Members Column メンバーズコラム

外国人雇用のメリット

砂田千秋 (株式会社CLC)  Vol.664

今夏の思い出の中で特に印象的だったのは、ロンドンに住む知り合いの依頼でイギリス人投資家家族を京都にアテンドした時のことでした。待ち合わせをした家族向け長期滞在にぴったりな、コンドミニアム型アパートメントホテルのフロントでのことでした。少し早めについたので、フロントの方とおしゃべりをした際にそれぞれの出身地がイタリアからと香港からということがわかりました。
コロナ前から徐々にですが地方出張や旅行に行った際利用するホテルの従業員に外国人が増えたなぁという印象をもっていたため、興味を持っていろんなことを質問しました。
2人とも大学からの日本滞在で留学生として学生時代を日本ですごしたということでした。そして日本のアニメと歴史文化への興味が日本への留学の決め手だったそうです。一昔前にアジアで聞いたのは、日本で働いた経験や日本語の能力を持って自国に帰ると、給料が良く昇進も早いからという声でした。時代の移り変わりをしみじみと感じていると、イギリス人ファミリーが階上の部屋から降りてきたのでおしゃべりはそこで終わり、一路嵐山へと向かいました。

日本は労働人口が減少する対策として、外国人労働者を積極的に受け入れる政策を進めてきました。2019年に入国管理法が改正されて右肩あがりで外国人労働者が増えつつあります。
改正を境に今まで外国人の在留資格が「技術・人文知識・国際業務ビジネス」が中心となっていたのが、宿泊業を含む 14業種を対象に「特定技能 1号」が新しくも設けられ、今までより多くの外国人がホテル業界に就労できるようになったそうです。

1位 ベトナム :45 万 3344 人
2位 中国 :39 万 7084 人
(香港、マカオを含む)
3位 フィリピン :19 万 1083 人
4位 ブラジル :13 万 4977 人
5位 ネパール : 9 万 8260 人
6位 韓国 : 6 万 7638 人
7位 インドネシア: 5 万 2810 人
8位 ペルー : 3 万 1381 人
出典:厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和 3年 10月末現在)

ホテル業界に限らず、教育事業を行うわが社では実は初めての新卒採用はミャンマーからの元留学生です。日本語能力 1級を持ち、英語も堪能でとなると英語学童保育を擁し、英語教育を重点的に行ってきているわが社としても即戦力になる、ということが一番の魅力でした。
また、日本人にはないポジティブな心の持ち方で 4月スタートの新卒者にもかかわらず、新しいプロジェクトにどんどん挑戦していきます。
先日は近い将来には別のエリアで新しく英語学童保育をオープンさせるという、社内ベンチャーのようなプロジェクトを立ち上げたいと申し出てきました。外国人スタッフのそのような提案や発言のしかたは、社内の日本人のスタッフにもとても大きな刺激になっています。
また早朝から児童の受け入れをする小学校の夏休みには、レギュラーの指導員数では不足します。そんな折には大学の後輩に声をかけてアルバイトのシフトに入ってもらう手配もしてくれています。
ベトナムやミャンマーからの学生は、日本語だけでなく英語も堪能、大家族出身者が多く子ども目線が天性のもので、子どもたちもすぐに懐いて良い相乗効果をもたらしています。
これから日本人は、アメリカ・カナダ・イギリスのいわゆる英語圏からの人たちと学び働く場より、私はアジアの方々と机を並べ議論し共に学び働く機会の方がずっと多くなると信じています。子どもたちにはアジアの英語だけでなく、歴史文化を理解し、共に学び働くようになってほしいと願っています。

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