開催され、多くの人出で賑わっています。夜市最終日の8月8日には、「紺屋町バル」と題して、グルメイベントが開催されます。

 また、仕事では、8月5日より大学生のインターンが2週間、私どもの職場に実習に来ます。今年は8名のインターン生が来ます。と同時に、高校生を対象とした夏のキャリア研修事業を8月10日、11日、13日の3日間実施します。36名の高校生が参加する予定です。
さらに、小学生を対象としたイベントもあります。小学3・4年生約40名を対象に、ペットボトル水ロケット大会を開催します。また、岡山県の製鉄所と自動車工場を見学するツアーを、小学5・6年生約30名を対象に実施します。
ついで?に、8月25日からはベトナム国ハノイに出張します。
ということで、夏は本当に大忙しで、ある意味、非常に充実したものになっており、毎年、8月はあっという間に過ぎていきます。
さて、話は変わり、ちょっと別の仕事の話ですが、近年、私の業務で中小企業(特に製造業)の海外展開支援にかかるボリュームが増えてきています。先にも触れましたが、西条市では特に、ベトナムを対象とした事業展開支援に注力しているところです。
ベトナムの人口は約9,000万人。アセアンでは3番目に多い国となっており、2024年には1億人を突破する予想となっています。首都で政治の中心地であるハノイと経済の中心地であるホーチミンの2大都市があり、概して親日的な国家で、宗教色が強くなく、最も普及しているのが仏教であるので、日本人には馴染みやすいといったこともあります。また、ベトナム国民の平均年齢は約28歳で日本の約45歳と比較すると非常に若い方々が多い国です。日系企業は約1,100社あまりが進出済みとされており、近年では、過去のような急成長は落ち着きをみせているものの、それでもまだ、成長率は5%台をキープしており、マーケットとしても有望視されつつあります。一方では、成長に伴い、賃金の上昇が顕著であり、人件費におけるコストメリットは薄れつつあります。
そのようなベトナム国ですが、私ども地方都市においても、進出や現地製造、調達等に対するニーズがにわかに増えつつあると感じています。それでもまだ、極めて少数派ではあります。
報道や経済報告では、日本の景気回復基調が言われています。アベノミクス効果による株高円安進捗で大手企業を中心に業況は好転、長年に亘り低調操業を強いられてきた市内企業についても、増収増益に転じている企業も増加傾向にあります。
しかし、多くの中小・小規模企業は未だ厳しいと見ています。仕事はコストの安い海外へとどんどん流れてしまっており、少ないパイを多くの日本企業が取り合っている状況です。受注を確保できたとしても、単価は厳しく、利益が出ない状況も見受けられます。海外企業の技術力も相当レベルが上がってきています。今後、ますますこの競争は厳しくなっていくと感じています。
そのような状況の中で、いかにして戦っていくか?その手段、方策のひとつに海外展開と言う選択肢があると思います。
海外展開は、何も製造工場を現地に設けることだけが海外展開ではないと思います。自社の経営戦略のひとつのツールとして、海外との関係性構築を企画、実行し、実現した取り組みによって、自社の経営の一助とすることであると考えています。
西条市では、2015年4月より、ハノイに西条市ベトナムビジネスサポートデスクを現地企業に業務委託する形で設置したほか、11月には、ビジネスマッチング商談会を現地にて開催します。市内中小企業から複数社が参加することになっています。
中小企業の大きな課題のひとつは、新たな受注の獲得であると思います。その課題を解決するための有効な手段となるかどうか…ひとつひとつ積み重ねながらやっていきたいと考えています。
西条市の人口は、減少傾向にあります。現在、約113,000人の人口が2040年には89,273人にまで減少するという推計があります。個人的な考え方ですが、この減少傾向を完全に食い止め、人口増や横這いを維持していくことは、非常に困難であると思っています。減少傾向にあるという前提の中で、どう対処していくのか、何をやっていくのかが重要であると考えています。
先のイベントのところでも述べたような、若い世代による主体的な取組みを応援していくことや地域に根付いた商店街の賑わいを復活させることも大切です。とにかく「花火」は、絶え間なく、あげ続けることが大事と考えています。大変ですが。。。
まとまりがなく、コラムになっていないな…と感じながら、四国西条から私の近況を報告させていただきました。

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