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2015ミラノ国際博覧会に出展しました!!

福岡秀明 (伊賀市財務部財政課)  Vol.273

福岡秀明

みなさん、こんにちは。
“伊賀流忍術の発祥の地”三重県伊賀市の福岡です。
現在は財務部財政課に所属しています。よろしくお願いします。
今回は伊賀市の取り組みについて報告させていただきます。
最近のニュースでも取り上げられていましたが、5月1日から10月31日の間、イタリアのミラノで開催されています「2015ミラノ国際博覧会」に、伊賀市が6月28日から30日の3日間、日本館パビリオンでのブース出展とイベントステージに参加しました。

ミラノ博覧会は「地球に食料を、生命にエネルギーを」テーマに148カ国・地域・国際機関が参加し、期間中約2000万人の来客が見込まれています。

今回のミッションとして、世界中のキラーコンテンツとしての「忍者」をキーワードに、あらゆる世代の外国人誘客に向け“伊賀流忍者の発祥の地”である「伊賀市」を世界に発信する。
また、物産の販路拡大に向け、伊賀市の特産品である「伊賀牛」「伊賀酒」「和菓子」「漬物」「伝統工芸品の伊賀焼・組紐」「工芸ガラス(酒ビン)」が外国人の味覚や視覚でどのように感じるのか評価をリサーチし、ポテンシャルを体感することを掲げ、市長トップセールスをはじめ、伊賀流忍者特殊軍団 阿修羅や各特産品の生産者、観光協会等が忍者衣装を纏い、3日間でしたが早朝より深夜まで一体となって取り組みました。
「伊賀流忍者」についてはイベントステージを中心に(一社)伊賀上野観光協会が主体となり、伊賀流忍者特殊軍団“阿修羅”の忍者ショーを1日6回、計18公演を繰り広げ、
毎回立ち見が出る大盛況で、5月からいろいろ開催されているイベントステージ始まって以来の集客を記録しました!!

 伊賀上野観光協会は過去からも「伊賀流忍者」の発信に力をいれていましたが、平成15年の小泉内閣で観光立国を政策として打ち出した折、本格的に海外に目を向けアメリカやヨーロッパ(パリ)、アジア各地などで忍者ショーを公演したり、ホームページ等のコンテンツを外国人がアクセスしやすいバージョンに切り替え発信するなどの取り組みを行い、12年経った現在では伊賀市を訪れる外国人観光客は平成15年度の約5倍に増えています。
 特産品の出展について、「伊賀牛」はサーロインとリブロースをステーキで約3000食提供し「ニンジャビーフ」として大好評を得ました。
 当初、欧米は赤身肉を主に食することから霜降りの肉が受け入れられるか心配でしたが「柔らかくて美味しい。今まで食べたことがない牛肉」、「隣のフードコートで提供しているステーキより美味しい」などの感想で、“ヴォーノ”の上の、“ヴォーニシモ”の評価を沢山いただきました。
 また、「伊賀酒」は市内4蔵の日本酒を工芸ガラス(特別加工した瓶)220本に入れ、伊賀焼のお猪口で約5000人に提供しました。
 イタリアはワインの産地であることから酒に関しては繊細であり、原材料はもちろん、アルコール度数、造り方、醸造年数など専門的な質問が多くありました。
比較的甘口の人気が高く、酒瓶、お猪口も好評で、空き瓶はデザイン性から家に飾るため、お客様が全て持ち帰ってしまいました。
 「和菓子」は、伊賀の伝統菓子である「おしもん」600食と「かたやき」6000枚を提供し、おしもんは女性に人気が高く上品な甘さが好評でした。
 かたやきは小麦粉をベースに煎餅風に焼いたもので名前のとおり凄く固く、日持ちすることから忍者の携帯食であったとも言われていますが、ノベルティーとして配ったところほとんどの人がその場でバリバリ食べ、さすがに硬さに驚いていたが、イタリアでは硬いクッキーをエスプレッソに浸けて食べる習慣があるようで、かたやきで試してみたいなどの感想をいただきました。
 「漬物」は、たまり醤油に漬け込んだ醗酵製品の鉄砲漬けが有名で1200人分提供し、塩辛いことから受け入れられるか大変心配していましたが、イタリア南部の郷土料理で青いトマトに野菜を詰めた塩漬けの料理があるとのことで、ナポリ、シチリアからのお客様から大絶賛をいただきました。
 「伊賀焼・組紐」は伝統工芸品として紹介し、伊賀焼については自然釉に興味を持つ人が非常に多く、売ってほしいという方が続出、また、組紐についてもデザインと質感に興味を持つ人が多く、オブジェとして高評価を得ました。
 伊賀酒や伊賀牛等を伊賀焼の器で提供しましたところ、特にお猪口は購入希望者が続出しお断りをしていましたが、いつの間にか30個ほど持って帰られてしまいました。
 このようなことから、手前味噌ではありますが同時期に出展したブースの中でも群を抜いて集客があり、国の担当者から「クール・ジャパンでは伊賀市さん凄いことをやりましたね」と高評価もいただいたとのことでした。
「忍者」、「特産品」それぞれの持つポテンシャルについて認識することができたことや、出展された各生産者が海外への販路拡大を検討しているとのことから、ミラノ博覧会出展は市として大変有意義なものであったと感じています。
最後に市長の言葉ですが、「それぞれが持つポテンシャルを五感で体感した。先代が築き上げたものを生かすのは我々。市民が私たちの宝を果実にして世界に通じるものに一人一人が考えるべきだ。」と述べています。
各々がこのミラノ博覧会出展をふり返り、見えてきた課題と今後の施策方針を打ち出し、実行することが将来の果実を実らせるものと思います。

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