Members Column メンバーズコラム
地域・企業密着型子育てサポート
砂田千秋 (株式会社CLC) Vol.366
3年前のコラムvol.235では「めざせ!堺に国際学校」のタイトルで堺に国際学校を設立する夢を書かせていただきました。
その後の経過報告を兼ねて今後CLCが公設の学童保育以外に、新たに展開して行きたい事業について検証してみようと思います。
堺東駅前商店街から始まった国際学校設立の夢ですが、行政を巻き込まざるを得ない計画は道険しく、まず私どもが得意とする働く母親の子育てサポートの方向からのスタートが堺では妥当ではないかと思いました。
その考えをもとに、小学生の英会話と放課後の預かりをミックスした学校運営を2016年12月から開校するために、CLC本部のある地域に移転したのは昨年10月でした。
当初はポスティングと日曜日の無料体験で広報活動を行っていましたが、移転先が子育て世代の多い地域ということもあり、ポスティングするたびに問い合わせがあり、無料体験にも毎回複数人参加といううれしい結果となりました。
フルで働くご家庭やそうでない方々の子どもたちも、放課後長時間預かりと英語のクラス、完全学習個別指導、ピアノ・そろばんなどの習いごとに加え、2020年から学校教育で始まるプログラミングを取り入れていることが功を奏したのだと思われます。
また本校のおひざ元の校区に限らず、お迎えに行ける範囲は本部の商用車と人員を駆使しての送迎システムも人気の一因でしょう。
そして開校後約4か月で定員の半数の児童を安定的にお預かりするようになりました。
保護者の方々からは「安心してフルで働けます」「家でも自然に英語が出てきます」「学習指導が徹底されていて助かります」という声をいただいています。
このように国際学校とは異なる運営の形ではありますが、今堺で必要とされる「子育てサポート」という分野での事業展開は間違ってはいないのだと確信するに至りました。
今後もポスティングに加え、HPでの地道に広報活動を継続して行い、早期の定員確保としていきたいです。
今後の新たな事業展開としては、「子育て中」「シフト勤務」「フルタイム労働」など多様化した働き方に対応できるように、会社内に保育所を確保したい企業のためのサポートを考えています。
今年3月に国の「働き方改革実現会議」が発表した実行計画においても、多様な女性活躍の推進として子育て後の女性の復職に積極的な企業を支援し、待機児童解消加速化プランに基づく取組を進めるということが謳われています。
女性の労働率は20代半ばと50代がピークになっているのを見てもわかるように、出産・子育てを機に一旦離職、育児が終わってから再び働きだす女性が多いことが反映されています。
これは我が国の子育て世代の女性にとって継続就業が大変難しいということを示しています。出生率の低下による労働人口の減少がさらに深刻になる前に、女性が子育て中も子育て後も早い時期から職場復帰あるいは継続勤務できる制度を企業が率先して整備していくことが待たれています。
企業内保育園のような福利厚生を取り入れることで企業のイメージアップにもつながり、子育て中の社員が安心して働ける環境が整備できるようになります。
子育てサポート制度を整備することで企業にとっても、意欲的で優秀な子育て期の女性社員を活用することが事業発展につなげる近道であると考えます。
CLCでは学童保育運営10年で蓄積したノウハウを生かして、企業内保育園開園の調査から準備、そして開園後の運営サポートを各々の企業にマッチした形で提案していきたいと考えます。