Activity Report 活動報告
Smips・KNS共催onlineミニ井戸端会議
今回のミニ井戸端会議は、もともとSmips(知的財産マネジメント研究会)の産学連携分科会の企画として、KNSメンバーである松田知樹さんを東京へ送り込み、話題提供いただこうと目論んでいたところ、目下の状況によりオンライン開催となったため、それならKNSとの共催にしてしまえ、ということで開催したものです。
おかげさまで約70名とたくさんの方に参加いただき、松田さんも、 最新情報を盛り込むべく、ギリギリまで資料を作り込んだスライド88枚を見事に活用しきって、シリコンバレーの文化とコミュニティから日本が学べる点についての話題を提供いただきました。
また、質疑応答を含めたセッションの終了後に、オンライン懇親会を開催しました。こちらが本番ですから大いに盛り上がり、リモートとはいえ、SmipsとKNSのメンバーが入り乱れる、ということで見事に異分野連携を図ることができたのではないでしょうか。
参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
なお、質疑応答の中では、シリコンバレーでのオープンイノベーションのほとんどはM&Aであるとしながらも、敢えて草の根型の事例として取り上げていただいたコワーキングスペース「HACKER DOJO」への質問が多かったです。ギークのコミュニティから生まれ、すべてがボランティアによって運営されている施設ですが、たまたま出くわした会津大学の学生による発表会で、ギーク達が真剣に聞いて、(評論ではなく)「ここはこうしたらどう?」というように前向きなアドバイスを惜しみなく行う姿を踏まえて、松田さんがおっしゃった「ギークは暖かい」「プレーヤー(何かをした人)がリスペクトされる文化」「スタートアップがスタートアップを支援する」といった言葉が印象的でした。Smips(知財マネジメント研究会)でもあったので、そうした場で技術やアイデアの流失をどのように防いでいるのかに関する質問も出ておりました。
一方で、このコロナ禍により、今後のシリコンバレーのあり方も問われているようです。アップルがちょうど新社屋を建てて快適なオフィス空間に社員を集めようとしていたように、多様な人々が集い、交流することにより新たな価値を生み出してきたわけですが、そのシステムが機能しないばかりか、大幅に在宅勤務が取り入れられて、それなりに機能している。それに、近年、顕在化してきた物価や人件費の高騰、格差社会の深刻化などがあいまって、シリコンバレーに集う意味はあるのか、となるわけです。実際に、スタートアップがシリコンバレーから脱出する傾向も以前から見られるようです。シリコンバレーを特徴づける緩い異分野交流「ネットワーキング」文化、それはKNSの考え方とも大いに共通する部分があると思うのですが、まさにそれらのポストコロナが問われているのかもしれません。
●日時:2020年7月11日(土) 17:00 – 18:30
●場所:ZOOM ミーティングルーム
●主催:Smips(知的財産マネジメント研究会)、KNS(関西ネットワーク研究会)
●テーマ:オープンイノベーションから生まれる革新的な製品とサービス
-シリコンバレーの文化とコミュニティから日本が学べる点とは-
他の地域同様、新型コロナウイルスの影響が深刻なシリコンバレーですが、この状況を乗り切ろうとする方法にもこの地特有の文化を見ることができます。オープンイノベーションとボランティア精神の文化から、日本が学べる点を具体的な事例を通して紹介いたします。
●話題提供者:松田知樹さん
CSi Global Alliance 株式会社 取締役 COO/Quacept 株式会社 専務取締役 COO/(一社)グローバル人事塾 理事
エレクトロニクス業界に長年身を置き、電子回路CADソフトウエア開発、品質管理向け測定装置等の輸入販売を行う企業で、事業開発、グローバルビジネスを担当。 年に数回、営業所のあるシリコンバレーに渡航し、現地企業との取引を行いつつ、様々なエンジニアとの交流を通してものづくりに対するSV特有の文化について情報発信を行っている。