Members Column メンバーズコラム

リバーカヤックで別世界へ

砂田千秋 (株式会社CLC)  Vol.325

砂田千秋

私は春から秋にかけて和歌山県、三重県、奈良県の川にリバーカヤックに出かけます。
和歌山県では日高川や日置川にもよく行きますが、今日は朝早くに堺を出て大塔山を源に流れ下る古座川を目指しました。
古座川は約60キロにわたる四季折々の自然や奇岩、奇峰豊かな川です。
その奇岩、奇峰は1400万年前の悠久の地殻変動によって形づくられたそうです。
比較的柔らかな岩質は川底にある小石に削られてできた岩盤になり、観光地としても有名な「滝の拝」のようにユニークな形になっています。今回は川に入る前に、あまりの風の気持ちよさと空の青さにつられてしばしの岩盤浴を楽しみました。

また5月の解禁以降は流域の所々で鮎釣りの人を見かけますが、滝の拝より上流の鮎の味は絶品だと地元の人にお聞きしました。
今日の出発地点にたどり着く途中には「一枚岩」と言って、全長500メートル、高さ100メートルの巨大な一枚の岩が国指定の天然記念物として悠々とそびえています。
石質は「古座川弧状岩脈」と呼ばれる、流紋岩質凝灰岩で、均質で硬く固結しているため、風化・浸食せず残ったとされています。
赤っぽい色といい、お椀のような形といい、最初見た時には岩には見えず、鉄の塊が立っているのかと思ったほどです。
 今日のコースは明神橋から河口への約8キロを想定していましたが、今までの経験ではあまりにも短く物足りないような気がしたので少し上流の潤野あたりから入ることにしました。私はまだまだそこまで本格的なカヌーイストではありませんので、保管と持ち運びに便利なインフレータブル(空気で膨らませるタイプ)のカヤックを使います。このタイプは、簡単にたためて自動車の後部に積めますし、パドルも組み立て式ですのでとても運搬しやすいです。パドルはカナディアンカヌーで使用する片翼だけのシングルブレードではなく、両方にブレードがついたダブルブレードで波を掻きます。
今日の古座川は好天に恵まれ、川を見守る緑の深さと空の青さ、川の上を渡る風がなんとも心地よく、現実世界を忘れさせてくれます。川面から飛び出してくる魚や、その川面をうかがって獲物を探す鳥たちと遭遇して、リバーカヤックでしか辿り着くことのできないところにまで行ける、このスポーツの醍醐味を存分に味わうことができました。
今日のツアーでは、海の潮の加減でいつもよりかなり早く河口まで降りることができました。9月に三重県の宮川を予定していますが、その次はぜひ紅葉の時期にカヤックツアーをしたいと思っています。自然に溶け込んで、鳥や魚たちに出会いたい方がいらっしゃればご連絡ください。

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