Members Column メンバーズコラム

つなぐ – IMOの構築へ

領家誠 (大阪府ものづくり支援課)  Vol.44

領家誠

みなさん、こんにちは。大阪府ものづくり支援課の領家といいます。
この4月から、クリエイション・コア東大阪に拠点を構え、「MOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪)」と名称も新たに、
現場に身を投じて働いています。(ちなみに、名称の選定は堂野さんが座長の委員会です)
私のKNS暦は、まだ浅くようやく1年を過ぎたところです。
とはいえ、初参加以来、可愛がってもらって?怒涛の出会いとネットワークの広がりをいただいています。
引き続きご愛好のうえ、よろしくお願いします。

さて、大阪府の産業支援のキーワードは「つなぐ」です。
現知事就任依頼、ドラスティックな事業の見直しで、事業予算が大幅に減り、
なんでも自前という展開が難しくなってきています。
国や他の自治体と事業で競うのでなく、それぞれの役割を踏まえ、既存資源を有効につないでいくことが、
我々のミッションに なってきています。
「つなぐ」ことは、相談者を適切な機関につなぐ、中小企業と大企業、企業と大学、地域や支援機関のネットワークなど
いろいろありますが、2D的ことだけでなく、これからは、2者間+αで3D的な展開が必要になってくると感じています。

MOBIOは、大阪府におけるものづくりのマッチング・センターとなるべく、様々な取り組みを実施していますが、
寄せられるすべての案件について、マッチングが成立しているわけではありません。
ニーズが多様化し、事業所数が激減するなか、大阪府や業種団体、商工団体などの既存のネットワーク・資源だけでは、
マッチングが成立しないことが出てきているからです。
一方、ファブレスメーカーや異業種交流グループに加え、共同受注会社の出現や
先に法人化した大阪ケイオスにみられるような新しい形の企業間プロジェクトもでてきています。

これからのマッチングは、個人やインフォーマルな活動にも着目して、
積極的にネットワークに組み込む必要があります。
しかし、この様な活動と繋がるには、まず、活動のキーマンとの出会いが不可欠になってきています。
今、ネット通販を活用した大阪産品の販売を通じて、大阪の都市魅力の向上を図るというプロジェクトを実施しています。
その関係で、楽天の三木谷社長の話を聞く機会があり、同氏の発言にあったキーワードが「ソーシャル・グラフ」でした。
ネット上の概念ではありますが、リアルなネットワークにとっても、同様にエッジとノードの関係は成立しており、
これらをどう社会で共有していくのかという仕組みづくりが求められていると思います。
そう考えると、KNSは、ある意味、ソーシャル・グラフが構築されているのではないかと思います。
様々な活動のフィールドを持つ人達の集合体。
キーマンネットワークとして、貴重な場だと思っています。
そして、MOBIOにおいても、ものづくりにおけるソーシャル・グラフを構築すべく、
「IMO((Innovation-Project Management Organization))という概念を提唱したいと思っています。
フォーマル、インフォーマルを問わず日常的なつながりを構築し、
それを外部から持ち込まれる様々案件、プロジェクトの解決手法として活用していこうというものです。
これまでの事業ごとに細分化された囲い込みネットワークでなく、産学官のあらゆる活動そのものに着目し、
ものづくりに関する課題解決の資源として共有したいと考えています。

そういう意味では、KNSは、お手本でもあり、パートナーでもあります。
これからも、様々なキーマンとの出会いを大切に、また、楽しみに、活動に参加していきたいと思います。

最後に少しPRです。
MOBIOでは、週1~2回、夜にセミナー&交流会「MOBIO-Cafe」を開催しています。
記念すべき第1回は、5月28日KNSクラスター研究会でした。
以後、様々なテーマで開催しています。
次回で、30回を迎え、約600名の参加を得ています。
皆様も、ぜひ一度、のぞきにきてください。
お待ちしています。

開催情報は、ホームページ、http://www.m-osaka.com/

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