Members Column メンバーズコラム

襷を繋ぐ

中塚一 (株式会社地域計画建築研究所)  Vol.600

中塚一

KNSの活動にお声掛けいただき、参画させていただいてから十数年経つのかな?
私も昨年で還暦を迎え、所属している事務所では、現在、代表の役割を担っています。
前代表から5区(5代目)の襷を渡され、新型コロナ感染発生とほぼ同時の約2年間。
区間新記録は困難でも、この襷を及第点でも良いので、次の世代に必死になって繋いていくのが私の使命だと考え、懸命に走っています。
私達のような中小企業では、襷を繋いていくためには、個々が自律している必要があります。
自立と自律とは違います。
自立は、他者に頼ることなく物事を行えること。
自律は、自らの価値観や信念に基づき、ブレないで判断・行動すること。
自分の頭で考え、判断し、行動することで、結果についても自分で責任を持つ。
そして仕事や経営において、指示されたことだけをするのではなく、全員がそれぞれの役割に応じて自律していくことが大切であると考えます。

小さな共同体(アソシエイツ)として、技術的、経済的、身体的な自立をめざしながらも、人間社会では一人で生きていないので、開かれたネットワークを活かし、相互に支え、助け合う必要があるなあと、最近考えます。
(写真は、事務所メンバーに「代表になるのでプロに撮ってもらえ」と言われ、モデル目線で男前に撮っていただいた写真です(笑))
さて、襷を受け取り、具体的に最近は何をやっているのか?と言うと。

1.エリアマネジャーという職能の確立
ミナミ御堂筋の会、船場倶楽部などで、エリアマネジャーの職能確立にチャレンジしています。
事務局メンバーが成長し、全国・世界(言い過ぎか)水準のエリアマネジャーが日本でも生まれてくる予感です。ただ持続可能な組織として運営してくためには、企業と同じで安定した財源確保が必要であり、目下の最大の課題となっています。

2.教え合い、学びあう場の創造
「今、この人の話を聞きたい」という率直な好奇心がベースで「適塾路地奥サロン」を、月一回、約45回に渡り継続開催しています。
KNSやメビックの活動に大変刺激を受けて、現在、適塾の横にある路地(公開空地)の奥にある建物の会議室で、船場地区での小さな開かれたコミュニティ・プラットフォームづくりをめざしています。この間、KNSで知り合った方々にもお願いし、多方面で活躍されている実践者や研究者の方々による具体的な活動、事業、研究成果を話題提供していただいています。「まちづくり」を見つめ直し、再定義し、「21世紀型の持続可能なまちづくり」のあり方等について、適塾のように「教えあい、学びあう」活発な意見交換を行う場になればと考え、自主運営しています。

3.倶楽部型(この指とまれ型)の地域循環型経済システム
エリアマネジメントや官民連携型プロジェクトで、循環型地域経済をめざした地域経営を探究しています。
大阪事務所がある船場地区での活動では、メビックも船場に移ってこられ、地域のプレイヤーが徐々につながってきて、ようやく目に見える形でアウトプットされてきそうな予感です。「こんな事をやってみたい」「チャレンジしている人を応援したい」という想いを持った人が集まって、アソシエイツのように人材・資源・情報が自然に集まってくるような令和版「倶楽部型」のような地域循環型経済システムが、「やってみなはれ」の発祥の地船場だからチャレンジできるのではないかと妄想しております。

4.自律型経営組織への改革
私達の事務所の代表の襷を手渡され、事務所の経営層が大きく変わりました。
私達らしい自律型経営組織(ティール組織)をめざし、持続可能な地域づくりを目指すのであれば、私達の事務所も持続可能でないといけない」とメンバーで熟議し、リスクを恐れず共にチャレンジしていくチームに共に成長していきたいと考えています。

さらに、公私混同的な部分では・・・
5.実践型プロジェクトとジョギングに学ぶ
大阪市内の生活している地区で、空き店舗を活用した実験店舗を実践し、現在、3月末のオープンに向けて「持続可能な地域づくりに貢献する都市型集合住宅」として、設計・施工が急ピッチで進んでいます。
これまで色々な活動やプロジェクトでお知り合いになった様々な専門家のアドバイスを得ながら、持続可能な建築とはどうあるべきかについて、設計システム、エネルギー利用、木質化、リスク管理などのノウハウを学んで実践していきたいと考えています。

最後に、KNSメンバーのFBのジョギング、マラソン情報発信に刺激を受けて、週末にジョギングを始めました。
まだまだ体重管理のジョギングレベルですが、皆さんと共に(ハーフ)マラソンにチャレンジできるように精進します。

キョンキョンが、「人生は40歳を折り返し地点として、若返っていくのよ」と言われてたので、私も今年で気分は19歳になります。
今後とも皆さんと共にワクワクする人生を楽しんで行きたいと考えています。
引き続きよろしくお願いします。

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