Activity Report 活動報告

第62回産業クラスター研究会

経済産業省経済産業政策局政策企画官で東京大学客員准教授の坂田一郎さんをお迎えして、「ネットワークで観る地域クラスターの姿-small-world’ networksの発見」をテーマにお話しいただきました。
坂田さんは、取引関係のネットワークに着目し、全国12地域・分野を対象に定量分析を試みられました。
その結果、イノベーション創発力のあるネットワークとして、特に「大阪ものづくり」、「関西バイオ」が優れていることを指摘されました。

 日時:2007年12月19日(水)19:00 – 21:00
 場所:扇町インキュベーションプラザ 2階会議室
 話題提供者:坂田一郎さん 経済産業省経済産業政策局政策企画官
        兼 東京大学客員准教授(技術経営戦略)
 テーマ:ネットワークで観る地域クラスターの姿 – ‘small-world’ networksの発見

 指標の取り方によって議論の余地はあるものの、産業クラスターのネットワークに対する客観的評価手法を提示されたこと、そしてそれを用いて一定の結果を析出されたことは、重要な意義があるものと思います。

 遠路お越し頂き貴重なご報告を頂いた坂田さん、本当にありがとうございました。

 

報告要旨: 地域クラスターが持つ高いイノベーションの創発力を支えているのは、
      横の緊密なネットワークの存在である。ネットワーク理論上、
      イノベーション創発力の高いネットワークのアーキテクチュアは、
      近距離の緊密な交流と遠距離の柔軟な交流をバランス良く可能とする
      ’small-world’networksと考えられる。
      今回、この視点から、各地域のネットワークのアーキテクチュアを客観的、
      定量的に評価してみた。
      結果、関西の医療関連産業分野や北部九州の半導体分野などにおいて、
      ’small-world’と呼べるネットワークが既に形成されていることを発見した。
      一方、北海道のアグリバイオ、山形のものづくり分野のネットワークは、
      ’small-world’性において、先の2地域に比較して劣っていることも
      明らかとなった。
      こうしたネットワーク分析の手法を用いることで、どのような企業や大学が
      密なグループを形作っているのか、ネットワークの谷間はどこにあるのか、
      ということも、知ることが出来る。
      今後のネットワーキング活動を進める上で参考となろう。全国12地域・分野
      の分析結果を紹介した。

      下記、参考まで。
      http://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/07j023.pdf

 

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