Members Column メンバーズコラム

人生100年時代に向けて眠っている能力にトライ!

辻和哉 (株式会社ヒューマンコンパス)  Vol.444

辻和哉

KNSコラム初投稿の株式会社ヒューマンコンパスの辻 和哉と申します。まずは、自己紹介をいたします。
大阪体育大学を卒業し、高校教員を15年、この間に1991-1994阪神タイガースの合同自主トレ担当、世界ユース、世界ジュニア陸上日本代表トレーナー、その後ラグビー日本代表ヘッドトレーナー3年、専門学校講師5年、大学専任講師6年を経て、現在は健康、スポーツ、ICTをテーマにした株式会社ヒューマンコンパスを経営しています。
KNSには、昨年、モンゴルから帰国された増田さんにご紹介していただき、参加したのがきっかけでした。KNSのつながりの素晴らしさに毎回、驚き、楽しく参加させていただいております。

現在、トップアスリートをサポートしたノウハウを生かし,運動能力を高めたい子どもから健康づくりをしたい高齢者までをサポートしております。今回はサポートしていて感じたことを投稿させていただきます。
サポートしている時、毎回感じることがあります。全ての年代に共通することなのですが、
本来持っている能力を十分に生かしきれていないと感じています。例えば、身体には600を越える筋肉があります。健康づくりでよく行われるスクワットですが、アドバイスの場面では足は肩幅に開いて、上体を深く倒さないように膝を曲げてくださいというのが一般的です。トップアスリートでは膝関節を曲げる角度を数値化します。さらに膝を曲げる動作に連動する体幹、股関節、脚関節の角度、速さも数値化して細かいチェックをします。数値化することにより、本人にとって最適な膝を曲げ伸ばす動作(スクワット)を学んでいきます。膝を曲げるための筋肉が正しく使われているか、多くの筋肉が使われているかなどもチェックします。なぜ、ここまで詳細にチェックするかと言いますと曲げる伸ばす角度が数度変わるだけでも使われる筋肉が変わるためです。筋肉は主動筋と補助筋(共同筋)というものがあり、多くの筋肉を使うというのは補助筋(共同筋)の動員が多いということになります。多くの筋肉が使われることによって大きな力を出せるとともに各筋肉の負担が少なくなるということになります。筋肉をコントロールできると言うことは大きな力を発揮でき、身体が疲れにくいと言うことになります。一つ一つの動作を客観的にチェックし評価することにより身体の課題を見つけて修正していきます。
アスリートではない方も能力を客観的に評価している時が1年に1回はあるかと思います。健康診断と体力テストです。この1年に1回の評価というのが身体の変化にとって妥当な評価というと疑問になります。成長段階の子どもの1年、高齢者の1年どちらも1年の間に身体は大きく変化しています。この変化に合わせて体力づくり、健康づくりを行うことが大切です。また、1年に1回の健康診断に合わせて検査結果の数値を良くするために、数週間前から体調を整えて健康診断に臨まれるという話をよく聞きます。この場合の数値は日頃の数値ではなく、ある意味スペシャルな数値だと言えます。身体の状態は日々変化していますので日頃のチェックが大切です。日頃、簡単にチェックができる方法としては姿勢があります。姿勢は人間が2本足で立つ上で非常に重要で、地球の重力に対して安定した姿勢が良い姿勢ということになります。姿勢が悪いと身体的にも精神的にも様々な影響が出現します。
良い姿勢を保つためには重力に対して身体を安定させる筋肉群が必要となります。この筋肉群のことを抗重力筋と言います。抗重力筋はヨットで例えると脊柱をマストとするならばマストを支えるロープということになります。このロープの張り方のバランスが崩れると姿勢が崩れるということになります。当然、ロープにはメインロープ(主動筋)とサポートロープ(補助筋)があります。そのため、良い姿勢を保つためには多くの筋肉をトレーニングする必要があります。多くの筋肉が動くことによりストレスなく姿勢の維持ができるようになります。ここからがポイントなのですが、重力に対して身体が安定している状態というのは重心の上に重たい頭部の中心があるということになります。頭部を安定して支えるためには頚椎・胸椎の動きが重要になります。特に頸部の不安定性は身体の動きを制限します。赤ちゃんが座るためには頸部が安定しないと座ることができません。いわゆる「首が座った」という状態です。運動を行う場面では頸部が安定するということが非常に大切になります。ことわざで「首をひねる」「首根っこを抑える」という言葉がありますが、どちらも首(頚椎)の動きを制限したものです。首の動きが行動に大きく影響するということになります。首の動きは胸椎、腰椎の動きが連動します。胸椎は身体を捻る動作、腰椎は身体を曲げ伸ばす動作を主に担っています。そのため良い姿勢を保てるということは、身体としてバランスがいいということになります。バランスが良いと頭部が安定して身体的にも、精神的にもリラックスします。当然、楽に身体を動かせるようになります。
楽、楽しいというキーワードが眠っている能力を起こし、健康寿命を延ばす大きな要因となると考えています。1日に1回の姿勢をチェックが大切です。今までの話の流れですと、身体の傾きを数値化?ということになりますが、毎日となるとなかなか難しいのが現状です。現在、身体測定用のスマートフォンのアプリがたくさんがあります。映像を撮影するだけで、身体の様々なデータを測定できるようになっています。毎日、撮影し記録することによって日々の変化が蓄積されていきます。そのデータを元に姿勢が崩れるタイミングを見極めることができれば、身体に問題が起きる前に予防ができるかもしれません。少しの身体の変化を見逃さないことが大切です。トップアスリートでは毎日の測定から問題点を解決していき、大きなパフォーマンスにつなげています。人生100年時代に向かって身体をフル活用していくことが良い人生につながると考えております。
最後になりますが、仕事柄、常に姿勢チェックをしてしまいます。前を歩いている人の歩き方を見て、・・・に問題があるなと!とチェックをしてしまいます。定例会にはほとんど参加していますので、お声をかけていただければチェックさせていただきます。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

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