Activity Report 活動報告

第16回循環型社会研究会 & 第61回産業クラスター研究会

「宇宙開発を身近なものに」と題し2007年12月14日(金)19時より、Mebic扇町にて標記研究会を実施しました。

第1部は大阪府立大学大学院工学研究科の小泉拓郎さんから「非燃焼型ロケットCEES打ち上げの取り組み」を、第2部は、「汎用小型衛星PETSATと軌道上実証機SOHLA-2」という題で、東大阪宇宙開発協同組合の小林千里さんから、お話をいただきました。

 

 

・非燃焼型ロケットCEES打ち上げの取り組み

わが国では1km以上の上空への打ち上げ規制があり、1-5kmの高度を狙うロケット開発はいわば空白地帯となっている。CEESロケットはこの空白の中低空をターゲットにするもので府立大学が世界で始めて取り組んでいます。

CEESロケットの原理は、液体窒素を温水と混合し、液体窒素を気化させることによって気体窒素を噴射させるというもの。

引火性なく安全、また有害な酸化剤使用しないことから環境負荷が低く、規制などの要素から実験・発射場所の課題が少ない。機体を再使用できるなど、さまざまなメリットがあり、宇宙工学教育用への実用化が期待されています。

大阪府立大学が2005年に世界初の非燃焼型ロケットを打ち上げてより2年、さらにパワーアップした3号機は、2007年9月13日、非燃焼型ロケットの飛行記録を大幅にアップし202mの高さまで到達、今後2010年に1kmの高さをめざし開発をすすめることとしています。

1km級のロケット市場としては、能代イベントやCANSATの世界的競技大会、米国に5000以上あるというロケット愛好家グループにアピールする可能性もあるとのことでした。

・汎用小型衛星PETSATと軌道上実証機SOHLA-2

東大阪の製造産業が疲弊を増した平成13年頃、中小企業が集まって、人工衛星を作ろうという企画が生まれ、平成14年に東大阪宇宙開発協同組合、SOHLAのプロジェクトが始動しました。

1号機は2008年、つくばより宇宙に向けて飛び立つ予定となっています。

今回の講演会では、PETASATの軌道上実証機として開発中の2号機、SOHLA-2についてお話をいただきました。

PETSATとは、パネル展開型衛星のことで、パネルに機能をモジュール化、パネル同士の接合を果たすインターフェースを標準化・これを公開することにより、パネル単位での企業参入を可能にできるものです。

SOHLA2では、インターフェイスの実証、バス機能実験、ペイロード実験を行うこととしています。
東大阪の企業さんでは、レーザー反射体、アマチュアバンド無線機、衛星構体、スピンアップホイール、中央制御ユニット、振動ジャイロなどの部分で貢献していただき、また府立大学の学生さんからのサポートもたくさん受けています。

ミッションに関しては開発を大阪大学など複数の大学へ再委託により実施しています。

講師の小林さんからは、このような複雑なフォーメーションが自然発生的に生じてきたこと、また、面白いと思った企業さんが手弁当で参画し、納期なども自律的に守られているなどプロジェクトの進捗が非常に有機的な連携の下で行われていることのご報告をいただきました。

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