Members Column メンバーズコラム

月刊誌へのエッセイ連載の経緯と楽しみ

中村稔 (株式会社パソナグループ)  Vol.611

中村稔

KNSの皆さん、こんにちは。一昨年の夏に経済産業省での35年にわたる勤務を終えて退官し、株式会社パソナグループの顧問をしています中村稔です。
現在、大学の研究員や様々な団体の顧問などを兼ねているほか、YouTube番組への出演や執筆活動なども行っています。
 その一つとして、40年以上にわたって出版を続けているお酒の専門誌「月刊たる」に昨年10月からエッセイを連載しているのですが、これがなかなか面白い体験なので、今回メンバーズコラムでご報告したいと思います。
 この「月刊たる」との出会いですが、この月刊誌発行元の「たる出版」の高山社長をある医学系雑誌の編集者の方からご紹介頂いたのがきっかけでした。私は、経産省から兵庫県庁に出向して産業労働部長をしていた際に灘の酒を始めとする兵庫の酒のプロモーションも担当し、多くの酒蔵を訪問したり利き酒会など様々なお酒関係のイベントに参加したりしていたことや、そもそもお酒好きという点も含めて意気投合し、その後、誌上企画の鼎談に参加することにもなりました。この鼎談は、大関酒造の西川社長(当時)と国際弁護士で現在衆議院議員の三谷英弘氏と2016年7月号と8月号の2回にわたる企画でした。

その後、2021年3月号では、パソナグループが日本酒の古酒のプロモーションを始めていたことから、高山社長にその特集記事の掲載をお願いしたところ、何と、「日本酒の古酒熟成酒」という20ページにわたる大特集をして頂きました。なお、このうち、4ページをパソナグループの取組みの紹介に充ててもらいました。
 このような「月刊たる」とのお付き合いや高山社長とのお酒談義を重ねてきたことなどもあってか、エッセイ執筆の依頼があり、とうとう連載を始めたというわけです。
 その内容を簡単にご紹介しますと、昨年10月号では「日本酒と日本の文化」と題して日本の歴史や文化を形作ってきた米と日本酒の関係について、11月号では「自然に育まれた奇跡の水と日本酒の物語」と題して日本酒造りで大切な水について、12月号では「日本酒造りの匠の世界」と題して複雑な日本酒造りの技について、今年の1月では、「日本酒造りのあれこれ」と題して奥深い日本酒造りの手法について、といった内容で、日本酒についての解説のような連載をしました。
ところが、2月号からは、打って変わって、ポーランドの話を書きました。ロシアのウクライナ侵攻で避難民の半数以上を受け入れているポーランドが日本でも注目されていますが、このポーランド関連の連載開始は、元々の予定だったので、偶然の一致になりました。
私は、1993年に経済産業省から外務省に出向し、89年11月のベルリンの壁の崩壊後に東欧改革が始まったばかりのポーランドへ外交官として赴任して首都ワルシャワで3年間暮らしました。その際に見聞きした話などを中心に、2月号は「ポーランドの自然、文化とウオッカの味わい」、3月号は「ショパンの心臓をめぐる衝撃のエピソード」、4月号は「ポーランドと日本を結ぶ善意の架け橋」、5月号は「夏の離宮ヴィラヌフ宮殿に現れた大男」と題し、4回シリーズでポーランドについて書きました。
 今後は、お酒と真珠のコラボレーション、「夜も魅せる商店街」プロジェクトの顛末、橘街道プロジェクトなどについて執筆する予定です。こうした連載がある程度進んだところで、本にするという話も頂いており、私の10冊目の著書になるのも楽しみです。
 私にとって、仕事関連などでの定期刊行物への寄稿が連載されたことはありましたが、内容を自由に書けるエッセイの連載は初めてなので、とても面白い経験になっています。
そもそも、出版社に私のエッセイの担当の人がいて、「先生、来月号の原稿をお願いします。」と催促されるなど、なかなか原稿ができない作家先生を編集者が追いかけ回すテレビドラマのシーンのようで、自分がそういう立場にいるのが笑えます。また、先日には、その担当の方から連絡があり、この連載とは無関係なプレゼント企画の応募はがきの自由欄に私のエッセイが面白いとの意見が書かれていたという異例なことがあったとの嬉しい報告も頂きました。
 このように、最初は、無期限での連載を続けるのは大変かなと思っていたのですが、いざ始めてみると、様々な反応があったり、自分のあやふやな知識を改めて訂正や確認ができたり、次々と書いてみたいことが浮かんできて、楽しくて仕方がない状況です。
引き続き、これまでの仕事やプライベートでの様々な活動を通じて見聞きし、経験してきたことを思い出しながら、読者の方にもお酒片手に楽しんでいただけるような面白いエッセイを書いていこうと考えています。

PAGE TOP